『銘酒居酒屋・赤鬼』赤鬼だより

東京三軒茶屋にある『銘酒居酒屋・赤鬼』のスタッフが、お酒周り、お店周り、そして旬のよしなしごとをトツトツと綴ります。

睦月一月、今月の五品 その1

2013-01-10 11:42:54 | 酒の肴
年明けは7日からとゆっくり始めさせていただいた
今年の赤鬼ですが、
初日から、恒例の「今月の~」シリーズをお出しして
すでに御好評をいただいております。
ご紹介が遅くなってすみません。
どれもスタッフが心を込めてつくった冬の味覚満載の「五品」です。
お読みになったかた、ぜひぜひ、おためしください!



「ササミと干し柿の胡麻和え」

お砂糖のない昔、お菓子の甘みは
柿を越えてはならない、といわれていたそうです。
昭和生まれの筆者は畑のわきや民家の庭に柿の木のある風景に
とても懐かしさをおぼえます。
そんなふうに、生活に寄り添って、ずっと食されてきた柿は、
使いようでさまざまな料理になっています。
柿なます、柿の白和え、大根と柿のサラダ…
どれも、柿の持つやさしい甘さを活かしたものですね。

しかし今回この一品に使ったのは、生の柿ではなく、干し柿です。
陽にあたってぎゅっと甘みが凝縮された柿の
ねっとりと濃い味を活かして、胡麻和えをつくりました。
合わせたのは淡泊で上品な鶏の笹身。
築地の鶏専門店から仕入れている赤鬼の鶏肉は美味しいので
毎回なにかとこの「今月~」シリーズでも使っていますが、
この上質のササミが、柿の濃さを受け止めつつ肉の旨味を醸し出します。
さらに、さっとゆがいたほうれん草のシャッキリ感とほろ苦さが加わり、
三位一体、絶妙のコンビネーション。
丁寧にあたった白ゴマの和え衣で
さわやかさとコクのまざりあう、粋な肴になりました。
箸休めというより、箸進めとでも言いたいような、
彩りもきれいな洒落た一品です。

(箕村作)


睦月一月、今月の五品 その2

2013-01-10 11:24:02 | 酒の肴
「冬の温奴」

赤鬼のお豆腐はおいしい、とよく言われます。
世田谷のあちこちを食べ歩いて選んだ老舗のお豆腐屋さんから
毎日買ってくる、いい豆腐なのです。
やわらかな中にしっかりと大豆の旨味が踊るそのお豆腐と、
霜に当たって甘みを増した冬葱の代表、下仁田葱、
一緒にお出汁で煮たらそれだけで極上の湯豆腐になります。
そこに、酒肴としてのひとひねりを加えたのがこの一品です。

いいお出汁でじんわりと温めた豆腐と葱に、
あん肝でつくったお味噌をかけました。
毎年、風呂吹き大根に合わせて大人気なこの味噌ですが、
今回のこの一品のために少しアレンジされています。
豆腐と葱のやさしい甘さにアクセントと重厚さが加わり、
思わず箸がすすんでしまう、おいしさです。
あん肝という鉄板の「アテ」を味噌につくった贅沢は、
豆腐とも素材の大豆どうしがひびきあう絶妙の相性。
葱もうまい、豆腐もうまい、そして残った味噌でまた一献。
そんな愉悦にひたれる、冬ならではの一品です。

(中村作)







睦月一月、今月の五品 その3

2013-01-10 10:56:27 | 酒の肴
「ホタテの白菜巻き湯葉あんかけ」

この料理名と写真をみただけで、
もう即決!おいしそう!と思いませんか?
昨年夏より赤鬼スタッフに加わった蕎麦打ち職人でもある料理人、
池田が「今月」シリーズに初参戦。
気合いをこめてつくったのが、この一品です。

帆立貝は、出汁のかたまりのよう、
アミノ酸にグルタミン酸、コハク酸にタウリン、
これでもかという旨味成分の宝庫です。
その旨味を、最大限に引き出しました。
豆腐と帆立のすり身に生の帆立もざくざく入れ、
きりっとした塩味にまとめた種を白菜で巻いて、
やさしく炊き上げています。
出汁には干し貝柱もつかった二重三重のホタテ味を
白菜の甘みがしっかりと受けとめて
これだけでもうウマウマな一品なのですが、
さらにそこに、上品な湯葉入りの銀あんをかけました。
ふわふわのあんが絡んだ白菜巻きは、
一段上をゆく、最高のハーモニー。
あんでやわらぐことを計算に入れた塩加減が絶妙です。

豆腐と湯葉、そして白菜という畑のものの滋味と
帆立貝の潮の旨味がミルフィーユのように合わさった
淡雪のような一品、
どうぞごゆっくり、味わってくださいませ。

(池田作)

睦月一月、今月の五品 その4

2013-01-10 10:39:01 | 酒の肴
「金目鯛の煮付け」

その名の通り、パッチリした目ときれいな色の
キンメダイは、冬に最もおいしい季節を迎えます。
タイと名はついていても真鯛の類とは別種の深海魚ですが、
淡泊で上品、やわらかく脂の乗った白身が身上の
ちょっと高級なお魚です。
その美しい色と透明感ある旨みを最上に引き立てる、
きれいな煮付けに仕立てました。

甘すぎず濃過ぎず、しかし身にしっかりと染み込んだ煮汁が
ほろほろと口にほどけていく美味しさといったら。
煮付けの加減は難しいと言われますが、
柔らかい身質を活かしながらばっちり日本酒に合う
ほどよい塩梅に仕上げています。
骨も少なく食べやすく、皮と身の間の旨味もしっかり味わえる、
この時期の金目鯛はまさに、ご馳走。
菜の花の緑と魚の赤の取り合わせも美しいひと鉢を、
目でも舌でもじっくりと味わってくださいな。

(大内作)


睦月一月、今月の五品 その5

2013-01-10 10:25:51 | 酒の肴
「牡蠣のつみれ鍋」

昨年、今年と、まだ東北の漁場は復興途上、
殻つきの生牡蠣をなかなかお出しできなくなっています。
しかし鰤やあん肝などとともに、
冬、プリプリの牡蠣をたべたい!という方は多いですね。
今回、そんな牡蠣を使った小鍋をつくりました。
それも、ご家庭ではなかなかできない技の光る、
つみれ仕立てのお鍋です。

牡蠣がざくざくと入ったつみれは、
口に入れるとふんわり、ふっくら、
まずその食感のやさしさに驚きます。
そして次の瞬間、牡蠣の濃厚な旨味が口いっぱいに拡がります。
う・ま・い!
牡蠣好きの方なら心を鷲掴みにされること間違いなし。
フレンチのテリーヌやムースに匹敵する
技ありの牡蠣の味わい方を、発見されることでしょう。

上質な鍋出汁に染み出した牡蠣の旨味、
それを吸った葱、白菜、牛蒡…
最後の一滴まで出汁をすすりたくなるような、
酒にもピタリの極上のお鍋です。

(箕村作)


平成25年、明けましておめでとうございます!

2013-01-07 14:53:17 | イベント、お知らせ
明けましておめでとうございます!

新年、明けてはや七日。
本日より2013年、赤鬼の営業開始です。
あらためまして、
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

新年も、気合いを入れて、
フレッシュな新酒、落ち着いた2011BY酒、
どちらにもぴたりと寄りそう冬の味覚たちをご用意致しました。
年頭にあたり、ご予約をたくさん頂戴しておりますので、
お電話でお席を確認していただけますとたいへん有り難いです。
スタッフ一同、気持ちも新たに、
皆さまのお越しを心よりお待ち申し上げております!