『銘酒居酒屋・赤鬼』赤鬼だより

東京三軒茶屋にある『銘酒居酒屋・赤鬼』のスタッフが、お酒周り、お店周り、そして旬のよしなしごとをトツトツと綴ります。

2012年 赤鬼忘年会のお知らせ

2012-11-23 16:37:02 | イベント、お知らせ

赤鬼忘年会のお知らせ

いつもご来店ありがとうございます!
今年も赤鬼忘年会を以下のように開催いたしますので
ご案内させていただきます。

日時 12/16(日)17時~21時
場所 赤鬼店内(立食)
会費 3000円(料理一式含む)
お酒 普段の半額でキャッシュオンデリバリー方式にてご提供
受付 参加ご希望の方は11/23(金)~12/13(木)の間に
   スタッフへお申し付け下さい。
   受け付けは先着60名様とさせていただきますので
   ご希望のかたはお早めにどうぞ!

なお、当日は通常の営業はお休みさせていただきます。
今年一年の感謝をこめて、一同皆さまをお待ちしております。

銘酒居酒屋赤鬼 店主敬白

霜月11月、今月の六品 その1

2012-11-03 15:56:16 | 酒の肴
先日、無事に30周年をむかえた赤鬼です。
皆さまのこれまでのご愛顧に感謝を捧げるとともに、
31年目、ますます気を引き締め、
おいしいお酒とおいしい肴を愉しんでいただける
居心地の良い場所であるよう、精進してまいります。
どうぞ、これからも、よろしくお願い申し上げます。


そして、恒例の「今月の六品」が
1日より更新されています。
今回も、旬を取り入れ工夫をこらした
いろんな料理がならびました。
ぜひぜひ、おためしください。

それではいつも通り、ひとつずつご紹介していきます。



「小松菜とキノコの煮浸し」

先日、長く通って下さっているお客様から
「赤鬼の出汁は進化している」と嬉しいお褒めの言葉を戴きました。
いい素材をつかって、丁寧に、出汁をひく。
料理の下地、基本のキ、として日々続けていることを
長年来て下さっているからこそ、わかって下さったのだと思います。
31年めにして、その原点にかえるという意味も込めて、
まさに出汁がその生殺与奪権を握る一品、
王道の「煮びたし」をつくってみました。

青菜の少なくなる季節、ほうれん草や春菊とともに
目をたのしませてくれる小松菜。
栄養たっぷり、歯ごたえよしの野菜です。
そこに晩秋の山の実りである茸たちを取り合わせました。
カリカリのじゃこがアクセントと魚っ気をプラスして、
シンプルながら、オツな箸休めに。

実は、この一品、
オーナーの蕎麦屋「健生庵山愚」の地元である長野飯山の茸と
赤鬼のある東京は世田谷の地場野菜、小松菜とを使っています。
いろいろなことに因みながら、
ごまかしのきかないストレートなひと品にこめたおいしさで、
あらたにした心意気を少しでも感じていただけたら、幸いです。

(中村作)




霜月11月、今月の六品 その2

2012-11-03 15:45:51 | 酒の肴
「〆さばと柿のみぞれ和え」

いなかに行くと、田や畑のわきにはよく柿の木がありました。
身近な風景に溶け込んだ柿は、その実のなることで
季節を告げてくれます。
あまく熟した柿もまた、おいしいデザートですが、
ここではしゃっきりとしたその歯ごたえを
和えものに仕立ててみました。

栄養豊富な青魚、サバを、しっとりと酢締めに。
それだけでもおいしいのですが、
ほんのりと甘くシャキシャキとした柿と合わせたことで
一段格上げ、粋な肴になりました。
ねっとりした鯖のうまみと柿のやさしいさっくり感、
ふたつを大根おろしの和え衣がきれいにまとめています。
オーダーごとに丁寧につくる和えものは、
見た目の美しさもさることながら、
味のかげんも上品な、ぴたっと決まった極上の酒肴です。

(大内作)




霜月11月、今月の六品 その3

2012-11-03 15:33:36 | 酒の肴
「ししゃもの天ぷら」

通常買えるこの魚はほとんど冷凍、干物なので、
ししゃもの旬を知らないひとは多いのではないでしょうか。
新物のししゃもが出回る季節になりました。
柳の葉の魚と書く字のごとく、すっとした姿形の魚ですが、
脂と旨味の乗った生鮮のししゃもは丸々とふとっています。

