『銘酒居酒屋・赤鬼』赤鬼だより

東京三軒茶屋にある『銘酒居酒屋・赤鬼』のスタッフが、お酒周り、お店周り、そして旬のよしなしごとをトツトツと綴ります。

卯月四月、今月の六品 その1

2012-04-03 09:49:00 | 酒の肴
春、四月、
めまぐるしく変わるお天気と気温のなかで
桜が、咲き始めました。
みなさまはいかがお過ごしでしょうか。

今月も、旬の味覚満載の「六品」ができました。
いつものように一つずつご紹介していきます。
ぜひぜひ、おためしあれ。




「あさりの串揚げ」

先月は卵とじにした旬のあさりですが、
今月はぱりっと、揚げものになって登場です。
それも、なんと、串揚げ。
ビールのアテにサクッと一品かな、と思いきや…

アサリの下拵えに手間をかけました。
出汁と醤油でふっくらと煮て、下味をふくませてから
衣をまぶして揚げています。
パン粉がプツプツと立った揚げたてを齧ってみると、
炊いたあさりのおいしさが口中に溶け出します。
凝縮された貝の旨味で一切ソースの要らない串揚げ。
ビールだけではありません、
どんどん入ってくる出来立ての春のお酒にもぴったりの
ジューシーな串揚げが、できましたよ。

(浅沼作)

卯月四月、今月の六品 その2

2012-04-03 09:33:05 | 酒の肴
「ささみのスモーク」

なんと、「今月の六品」に、
赤鬼初の「自家製薫製」が登場しましたよ。
築地の美味しい鶏専門店から仕入れたササミを
ふんわりと、スモークしました。
使ったのは、桜のチップです。

薫製というと、どうしても濃厚なお酒に合わせるイメージですが、
ここではフレッシュな新酒たちにも合うように、
軽くやさしく燻しています。
噛みしめると、しっとりした笹身の歯ごたえのなかから、
他の煮炊き方法にはない、独特の香味が味わえます。
つけ合わせの柔らかく甘い春キャベツとともに、
あわい薫香を愉しんでくださいな。
桜で桜色に染まった、粋な酒肴です。

(竹下作)





卯月四月、今月の六品 その3

2012-04-03 09:09:04 | 酒の肴
「初鰹とたらの芽の酒粕チーズソース」

はっきりしているのです。
料理名が、全部を表しているのです。
しかし、実際はどんな味なんだろう?と想像をかき立てられる、
この一品。
初鰹とたらの芽という海山の旬を、
ひと皿に盛り込んだなんとも贅沢な肴です。

そのままでも美味しい初鰹は、
戻り鰹よりもさわやかな脂とねっとりした歯ごたえ、
漬けにしてさらに風味を引き出しました。
そして湯がいたたらの芽の、瑞々しいほろ苦さ。
味も色も対照的なふたつの素材に濃厚なソース、
醤油、酒粕、チーズという発酵ものがとろりと合わさって、
えもいわれぬ旨味が口の中に拡がります。
白、赤、緑と目にも鮮やかなシンプルな見た目、
そして食べてみてはじめてわかる、重層的で複雑な美味しさ。
はっきりしていて、でも奥深い、一品です。

(中村作)



卯月四月、今月の六品 その4

2012-04-03 08:54:44 | 酒の肴
「桜鯛豆腐の若竹あんかけ」

この季節、ほんのりと色づいて、
むちむちと栄養もたっぷりの、真鯛。
先月に続いて、今回もこの魚の王者が「六品」に登場です。

焼いてほぐした鯛の身とすり身を合わせ、
お魚でお豆腐をつくりました。
これだけでも肴になる一品ですが、
さらに上から、これまた旬の筍を使った「若竹あん」をかけました。

筍の若々しい風味に、わかめのミネラル感。
しっとりした口どけの寄せものに、みずみずしいとろとろの餡。
ほろにがさと、あえかな甘さ。
里のものと海のものとが上品な出汁でつながって、
吟醸酒のクイっと進む、粋なアテができましたよ。

(菅作)

卯月四月、今月の六品 その5

2012-04-03 08:41:49 | 酒の肴
「桜えびの飯蒸し」

やっこ、塩辛、焼き魚…
ざっかけない居酒屋の定番も良いですが、
月替わり「六品」では、レギュラーメニューにないような
ちょっと凝った料理が、登場します。
昨年からこの「六品」に次々と新風を吹き込んでいる料理長・菅が、
またまたつくりました、「お家ではなかなかできない」ひと品。
今がドンピシャの旬、さくらえびの「飯蒸し」です。

糯米と桜海老をふんわりと蒸し上げ、
上にも桜海老たっぷりの餡をかけました。
もちもちの柔らかさと、小さいながらに確りとしたエビのこうばしさが
一体になって、後をひくことこのうえなし。
桜の季節の桜色、蓋のうちの春を、
目で舌で、存分にあじわってくださいませ。

(菅作)

卯月四月、今月の六品 その6

2012-04-03 08:25:00 | 酒の肴
「鰆のつみれ鍋」

魚へんに春、と書くさわら。
二月にも「六品」で扱いましたが、
やわらかな身と独特の旨味をもった、旬の魚です。
その鰆を、今度はお鍋に仕立ててみました。
毎月定番の「赤鬼の小鍋だて」。
春風や花粉に煽られた喉にもやさしい湯気が
蓋をとったとたんにふつふつと立ちのぼります。

丁寧に下拵えした鰆でつみれを作り、
野菜や豆腐と一緒にさっとお出汁で炊き上げました。
主役のつみれがほろほろと口の中でほどけ、
お魚の香味が沁みだしたスープも、
そのスープが染み込んだ葱や豆腐も、旨々に。
きれいで淡いなかに鰆の滋味がゆきわたって、
うーん、と目をつぶって味わいたい美味しさです。
熱々の春のお鍋を、堪能してくださいな。

(大内作)