『銘酒居酒屋・赤鬼』赤鬼だより

東京三軒茶屋にある『銘酒居酒屋・赤鬼』のスタッフが、お酒周り、お店周り、そして旬のよしなしごとをトツトツと綴ります。

卯月四月、今月の六品 その1

2013-04-05 15:29:43 | 酒の肴
さあ、四月です。
今年は早い桜と春の嵐に、
ハラハラドキドキのスタートを切った新年度ですが、
みなさまは如何お過ごしでしょうか?

今月も、旬の素材とひと工夫でつくった
「今月の六品」をお届けしております。
超のつくおすすめばかり。
是非、お試しください!

それではいつものように一品ずつ紹介していきますね。




「トマトと茄子の青豆チーズ和え」

青いさや豆のおいしい季節です。
スナップエンドウ、グリーンピース、そら豆。
グリーンピースというと、
缶詰や冷凍の味気ないものを食べて
嫌いになってしまったという人も多いのですが、
採れたてをさっと調理したものは、ほんとうに美味しいですよね。

青豆のあわい滋味に軽い塩気のクリームチーズを合わせ、
ほのかな甘みを加えて、やさしい味のペーストをつくりました。
実はこれだけでもカナッペにしてたべたいような
重層的な美味しさなのですが、
その衣で、煮浸しの茄子とフレッシュトマトを和えて
とくべつなひと鉢に仕立てています。
とろけるような茄子、甘みと酸味のはじけるトマト、
それをやわらかにつつみこむ青豆のコロモ。
素材のおいしさはもちろんですが、
影にまわっているようで実は堂々と主役を張るグリーンピースの旨さが
しっかりと味わえる、
決しておうちではつくれない逸品です。

(箕村作)


卯月四月、今月の六品 その2

2013-04-05 15:14:33 | 酒の肴
「竹の子入り葱ワンタン」

竹の子の、季節です。
焼き筍、毎日どんどん出ています。
食感、ほろ苦さ、まさに季節を代表する里の味。
糠で茹で、あとは焼いても炊いても揚げても旨い、
でもその旬はほんとうに、短いのです。

そのたけのこをたっぷり刻み込んで具にした
皿ワンタンをつくりました。
淡くきれいな苦みと風味をたたえた筍と挽き肉が
モチモチの皮に包まれて、
熱々の茹で上がりにてんこ盛りの白髪葱。
かけた旨出汁と具から沁みでるスープがあいまって、
いくらでも食べられてしまいそうなおいしいワンタンです。
和洋折衷ならぬ和中折衷で、
ぐんぐん伸びる威勢よいタケノコのように、
箸をすすませ、お酒を盛り上げますよ。

(池田作)


卯月四月、今月の六品 その3

2013-04-05 14:58:35 | 酒の肴
「初カツオと長芋のきのこ醤油」

この間まで寒風吹きすさぶ冬だったのに、
もう、春たけなわ。
季節は駆け足で過ぎていきますね。
初夏にさきがけて初鰹のお目見えです。
青嵐ということばのよく似合う初ガツオは
さわやかな脂とムチムチの身で
初ものを舌に載せる嬉しさを味わわせてくれます。

そのカツオに、サクサクの長芋を合わせました。
普通に山葵醤油で食べても充分旨いとりあわせですが、
さらに、技ありの和えごろもで新鮮な一品に。
玉葱、椎茸、しめじのみじん切りを丁寧に炒めて
風味たっぷりにつくったきのこ醤油を載せてお出しします。

紅白の鮮やかさを目で愉しんだあとは、
きのこ醤油を混ぜまぜして
よく絡んだところを、お召し上がりください。
粘り気が取り込んだ山海の旨みのなかに、
しゃっきり爽やかな歯ごたえがあって、
こたえられない季節の味に思わず舌鼓。
また一献、とお酒が進んでしまう佳肴です。

(中村作)

卯月四月、今月の六品 その4

2013-04-05 14:36:30 | 酒の肴
「鯛しんじょうの湯葉巻き揚げ」

春は、鯛の季節。
四月は入学、就職、異動など、心機一転、
あたらしい世界に足を踏み入れている方も多いことでしょう。
おめでたいに通じる鯛は、
魚の王様といわれるそのおいしさと華やかさで
お祝いの席をよく彩りますね。

立派な真鯛を惜しみなくつかってつくった、
贅沢なしんじょの揚げ出しなのです。
鯛はすり身と大きめのほぐし身とを合わせて
大和芋と卵白でつなぎ、
なめらかな中にも「ああ、鯛だ…!」という旨味と食感が
しっかりと感じられる真薯に仕立てました。
板湯葉で丁寧に巻いてさっくりと揚げ、
天ぷらにした蕗の薹とともに盛り合わせて
旨々の出汁をかけています。

春の喜びが凝縮されたようなひと皿に、
おいしい吟醸酒。
なんともはや、心踊らせてくれる美味なる一品です。

(大内作)

卯月四月、今月の六品 その5

2013-04-05 14:24:20 | 酒の肴
「豆腐と桜海老の豆乳味噌グラタン」

桜は散っても、桜海老は旨い!
旬の桜海老のおいしさをぎゅっと凝縮した、
ふわふわウマウマのグラタンができましたよ。

赤鬼では定番の美味しい豆腐に、
殻から身から海の滋味が溢れているこの時期のさくらえびを
すり身にしてたっぷりと合わせました。
このペーストだけでもお酒がクイクイいけちゃう美味しさなのですが、
豆乳と味噌とでつくった特製ホワイトソースが
甘みと塩味の素材をさらにきれいに仕上げます。
まさに、大豆と海老の完璧なコラボレーション。

プツプツと表面が粒立つようにこんがり焼き上がったグラタンは、
シンプルに見えてとても手の込んだご馳走です。
どうぞ熱々を召し上がってくださいな。

(池田作)


卯月四月、今月の六品 その6

2013-04-05 14:13:59 | 酒の肴
「鶏の水炊き」

築地の鶏専門店から毎日仕入れる、赤鬼の美味しい鶏肉。
その噛みしめるほどに沁み出てくるおいしさを
最大限に活かし切ったお鍋ができました。

シンプルな水炊きは、素材が命。
鶏の持つ淡泊でいて力強い旨さを
直球勝負で味わっていただきます。
上質の昆布でとった出汁、滋味溢れる根菜、
シャキシャキの葉野菜。
そして、自家製の風味ゆたかなポン酢。
なにひとつ妥協することなく、最上のハーモニーを追究しました。

ぐぐっと旨い具材、そしてポン酢を足しながら(←お申し付けください)
最後の一滴まで飲み干したくなる極上のスープ。
「ほんとうの水炊き」を、ここにご堪能あれ!

(箕村作)