『銘酒居酒屋・赤鬼』赤鬼だより

東京三軒茶屋にある『銘酒居酒屋・赤鬼』のスタッフが、お酒周り、お店周り、そして旬のよしなしごとをトツトツと綴ります。

長月九月、今月の四品 その4

2017-09-01 20:15:55 | 酒の肴
「豚ロースの山椒焼き」

生酒はこの時期、夏を越してますます旨みが濃厚に。
こっくりこなれた味が、秋の夜にはよく似合います。
必然、しっかりしたアテの一つも欲しいところ。
魚は秋刀魚やら戻りカツオやらが旬を迎えますが、
ちょっとお肉も食べたい‥‥なんて時にはこれ!
どどーん。
まさに、見た目の通り、「お肉」です♡

しっとりした蒸し焼きの豚ロースは
さんしょがピリリと効いた割り下が絶妙。
白髪ネギとのシンプルな組み合わせで
いいねえいいねえ旨いねえ、と杯が進みそう。
夏の疲れを取るビタミンやミネラルが豊富な豚肉で、
じわっと元気になれる、滋味たっぷりの酒肴です。

(箕村作)



長月九月、今月の四品 その3

2017-09-01 19:49:04 | 酒の肴
「おつまみ茶碗蒸し」

茶碗蒸しという宇宙。
ご馳走の主役、おかず、前菜、酒のつまみ‥‥
小さな蓋ものの中の、具材のバリエーションは無限ですね。
なんでもないけれど、ちょっと特別。
そんな一品を、今月は「おつまみ」に特化させました。

香ばしく焼いた椎茸。
刻みオクラ。
コク旨な卵黄の醤油漬け。
山芋とろろ。
それぞれひとつだけでもお酒が進みそうな品々ですが、
なんとこれをいっぺんに、冷やし茶碗蒸しに載せちゃいました!
しかも、その土台となるたまごの部分、卵白なんです。
フワトロの白い茶碗蒸しの上に、「全部載せ」の具材、
なんともはや、贅沢ですね。
独り占めするもよし、シェアするもよし、
目から鱗のてんこ盛り、酒飲みに嬉しい一品です。

(坂木作)

長月九月、今月の四品 その2

2017-09-01 19:36:55 | 酒の肴
「秋刀魚と小松菜の肝味噌和え」

赤鬼の若いスタッフたちは「肝煎」という言葉を皆知りませんでした。
間を取り持って世話を焼くこと、という意味で
「〜の肝いりで十年ぶりに恩師に会えた」などと使うのは
筆者のような古い人間だけになってきたのかも。
さて、そんなことも思いつつ、この「肝入り」の小松菜です。

旬のさんまを味噌煮にし、骨も肝も叩いて衣にし、
シャキッと茹でた小松菜を和えました。
最初に爽やかな小松菜の青菜感が来て、
噛みしめると後からじわっとさんまの旨みが拡がります。
青菜と青魚とをまさに「キモ」で橋渡しした
シンプルだけれどなかなか自分では作れないこのバランス。
あとを引く、小粋な酒肴です。

(中村作)

長月九月、今月の四品 その1

2017-09-01 19:14:07 | 酒の肴
雨続きの八月から一気に秋になりました。
何かと調子を崩しがちな季節の変わり目、
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
今月も旬満載の「四品」ができました、
ぜひぜひ、お試しください。
以下、いつものように一つずつご紹介してまいります。


「焼き芋もちの揚げ出し」

芋餅はさまざまな地方で郷土食やおやつになっていますね。
じゃがいもやカボチャで作ったり、
さつまいもで作って中に餡を入れたり。
今月の酒肴の一つはこの「芋もち」。
さつまいもで作り、揚げ出しに仕立てました。

文字通りのモチモチした食感と甘みの餅が
サクッと香ばしく揚がり、
ジュッとかけた甘辛のお出汁とよく絡みます。
この時期、味の乗り切った「秋あがり」の生酒たちに
こくと旨みでしっかりと寄り添う一品です。

(山口作)