雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

雨宮日記 5月21日(金) 「ために」の押しつけはやめましょう

2010年05月23日 23時46分45秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 5月21日(金) 「ために」の押しつけはやめましょう

 清水眞砂子さんの『本の虫ではないのだけれど』で見たと思い込んだの「だけれど」、あとで捜すと見つからない。
 はて、最近読んだ他の本なのかな?
 
 とにかく「こどものために」とか「自分のために」とか、「ため」にというのは、どうもうさんくさいということです。
 昔の「お国のために」というのは私たちにとっては論外ですが。

 こどもたちは、いやおとなたちも、みんな自分の人格と魂をもって自分の時間を生きているのだから、必要なものや心を正確に必要なときに届ける支援をしてあげればいいので、親が「おまえのためを思って」塾に通わせたり「未来のために、いい学校に入るために、いい職場に就職するために」、子どもたちが生きるのは本末転倒だと、ぼくも思います。
 
 「平和のために」、「一人はみんなのために、みんなは一人のために(どう考えても意味不明なスローガンですが)」、「あっと驚く為五郎」

 「ためになる」で検索すると「ためになる資格の取り方」とか出てきて、ようするに利益になるという意味なのでしょうか。
 だとすると、ぼくやN子さんは、じぶんのためにはならない、自分には「損な」ことばっかりやっているかも。

 「ために」という中には、もちろん必要な「ため」もあるだろうけど、いろいろ考え居てくと、ほとんどがうさん臭くなりました。

 たとえば浜松市の子供なんとか条例、あれは自民党浜松がとんでもない時代錯誤の文章を押し込んだので一気に、おかしさが露出しましたが、はたして、そもそも必要なものだったのでしょうか、そこから考え直したいと思います。

 「ためになる」の逆は「ためにならない」ですね。
 「おまえのためにならないぞ」と言うのが,ありふれたヤクザさんの普通のセリフですが。

 「ために」「ためになる」「ためにならない」を英訳するとどうなるのでしょうか?たぶん「profit(利益) of」とかそんな単語になるのかな?

 小松左京さん原作、一色登希彦さんマンガ化(かなり改変・脚色)『日本沈没 4』に、「おまえのために」という端的なシーンがあったので、以下、紹介します。

 主人公の一人・小野寺俊夫さんの中学校時代…俊夫さんとお父さんの対話中のそれぞれの心の中…1994年、神戸…。

 俊夫『このひと…このひと達…体が大人に見えるだけだ…考えが合わない人間が目の前にいることに、心が耐えられないだけなんだ…』

 父『いいか、何を言ってもムダだぞ。お前が納得するまでいつまででも喋るぞ。いつか、お前もわかる。今はこれがお前のためだっ。』

 俊夫『どうする?この人は何を言ってもこっちが諦めるまで喋り続ける。自分の弱いところをひとつカケラも認めないそのためだけに…気の毒だから相手にするのはやめよう…もういいや…もう…黙ろう…』

 「為に」で検索したら「前に述べた事柄が原因であることを表す語。」というの説明が出てきました。
 つまり、「原因 いま親の言うとおりに勉強する → 結果 いい学校に入れる」というのが「為」という意味のようです。

 「ために」には、因果関係という意味では、いいものもありそうですが、最低限「ために」を理由にした押しつけや強制は、やめましょう。
 

遠州古代史の本3 辰巳和弘さん著『聖なる水の祀りと古代王権』

2010年05月23日 08時12分36秒 | 遠州古代史
遠州古代史の本3 辰巳和弘さん著『聖なる水の祀りと古代王権 ー天白磐座遺跡ー』<シリーズ遺跡を学ぶ033>、新泉社、2006年12月28日第1版第1刷、93ページ、定価1500円+消費税

 2010年4月11日付けで「遠州の遺跡・寺社6 天白磐座(てんぱくいわくら)遺跡」を書きました。
 その時にも、この本を紹介しましたが「遠州古代史の本」としては、大事な本なので、あらためて、ここで紹介します。

 天白磐座遺跡が再発見されたのは「1988年も明けたばかりの1月23日、土曜日のことだった」(p4)。
 「私(辰巳さん)と学生の5人は、本殿背後を護るように盛りあがった小丘陵(薬師山)のいただきにある巨岩群へと足を運んだ。」(p4)
 「わたしの話をさえぎるように、ひとりの学生が声をあげた。
 「先生、土器が落ちています。」」(p9)
 
 以下、目次を紹介します。
 
 第1章 天白磐座遺跡の発見
  1 巨岩の群れ
  2 古代祭祀の跡
 第2章 よみがえる古代地域王権
  1 井伊谷古墳群の発見
  2 地域首長墓の系譜
  3 聖水を祀る王権
 第3章 天白磐座遺跡の発掘
  1 磐座を認識した人々
  2 際立つ天白磐座遺跡の場
  3 “聖地”発掘
  4 解明される「神の座」
  5 経塚造営
 第4章 磐座祭祀を読み解く
  1 発掘成果からみたカミ祀り
  2 「祭祀空間」を体感する
  3 造営者はだれか
  4 式内イ井神社と磐座遺跡
  5 岩立たすカミの祀り

 ところで、この天白磐座遺跡のある「盛りあがった小丘陵」の名前が「薬師山」というのが気になるところです。