『銘酒居酒屋・赤鬼』赤鬼だより

東京三軒茶屋にある『銘酒居酒屋・赤鬼』のスタッフが、お酒周り、お店周り、そして旬のよしなしごとをトツトツと綴ります。

如月二月、今月の六品 その1

2014-02-01 23:51:53 | 酒の肴
行く逃げる去る、のことばどおり、
あっという間に一月がおわり、
寒いながらも少しずつ春の芽吹きを感じる二月になりました。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

今月も、旬の味覚満載の「六品」、できました。
今月はなんだかさわやかな、うつくしい、
洒落た酒肴ぞろいになりました。
いずれ劣らぬ旨いアテ、
どうぞぜひぜひ、おためしくださいませ。

それではいつものように一つずつご紹介します。



「辛子明太子れんこん」

熊本名物、辛子蓮根。
博多名物、辛子明太子。
九州どうしががっちり組んだ、
ありそうでなかった酒肴の登場ですよ。
辛子明太子蓮根。

黄身ごろもで美しく下拵えした蓮根に、たっぷり詰めた明太子。
辛さはひかえめ、魚卵のつぶつぶ感とシャキシャキ根菜の力強さが
ちょうどよいバランスでおさまっています。
さりげないのだけれど、ついまた箸が伸びる、
見た目もたのしくて歯触りもたのしい。
そしてお酒の間の手を入れたくなる。
やっぱり酒のサカナは、こういうのがいいですね。

(箕村作)

如月二月、今月の六品 その2

2014-02-01 23:44:21 | 酒の肴
「ウドの肉巻き天ぷら」

春の山菜、いろいろありますが、
その代表格のひとつが、独活(うど)。
地味ながら、あわい苦みも、すっきり通った繊維の歯ごたえも
くせがないようでくせになる、魅力の山菜ですね。
このウドを天ぷらにしてみました。

豚バラできゅっと巻いて揚げた天ぷらは、
サクサクのウドに旨い脂がしっとり絡んで、
ひとりでひと皿ぜんぶ食べたくなる美味しさ。
歯ごたえも絶妙な揚げたてを、
ゆかり、チーズ、山椒と三種の塩でぴりっと楽しめる、
いまからもう、大人気な予感のひと皿です♪

(大内作)





如月二月、今月の六品 その3

2014-02-01 23:34:17 | 酒の肴
「菜の花のわさび湯葉衣」

菜の花のほろ苦さは身体を起こしてくれる春のさきがけ。
きりっと茹で上げた菜の花はおひたしも芥子和えも美味ですが、
今年はちょっと違う風味に仕立ててみました。

酒粕を、いただくのです。
いろんな蔵元さんから。
いずれも美味しいので、この「六品」にもずっとつかっています。
その酒粕でつくった自家製のわさび漬け、
もちろんそのままでも鉄板の肴なのですが、
それを、贅沢なことに京都はゆば長さんの美味しいゆばでのばして
和え衣に使いました!
ゆばのあえかな甘み、酒粕の奥ゆきが
さみどりの菜の花をきれいに包んで、
思わず笑みがこぼれるようなやさしいハーモニー。
今月、何度もリピートしてしまいそうな一品です。

(藤重作)




如月二月、今月の六品 その4

2014-02-01 23:24:19 | 酒の肴
「寒ブリの山かけ??」

冬の魚の王者、鰤も、脂がのりきって、ますます美味しい昨今。
とろーり、プリプリの鰤の山かけ…
メニューにあったら絶対頼んでしまいそう。
でも、これ、「山かけ??」なんです。
??って??

降り積もる雪のようにふんわりとかけているのは
実はとろろではなく、なんと白菜のソース。
隠し味にパルメザンチーズをすこし。
しっかりと霜に当たった白菜の甘みとコクがぎゅっと凝縮された
おいしいおいしいソースになっています。
青魚の力強い脂をやさしく包む野菜の滋味。
海のものと里のものとの見事な出会いが
赤と白という美しい色合いとなって現れた、
目からウロコの一品です。
あとをひくこと、間違いなしですよ。

(中村作)


如月二月、今月の六品 その5

2014-02-01 23:14:38 | 酒の肴
「合鴨とうるいの芥子味噌和え」

そろそろ、早春の山菜が市場に出てくる季節。
ぬめりもほろにがさも淡くきれいなうるいは
和えものでも天ぷらでもおひたしでもいける和野菜ですね。
今回は、このうるいと国産のおいしい合鴨とを合わせました。

しっとりと柔らかで、噛み締めると肉の旨味が滲む合鴨と、
さわやかなうるいの歯ごたえと風味が
端正な芥子酢味噌ですっきりとまとまりました。
ひと口で、「わあ、きれい…うまい…」とためいき。
これはもう、かおり高い吟醸酒にぴたりと合わせたい。
シャクシャクと、のびやかな春が香るような一品です。

(池田作)



如月二月、今月の六品 その6

2014-02-01 22:56:25 | 酒の肴
「大豆大好き鍋」

良質のタンパク質がたっぷりの大豆。
日本人は昔から大豆を上手に食生活に取り入れてきました。
エストロゲンの代わりをして女性を助けるイソフラボン、
コレステロールを上手に運んで動脈硬化を防ぐレシチン、
余分なものの体外排出を助けるサポニン…
栄養のバランスも完璧な、毎日摂りたい食品です。
豆腐、油揚げ、豆乳。
そんな大豆食品のオンパレードで、
身体も気持ちもポカポカになるようなお鍋をつくりましたよ。

これらの材料はすべて、いつもの美味しいお豆腐やさんで揃え、
葱や朝締めの鶏肉など、旨味をさらにひきたてる具材も足しました。
ほのあまく、滋味溢れる、
淡雪のようにきれいな小鍋です。
あたたまって、元気になって、
まだまだ続く寒さを乗り切ってくださいな。

(箕村作)