本と映像の森36 こうの史代さん『さんさん録 1&2』双葉社,2006年4月11日と7月28日初版第1刷、定価724円+消費税
こうの史代さんのコミックです。
こうのさんのほのぼのとした優しい描線が大好きです。
突然、妻の鶴子さん「つうさん」を交通事故で亡くした中年男・参平さん「さんさん」を主人公にした『さんさん録』の第1巻と第2巻(たぶん完結)です。
定年から3年という設定ですから、63才でしょうか。
息子の詩郎さんと妻の礼花さんと一人娘の乃菜さんの3人家庭に入り込んだ「さんさん」ですが、
偶然さんさんは、つうさんが書きためていた「奥田家の記録 鶴子」を発見してしまいます。(というかこれが発見されないと物語は成立しないし、たんなるぼけ老人が家族にいやがられる話になっちゃいます。この物語の本当の主人公は、鶴子さんなんですね)。
つうさんが残してくれた「家事の仕方」全般のノートを読んで、さんさんは今までしたことのなかった家事に挑戦して、詩郎家に溶け込んでいきます。
たんなる家庭コミック・家事コミックにおわっていないのは、詩郎と仕事上のつきあいがある「引き抜き屋」の若い女性の仙川さんの存在があるからでしょうか・・。
「最終話」をお読みください。
虫好きの乃菜さんも、現代の子どもではあまり居ないキャラで、すごくいいですね。
「じいさん、この【スリッパ】の中にしまっといたカマキリの卵、知らない?」
つうさんの書かれたことば
「この世でわたしの愛したすべてが、どうかあなたに力を貸してくれますように」
「あの時のふたりを思い出せば、わたしはたぶん死の間際にも笑っていられる」
こうの史代さんのコミックです。
こうのさんのほのぼのとした優しい描線が大好きです。
突然、妻の鶴子さん「つうさん」を交通事故で亡くした中年男・参平さん「さんさん」を主人公にした『さんさん録』の第1巻と第2巻(たぶん完結)です。
定年から3年という設定ですから、63才でしょうか。
息子の詩郎さんと妻の礼花さんと一人娘の乃菜さんの3人家庭に入り込んだ「さんさん」ですが、
偶然さんさんは、つうさんが書きためていた「奥田家の記録 鶴子」を発見してしまいます。(というかこれが発見されないと物語は成立しないし、たんなるぼけ老人が家族にいやがられる話になっちゃいます。この物語の本当の主人公は、鶴子さんなんですね)。
つうさんが残してくれた「家事の仕方」全般のノートを読んで、さんさんは今までしたことのなかった家事に挑戦して、詩郎家に溶け込んでいきます。
たんなる家庭コミック・家事コミックにおわっていないのは、詩郎と仕事上のつきあいがある「引き抜き屋」の若い女性の仙川さんの存在があるからでしょうか・・。
「最終話」をお読みください。
虫好きの乃菜さんも、現代の子どもではあまり居ないキャラで、すごくいいですね。
「じいさん、この【スリッパ】の中にしまっといたカマキリの卵、知らない?」
つうさんの書かれたことば
「この世でわたしの愛したすべてが、どうかあなたに力を貸してくれますように」
「あの時のふたりを思い出せば、わたしはたぶん死の間際にも笑っていられる」