東北アルパインスキー日誌 ブログ

東北南部の山での山スキー、山歩き、山釣りなどと共に、田舎暮らしなどの話を交えながら綴っています。

フンザの旅 2019年 8月 No 10 パスー〜クンジュラブ峠~ボリレイク~ギルギット~イスラマバード~羽田

2019年11月13日 | ヒマラヤ

8月8日
パスー〜クンジュラブ峠〜ボリイレク

本日はパキスタンでの最後の目標後である中国国境のクンジュラブ峠を目指す。この道路は20年の歳月を掛けて1978年に完成した道路だが、この工事で中国人35名、パキスタン人400名近い作業員が亡くなっている。さらに5年前にこれも中国の資金で大改修工事が完成し、更に2年前には山体崩落で突然出来たアッパード湖の迂回トンネルが完成した。
これによって中国のカシュガルからイスラマバード手前のハヴェリアン迄1300kmの道路が完全整備され、これによってフンザへのアクセスは格段に向上し、今では多くの外国人がやってきてフンザの観光地化に拍車が掛かっている。(陸路の場合はギルギットまで1泊2日 20時間 飛行機の場合はギルギットまで1時間程)
パスーを出発して車で4時間程走ると国境の村のスストに到着したが、着いてみるとそこは中国国境を越えてくる大型トラックの大きなステーション基地となっていおり、バザールが出来てホテルやレストランが並ぶ村とは名ばかりの大きな町だった。
スストから先は景観が変わって険悪な深い谷底を這うように走る道となり、よくぞこんな危ない所に道路を造ったものだと感心するような道が続く。深い渓谷を更に1時間半程走ると視界が開け、ヘアピンカーブの道路を辿って高度を上げるとやがてチベット高原の景色となる。
峠の上り坂の斜面には、30〜40cm位はあるマーモットがあらこちらで草を喰み、実に自然豊かな光景が広がる平和な光景だった。
峠の手前の池塘の周りにはには高山植物が咲き乱れ美しく、中でも黄色いケシの花が印象的だった。中国国境のクンジュラブ峠(4,735m)には多くの中国人観光客がやって来て賑わっていたが、時差の関係でパキスタン側は我々3名とガイドのみで対照的だった。
帰路はスストで昼食の後パスーを通過して昨日ブッキングしたボリレイクホテルに到着し、ホテルのバルコニーでウルタルの壁と美しい湖を眺めながらゆったりとした時間を過ごした。

8月9日
ボリイレイク〜ウルメット〜ギルギット

早朝にホテルを出発してフンザ川に沿ってカラコロムハイウェーを下って行き、途中で左岸に渡るとウルタル2峰上部が見えてきて写真に収める。長谷川パーティーのアタックルートはセラック帯から正面のリッジを攻略しようとした様で、何時になく朝9時にスタートした結果遅すぎて大きな雪崩に巻き込まれ様だ。遅れて出発したナジールさんは時間が遅すぎると反対したが2人は突き進んでしまった。
その後、カリマバードから1時間ほど下ったウルメットのレストランで昼食としたが、真正面に聳える落差5400mもあるのラカポシ北面が我々を圧倒し、氷河から流れ落ちる水の冷気で椅子に座ると心地良く、食事の後に休憩時間を2時間伸ばしてゆっくり寛ぐ。
その後、車を2時間程走らせると空港そばのギルギットのホテルに到着する。ギルギットのバザール内で剥がれた靴のソールを修理し、他にやる事もないのでホテル内でスマホをいじって時間を過ごす。しかし相変わらずwifiは不安定で中々繋がらずイライラする。
なお、現在はギルギットから国境を越えてタシュクルガンまでのバスの定期便が有るそうだが、イスラム過激派の侵入を警戒して国境~タシュクルガンまでは警戒が厳しい模様。1週間前にパキスタン側から入ったガイドの話によると、国境からタシュクルガンまでの2時間は一切止まることは許されず、厳しい検問が有るようで面白くないと言っていた。

8月10日
ギルギット〜イスラマバード

ギルギット発午前の第2便は予定通り離陸してイスラマバード空港に到着したが、着いて直後から激しい雨が降り出してギリギリセーフのラッキーなフライトだった。実際その後2日間は天候不良で飛行機は飛ばず欠航が続いた。
空港に出迎えに来た車でナジールEXPの事務所を訪れ、スルタンカーンさんを交えてのお茶タイム。ホテルに入ってからはゆったりした時間を過ごし、遅い昼食の後色んな店を覗き込んでみたが特に買いたい物は見当たらなかった。

8月11日
イスラマバード 滞在

市内の大きなモスクを見学して高台へ。仙台ならば青葉城を想像させる見晴らしの良い場所。その後、ホテル近くのバザールでお土産用のマンゴーを買い求め、夜は豪華なチャイニーズレストランでナジールさんを混じえての会食となった。
長谷川恒男、森田勝、広島三郎とのやり取りを聞くと大変興味深い話しが時間いっぱい続いた。パキスタンでは国民的英雄であるナジールさんだが、日本人登山家を高く評価していて、大の親日家で有ると共に日本人的なマインドを持った気さくな人だった。(奥さんは日本人で新潟の六日町在住)

