『銘酒居酒屋・赤鬼』赤鬼だより

東京三軒茶屋にある『銘酒居酒屋・赤鬼』のスタッフが、お酒周り、お店周り、そして旬のよしなしごとをトツトツと綴ります。

長月九月、今月の六品 その1

2013-09-04 02:27:23 | 酒の肴
なかなか残暑の去らない季節の変わり目ですが、
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
今月も、自信を持ってお勧めする「六品」ができました。
いつもの通り、順にご紹介して参ります。
ぜひぜひ、召し上がって下さいね。


「南瓜の酒かすテラ」

これは、しょっぱなから、すごい!とひと声をあげました。
芋栗南京を、女子供の食べものと馬鹿にするなかれ。
カステラを、お菓子とだけ思うなかれ。
食べてみなければわからない、これは目から鱗のひと品ですよ。

ふわふわともっさりの中間くらいの独特の歯ごたえのあと、
南瓜のやさしい甘みのなかに、
「あああお酒だ、日本酒だ!」という酒粕のかおりが立ちのぼります。
何かソースをかけたら別の一品に生まれ変わってしまいそうな
どこか引いたたたずまいが、
逆にもう一口、もうひとくちと、後を引きます。
逃げると追いかけたくなる。まさにそんな感じです。
そしてそのくびれが、見事に日本酒飲みたい!という心に
引っ張られていくのです。
この後ろ髪はいったい何なんでしょう。

もう一度書きますね、
南瓜でカステラです、ネーミングも駄洒落です、
でも、これは、とてもみごとな酒の肴。
食べてみて、ぜひ、ウロコを落としてくださいな。

(箕村作)



長月九月、今月の六品 その2

2013-09-04 02:14:01 | 酒の肴
「里芋と厚切りベーコンのグラタン」

このタイトルをみて、
凡百のポテトグラタンを思い浮かべるなかれ。
みごとに想像を裏切られますよ。
グラタンは日本酒に合うのか?という疑問符を
感嘆符に変えてしまう酒肴が、この一品です!

コトコト、丁寧にお出汁で炊いたベーコンと里芋。
そのままでも和風ポトフとしておいしく成立してしまう料理ですが、
そこに、ざっくりと長葱を加え、
ホワイトソースをかけてこんがりと焼きました。
里芋ならではの密なもっちり感が
厚みのあるベーコンの脂や塩味をやさしく引き立て、
長葱のシャキシャキした歯ごたえと甘さが加わり、
隠し味の出汁も醤油も生き生きと絡んできます。
ズバリ、日本酒を飲みたくなるグラタン。
熱々を頬張って、今日のお酒をひときわ美味しく飲みましょう!

(大内作)






長月九月、今月の六品 その3

2013-09-04 01:54:54 | 酒の肴
「カツオと焼き茄子の土佐醤油」

さっぱりとした初鰹もよいけれど、
脂の乗った戻り鰹もこたえられません。
鰹がじわじわと旨味を増していくこの季節、
野菜界の旬の王者とも言うべき秋茄子と合わせた
チャンプな一品が、できました。

皮を焦がして香ばしく焼いた茄子はそれだけでご馳走。
茄子のラタトゥイユを「貧乏人のキャビア」と呼ぶ
言い回しもあるくらいで、
水分を飛ばして凝縮された茄子の持つなんともいえない滋味は
洋の東西を問わず、みなの認めるところです。
その茄子と、ねっとり旨味の乗った鰹とを、
とも和えとも言えるような鰹出汁の効いたお醤油で
ざっくり合わせました。
ともに引き立て合いながらもお互いの主張がしっかり絡み合った、
見事なタグマッチのひと皿。
この季節、これを食べずして何を食べるのか?というくらいの
王道な逸品です♪

(中村作)




長月九月、今月の六品 その4

2013-09-04 01:22:07 | 酒の肴
「鶏ときのこの芥子和え」

毎月、旨い鶏料理が必ず入る、この六品。
今月は、これ。
ささみとキノコのからしあえ、です。

朝締めの新鮮な鶏のササミはしっとりと茹で、
焼いて香味を引き出した舞茸とあわせて和えました。
ちょっとはっとするほど、ピリリと利いた芥子がポイント。
パッキリしたアクセントのあとに拡がってくる
鶏のやさしいうまみとサクサクの舞茸の滋味…
これはもう、箸が止まらなくなるおいしさです。
シンプルでいて、ぴたりと決まったこのバランス。
お酒を美味しくするひと皿、極まれり。
今宵はこれで何を呑もう?とわくわくしますよ。

(池田作)

長月九月、今月の六品 その5

2013-09-04 01:11:47 | 酒の肴
「秋の根菜とお餅の揚げ出し」

春は風の、夏は水の、冬は火の季節だとしたら、
秋は、土の季節と言ってよいかと思います。
様々な実りが地上にも地下にも収穫される秋。
そうです、根野菜がぐっとおいしくなってくる季節です。

カリッと素揚げした牛蒡、蓮根、南瓜、インゲン。
それだけでも美味しい素材たちとお餅を
オーダーをいただいてからこうばしく揚げ、
熱々のみぞれあんをかけてお出しします。
根菜の力強さとお餅のボリュームに負けない
しっかりと旨味をたたえた甘辛のあんが絶妙。
これを飲み干してお燗、なんてのも大いにアリかと。
出来立てを味わう贅沢は、こたえられません!
ストレートに旨い一品、ぜひ、おためしあれ。

(池田作)


長月九月、今月の六品 その6

2013-09-04 01:05:05 | 酒の肴
「秋鮭の味噌鍋」

これから、少しずつ涼しくなっていく季節。
新しい季節の到来を一足先に告げるような、
秋の宝船、と言いたいような、お鍋ができました。

脂ののった秋鮭、たっぷり。
チャンチャン焼きなどで鮭との相性は保証済み、
赤身の魚の生臭さも旨味に変えてくれるのは、お味噌です。
こっくりとした味噌味を受け止める、キャベツと長芋の
歯ごたえとやさしいあまさ。
そして旨味の溢れ出す、茸たち。
ベストマッチな具がふんわりと煮えたところで、
熱々を召し上がって頂きます。
残暑に疲れた身体がふっとゆるむような、
ウマウマなお鍋を、ぜひ、どうぞ。

(箕村作)