先日、無事に30周年をむかえた赤鬼です。
皆さまのこれまでのご愛顧に感謝を捧げるとともに、
31年目、ますます気を引き締め、
おいしいお酒とおいしい肴を愉しんでいただける
居心地の良い場所であるよう、精進してまいります。
どうぞ、これからも、よろしくお願い申し上げます。
そして、恒例の「今月の六品」が
1日より更新されています。
今回も、旬を取り入れ工夫をこらした
いろんな料理がならびました。
ぜひぜひ、おためしください。
それではいつも通り、ひとつずつご紹介していきます。
「小松菜とキノコの煮浸し」
先日、長く通って下さっているお客様から
「赤鬼の出汁は進化している」と嬉しいお褒めの言葉を戴きました。
いい素材をつかって、丁寧に、出汁をひく。
料理の下地、基本のキ、として日々続けていることを
長年来て下さっているからこそ、わかって下さったのだと思います。
31年めにして、その原点にかえるという意味も込めて、
まさに出汁がその生殺与奪権を握る一品、
王道の「煮びたし」をつくってみました。
青菜の少なくなる季節、ほうれん草や春菊とともに
目をたのしませてくれる小松菜。
栄養たっぷり、歯ごたえよしの野菜です。
そこに晩秋の山の実りである茸たちを取り合わせました。
カリカリのじゃこがアクセントと魚っ気をプラスして、
シンプルながら、オツな箸休めに。
実は、この一品、
オーナーの蕎麦屋「健生庵山愚」の地元である長野飯山の茸と
赤鬼のある東京は世田谷の地場野菜、小松菜とを使っています。
いろいろなことに因みながら、
ごまかしのきかないストレートなひと品にこめたおいしさで、
あらたにした心意気を少しでも感じていただけたら、幸いです。
(中村作)