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これを観たいと思ったのは、
①沢尻エリカと言う女優は知っていたが、彼女の出演した映画やTVドラマを観た事がなかったので、一応興味があった。
②時代が1968年で、主人公が高校2年生と言う事で、私と全く同世代であった。
③井筒和幸監督は知っていたが、やはり彼の作品を観た事がなかったので、一度観たかった。
④主人公ではないが、8年前の真木よう子が出演してるので、若い頃はどんな演技をしてたんだろうと、やはり興味があった。
①について
沢尻エリカと言う女性を知ったのは、例の「別に~!」事件の時でしたが、この『パッチギ』では何と可憐な事でしょう
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②および③について
1968年(昭和43年)は私も主人公と同じ高校2年生で、青春真っ盛りでした。
(水泳・GS・フォーク・詩・YYさんが私の青春の全てと言っても過言ではない!)
映画にも登場する、GS・フォーク・学生運動・権威に対する反抗など、当時が懐かしいですね。『イムジン河』は私がウクレレで最初から最後まで弾ける数少ない曲なので、思い出がぎっしり詰まっていますが、劇中で笹野高史演じる在日朝鮮人の長老格が語ったように、簡単に日本人が歌える歌ではないのかも知れません
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私の田舎には朝鮮高校(朝高)はありませんでしたが、2年後私が東京の大学に入学してからは、朝高と日本の高校生の乱闘事件が、良くあったようです。それがイディオロギー絡みで、語られていた記憶があります。この映画は良く朝鮮総連(北朝鮮)寄りであるとの批判を受けているようですが、1968年頃は、学生運動花盛りの時代であり、若者は「反米」に染まり、マルクス・レーニン・毛沢東・共産主義などに漠然とした憧れを持っていたのではないでしょうかね?
井筒監督も私より1歳年下ですから、そんな時代もあったのかも知れません。
④について
私は別に、真木よう子のファンではありません。勝気で男顔負けの勇ましい役しか出来ない女優だと思っています。やはり8年前に作られたこの作品でも同様でした。最近世間的に評価の高い映画に立て続けに主演していますね。確かに存在感はあるのですが、演技は上手いとはどうしても思えないのです。
この映画の主人公は誰かと問われれば、それは日本の高校生を演じた塩谷瞬なのでしょうが、彼も無色透明な感じで、高岡蒼佑と沢尻エリカの在日朝鮮人兄妹の見事な引き立て役になっています。高岡蒼佑も、アクション絡みの役では未熟な演技が目立たなくて、得をしましたね。
結論を言わせてもらうと、当時の世相を上手く反映し、上手にまとめ、懐かしく 面白い映画でした
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