雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

本と映像の森36 こうの史代さん『さんさん録 1&2』双葉社

2010年05月04日 23時26分00秒 | 本と映像の森
本と映像の森36 こうの史代さん『さんさん録 1&2』双葉社,2006年4月11日と7月28日初版第1刷、定価724円+消費税

 こうの史代さんのコミックです。
 こうのさんのほのぼのとした優しい描線が大好きです。

 突然、妻の鶴子さん「つうさん」を交通事故で亡くした中年男・参平さん「さんさん」を主人公にした『さんさん録』の第1巻と第2巻(たぶん完結)です。

 定年から3年という設定ですから、63才でしょうか。
 息子の詩郎さんと妻の礼花さんと一人娘の乃菜さんの3人家庭に入り込んだ「さんさん」ですが、
 偶然さんさんは、つうさんが書きためていた「奥田家の記録 鶴子」を発見してしまいます。(というかこれが発見されないと物語は成立しないし、たんなるぼけ老人が家族にいやがられる話になっちゃいます。この物語の本当の主人公は、鶴子さんなんですね)。

 つうさんが残してくれた「家事の仕方」全般のノートを読んで、さんさんは今までしたことのなかった家事に挑戦して、詩郎家に溶け込んでいきます。

 たんなる家庭コミック・家事コミックにおわっていないのは、詩郎と仕事上のつきあいがある「引き抜き屋」の若い女性の仙川さんの存在があるからでしょうか・・。
 
 「最終話」をお読みください。
 
 虫好きの乃菜さんも、現代の子どもではあまり居ないキャラで、すごくいいですね。
 「じいさん、この【スリッパ】の中にしまっといたカマキリの卵、知らない?」

 つうさんの書かれたことば
 「この世でわたしの愛したすべてが、どうかあなたに力を貸してくれますように」
 「あの時のふたりを思い出せば、わたしはたぶん死の間際にも笑っていられる」

 

雨宮日記 5月4日(火) 祭りの声とアマガエルの声と電話の声

2010年05月04日 23時15分53秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 5月4日(火) 祭りの声とアマガエルの声と電話の声

 上島2丁目でアマガエルの声を聴きました。訪問したお宅の迎えの家の庭から、ゲッ、ゲッ、ゲッと日本アマガエルの大きな鳴き声が。
 アマガエルは、冬場はこういうお庭の土や石の下で冬眠して,田んぼに水が張られる今頃になると、目覚めて、水場に帰って行きます。
 はて、上島に田んぼが残っていたかしらと考えたけど、もしかして近くの四つ池などで散乱するのかもしれません。

 暑いので、今年初めて、昨日から部屋の窓を開け放していますから、外の音や声がよく聞こえます。
 浜松まつりも第2日、夜、我が家のそばを練りのラッパや声や、隣町の屋台のお囃子の音が通っていきました。

 夜8時半ごろ、N・YにいるN子さんから2本目の電話。今日まででN・Yでの日程を終えて、明日はカナダ・トロントへ。
 「今、そっちは何時なの?」と聞くと
 「いま起きたところ、朝の7時半」だそうです。

 せっかく日本へ通じる携帯電話を持って行ったので、携帯で写メールを撮って、メール添付で送ってくれればいいのですが。
 N子さんには、そういう機能はついていないようです(つける気はないみたいですね)。


 
 

本と映像の森35 新井満『楽しみは 橘曙覧独楽吟の世界』

2010年05月04日 00時27分11秒 | 本と映像の森
本と映像の森35 新井満さん『楽しみは 橘曙覧・独楽吟の世界』講談社、2008年11月27日第1刷、123ページ、定価1143円+消費税

 橘曙覧(たちばなのあけみ)さんは、江戸時代末期に福井に生きた貧乏な歌人で国学者です。
 1812年生まれで、1868年に亡くなりました。

 
 橘曙覧さんの代表作が『独楽吟(どくらくぎん)』という52首の連作短歌で、すべて「たのしみは」に始まり、「するとき」でおわります。

 「たのしみは 数ある書を 辛くして うつしおえつつ とぢて見るとき」
 「たのしみは ほしかりし物 銭ぶくろ うちかたぶけて かひえたるとき」
 「たのしみは 朝おきいでて きのふまで 無かりし花の 咲ける見るとき」
 
 新井満さんは、この52首をジャンルに分けて、自由訳もつけて、写真も入れたすてきな本にしてくれました。

 岩波文庫に『橘曙覧全歌集』がありますが、在庫がありますかどうか。