その旬を、そのままかたちに。
さっくりと天ぷらに仕立てました。
子持ちししゃものツブツブ感が好きな人も多いですが、
オスのししゃもの身の美味しさはまた、格別なものです。
運ばれてきたお皿をみて、その大きさにびっくりするかもしれません。
カラッと揚げたてをほおばれば、
淡泊でありながら、どこか野性味を持った独特の味が
北からの便りを目の前に届けてくれるようです。
シンプルな滋味。
これまた旬の春菊の天ぷらとともに、
身近な魚の意外なおいしさを、サクサクと味わってください。

(中村作)





霜月11月、今月の六品 その4

2012-11-03 15:14:49 | 酒の肴
「牡蠣とベーコンのトマトチーズ焼き」

冷え込む季節にうれしい熱々の料理。
この「六品」ではたびたび
日本酒に合うグラタンが登場していますが、
今月は、みんなが大好きな、カキを使いました。

具材は牡蠣、ベーコン、シメジ、トマト。
まさに山海の妙味、
素材だけでもぐぐっとくる魅惑の取り合わせです。
カキのほろにがさ、ベーコンの脂と燻し味、
トマトのさわやかさと甘み。
丁寧に下ごしらえした具材をさっくりとチーズでまとめ、
こんがりと焼き上げました。
それぞれの持ちあじが混ざり合って、
フツフツと、おいしいオーケストラが鳴っています。
さむい日の、ごちそうグラタン。
ひそかに使ったお醤油がきいて、お酒にも不思議と合ってしまう、
上品(じょうぼん)の味わいです。

(箕村作)




霜月11月、今月の六品 その5

2012-11-03 14:59:34 | 酒の肴
「鰤と蕪の炊き合わせ」

昨今は流通が発達して、とおくの海で捕れたものも
すぐに築地に並ぶようになりました。
結果、ものの旬がながく感じられたりします。
しかし、どうしても寒いときでなくては、というものもあります。
蟹、牡蠣、そして冬の魚の代表、ブリ。
脂がよく乗ってぐっとうまみをたたえた寒ブリは
この時期にならなければ戴けない、季節の味。

鰤のパートナーといえば大根がすぐ思い浮かびますが、
ここでは、かぶらと炊き合わせました。
すぐに火の入ってしまう蕪は、歯ごたえを残して
ふんわり炊き上げるのが難しい素材。
でもそのぶん、ふくよかでやさしい味わいになります。
鰤の力強い旨味とほろほろと口にとける蕪、
甘辛く、でも濃過ぎないバランスの下地。
これはもう、絶妙のさじかげん、プロの煮方の仕事です。
寒い季節ならではの恵みを、
ウマウマなひと鉢で、存分に味わって下さいな。

(箕村作)




霜月11月、今月の六品 その6

2012-11-03 14:41:29 | 酒の肴
『牛すじ鍋』

気温がぐっと下がって、あたたかい鍋ものがうれしいこのごろ。
毎月、いろいろな内容でお出ししている「今月の小鍋」ですが、
いよいよ、その本領発揮の季節です。

やわらかく炊いた牛すじをお鍋に仕立てました。
煮込みなどでは甘辛く、洋風ならこっくりと、
濃いめの味付けを予想する牛すじですが、
このお鍋は、ひと味ちがいます。
口に運ぶときりっとした塩味とともに来るアクセント。
そう、梅の風味をしのばせてあるのです。

丁寧に下煮した牛すじと、そのしっかりした旨味がしみこんだ
大根、豆腐、葱、しらたき、キャベツ。
澄んだスープにふわっと、梅が香ります。
出汁に叩きこんだ梅の味とちぎったカリカリ梅の
ダブルのさわやかさがあとをひいて、
お酒にすっと寄りそう上品なお鍋になりました。
牛すじと野菜から出るおいしいスープがまざりあい、
蓋をとったときの湯気もご馳走。
芯からポカポカにあたたまり、日本酒を引き立てる、
こんなお鍋で今夜の一献を。

(竹下作)