8月12日
イスラマバード〜北京〜羽田

出発の便は20時イスラマバード発の為の、ホテルでは何もすることが無くダラダラと過ごす。昨夜はイスラムのお祭りで街は夕方から朝方まで大騒ぎで煩かったが、熱い日中の街の中は殆ど人影はなく閑散としており、おまけに3日間の休日が続くので店は全てクローズ。
買い求めたマンゴーとドライフルーツをバッグに詰め込むと結構な重さで、調子に乗って買い過ぎたと後で後悔。飛行機は約1時間遅れでイスラマバードを離陸し、予想外だったが一旦真逆の南部カラチまで飛んでからイスラマバード方面に戻り、後はノンストップで北上しカシュガル付近経由で北京に到着した。

イスラマバード発〜カラチ〜北京行 
イスラマバード発 20時50分
カラチ着 22時50分
カラチ発 23時50分

8月13日
北京着  9時55分(北京時間)9時間45分
北京発  12時50分 13日
羽田着  17時50分(日本時間)6時間

 

 山の名を忘れてしまいました。

シスパーレの山頂部。

 カラコルムハイウェイは中国にとって重要な輸出輸送ルートであり、一帯一路計画に則った戦略的な軍事道路。いざとなったら多量の戦車が国境を超えて南進するだろう。

 今や国境の村というイメージなど全く無い中国のトラックターミナル基地。

 

 険悪な谷底を見事に掘削して完成した道路だが、多くの作業員の犠牲に上に成り立っている。

 険悪な谷底を見事に掘削して完成した道路だが、多くの作業員の犠牲に上に成り立っている。

途中のゲートは国立公園の入園料(一人¥800也)を取られる。

 パキスタンのトレッキングパミッションで登れる国境付近の山。6200m位か。ルートは右から廻り込んで裏側から登頂する。

 日本ではなじみの薄い動物であるがヒマラヤに生息する。中国人でさえ捉えても食べないそうだ。食べても余程まずいのだろう。

 ヒマラヤの天空をドライブするこのコースは完全舗装で実に快適。

 4600m付近の穏やかな光景。

 この様な高地で群生する花は少ないのでは?

 小ぶりだがこれはケシの花。

 日本でも見かけるような花だが不明。

 40分ほど散策しながらカメラで撮りまくる。

 峠の国境にパキスタンの兵士が常駐しているがリラックスした雰囲気。

 パキスタンが世界に誇る「世界最高所のATM」。何が何でも世界一の名を欲しがる理由もよく分かる。

 パキスタンが世界に誇るATM。パキスタン人が記念に自分の口座から現金を引き出す人もいるようだ。 

 

国境を超えてタシュクルガンからカシュガルを目指すお客もいるが、現在はパキスタンからイスラム過激派の流入を警戒した中国政府の警戒は厳しい。

 中国国境までは300m程歩く。

 のんびりして気さくな感じのパキスタン側だが中国側の兵士はピリピリして煩い。

 スストまで戻っての昼食のためレストランへ。

 鶏肉は新鮮で日本のブロイラー等とは違って美味しい。

 後ろのバックヤードには在庫が・・・。

 早朝にボリレイクホテルのベランダからウルタル2峰の東面を撮影。

 一見ルートになりそうな雪稜だがおそらくその先には大きなギャップが有るのだろう。

 今のフンザは杏の収穫期。生でも美味しいが自然乾燥でドライフルーツにしても美味しい。

 2年前に完成下ばかりのホテルは小綺麗で設備も立派。

 お馴染みのレディスフィンガーとフンザピーク。

 お馴染みのレディスフィンガーとフンザピーク。

 故郷のフンザで暮らすガイドのお母さんと娘夫婦。

 長谷川パーティーによるウルタル2峰のアタックルート。中央のセラック帯を越えて上部岸壁を目指したが、セラッックの崩壊による雪崩によってBC近くまで流された模様

 ウルメットのレストランから見上げるラカポシ北面の様子。レストランから標高差5400mの高度差はエベレストBCから山頂までの高度差を遥かに凌ぐ。

 氷河から下る冷気が心地良く中々離れがたいレストラン。

 2時間程くつろいだが贅沢な空間と時間を満喫。

 ギルギットに入ると豊富な野菜や果物に驚く。

 迷惑なお客はご覧の通りお引取り願う。

 悪天候が迫っていたがギリギリセーフでギルギットを離陸

 アルコール類は皆無。つまらないので写真を1枚。

 パキスタンが誇る世界で5番目の規模を誇るイスラマバードのモスク。残念だが金を出したのはサウジアラビアでモスクも皇太子の名前が刻まれている。

 モスクにお祈りに訪れた若夫婦とお子さん。パキスタンでは医療制度が不備で、病気の子供を連れて訪れた様です。

 

No.9 カリマバード〜ナガール村~アッタバード湖~ボリレイク~パスー ⇔ No11 バルトロ氷河TR 備忘録


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フンザの旅 No 10 パスー〜クンジュラブ峠~ボリレイク~ギルギット~イスラマバード~羽田

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