『銘酒居酒屋・赤鬼』赤鬼だより

東京三軒茶屋にある『銘酒居酒屋・赤鬼』のスタッフが、お酒周り、お店周り、そして旬のよしなしごとをトツトツと綴ります。

睦月一月、今月の六品 その1

2014-01-10 13:59:36 | 酒の肴
おくればせながら、
明けましておめでとうございます。

新年七日から、ゆっくりとスタートさせていただいた赤鬼です。
旬の妙味満載の「今月の六品」を
今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

それではひとつずつ、ご紹介していきますね。



「ほうれん草と百合根のごま和え」

白菜、葱、ほうれん草…
冬の野菜は霜に当たるとぐんと甘みを増します。
年を越してからのこれらの野菜のおいしいこと。
まさに、いまが旬ですね。

その名も「寒ちぢみほうれん草」という
ちりちりと縮れた肉厚の葉をもつほうれん草を
こくのある胡麻和えに仕立てました。
ほうれん草独特のほろ苦さやえぐみが強めの品種ですが、
胡麻醤油と拮抗して良いアクセントに変身。
シャッキリとホックリの中間、絶妙の加減で茹でられた百合根の
ほの甘さが、これまたよく合います。
歯ごたえも色もはっきりして旨いハーモニーをたのしめる、
あとをひく一品です。

(中村作)

睦月一月、今月の六品 その2

2014-01-10 13:49:40 | 酒の肴
「焼き胡麻豆腐」

禅料理ではまず最初に出される胡麻豆腐。
これで口もお腹もきれいにして、
これからの食事をおいしくいただこうという
由緒正しい一品ですね。

あたり胡麻を寄せて丁寧に作った胡麻豆腐を、
こんがりと焼きました。
白ハンペンのような見た目ですが、
口に運ぶと胡麻の香気と滋味が一気に拡がります。
下に敷いた胡麻味噌がまた、豊かなコクを足しています。
甘みもまた、酒の佳き友になるのだなあ…と
しみじみ思える逸品です。
こうばしい焼きたて、熱いうちにぜひどうぞ。

(箕村作)



睦月一月、今月の六品 その3

2014-01-10 13:39:42 | 酒の肴
「酒粕ガトーショコラ」

この「六品」にデザートが登場するのは
数年前の「だるまプリン」以来ではないでしょうか。
蔵元さんから直送のおいしい酒粕をつかって、
日本酒専門店ならではのスイーツをつくってみました。

さっくりもっちり、
チョコレートのほろ苦さとコクをとじこめたガトーショコラに
ふんだんに使った酒粕。
甘さを抑えて風味ゆたかな大人のデザートに仕上がりました。
実はこの一品、期待の新人・藤重が
パートナーのパティシェの力を借りつつ
試行錯誤を重ねてつくったもの。
酒粕の良いかおりが後味よく、すっとお腹におさまります。
左党にもたのしめるおいしい〆の一品、お勧めですよ。

(藤重作)

睦月一月、今月の六品 その4

2014-01-10 13:26:53 | 酒の肴
「れんこん餅の揚げ出し」

根菜のおいしさが際立つ冬。
そのひとつ、蓮根を惜しみなく使って
大地の恵みをぎゅっと詰めた一品をつくりました。

揚げてから熱いお出汁をかける揚げ出しは
ほんとうに日本酒によく合う肴。
すり下ろした蓮根と白玉粉で手作りしたお餅は
オーダーを戴いてからさっと揚げ、
素揚げした蓮根も添えて、
とろみをつけた出汁をかけています。
添えた葱と生姜の風味よく、
モチモチしたお団子は噛みしめると滋味あふれます。
身体も気持ちもほっこりあたたまりますよ。

(大内作)






睦月一月、今月の六品 その5

2014-01-10 13:16:57 | 酒の肴
「鶏もも肉のちり蒸し」

さっと火を通すと具材の身がちりちりと縮むところから
ちり鍋、ちり蒸しなどと言いますが、
よく白身魚でつくるこの「ちり蒸し」を
鶏肉でつくってみました。

いつもの、築地の鶏専門店から仕入れる
朝締めの新鮮な鶏肉のモモ肉を使いました。
昆布出汁でさっと蒸し上げ、
自家製の香り高いポン酢を添えてお出しします。
プルプルシコシコの鶏の美味しさはもちろんですが、
スープの染み出た白菜がまた、おかわりしたくなる旨さ。
ポン酢をつけずにそのまま、つけてさっぱり、
どちらも存分に愉しめる、ウマウマな一品です。

(箕村作)




睦月1月、今月の六品 その6

2014-01-10 12:39:15 | 酒の肴
「カジキマグロのねぎま鍋」

寒波襲来、骨身に染みとおる寒さです。
いらしたらまずお燗!という方も多いこのごろ。
ぐつぐつのお鍋は、何よりのごちそうですね。
そこで、伝統のねぎま鍋を赤鬼流にアレンジしてみました。

名は俗称で、カジキはマグロとは全然違う魚です。
淡泊でやわらかな身にほんのりと脂がのった
メカジキを使いました。
霜にあたった白葱は甘くて、まさに冬が旬。
好相性のふたつを小鍋でさっと煮上げて
熱々をお出しします。
きりっと濃い醤油の匂いが食欲をそそりますが、
食べてみると意外にしょっぱくない、
葱油のふんわりと香る引き締まった味。
味のしみた厚揚げがまた、おいしいこと。
これで燗酒は、テッパンの組み合わせですよ。

(池田作)