雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

本と映像の森 186 柳田邦男さん著『生きなおす力』新潮文庫、2011年

2012年01月20日 05時42分22秒 | 本と映像の森
本と映像の森 186 柳田邦男さん著『生きなおす力』新潮文庫、新潮社、2011年11月1日発行、292ページ、定価520円+消費税

 「本と映像の森23 柳田邦男『「人生の答」の出し方』新潮文庫」(2010年03月30日 05時06分23秒 | 本と映像の森)で紹介したジャーナリスト・柳田邦男さんの著書を紹介します。

 昨年末に出た本で、則子さんが買った本です。夫婦でどっちかが買った本は、いい本であれば必ず回し読みをしているので、買った値段で2倍楽しめて、さらに夫婦で同じ本について会話ができて、3倍楽しめます。

 新潮文庫の、柳田邦男さんの本では8冊目ですが、半分は持っています。あと4冊も買って読みたいです。

 そうですね。「生きなおす力」、それが原発破局災害を受けた私たちに、いま必要とされる最低限の力でしょうね。

 柳田さんが批判するのは、携帯電話という「器械」偏重、あるいは官僚の「線引き主義」という「機械論」です。

 授乳中に携帯をあやつる、いや器械に操られる母親。
 飛行機事故に「厳罰主義」で臨む裁判官。

 「機械論」というのは「個々の総和が全体になる」ということでしょうか。生物学者の福岡伸一さんは「生物では、全体は個々の総和ではない」と明確に語っています。

 個々の手段、個々の刑罰で全体が形成されると思うのは、幻想ですね。

 この本でいちばん凄いエピソードは、お腹の赤ちゃんに絵本を読んであげた母親のお話でしょうか。

 「生きなおす」というより「生きる」ということの意味がわかってくる感じです。

 つまり、「赤ちゃん=母親」共同体です。
 
 この「赤ちゃん=母親」共同体で指揮をするのは、当然、未来により近い、赤ちゃんのほうです。

 未来に生きていく赤ちゃんが主導して、お母さんはそれを後ろから助ける、援助する、支援するという関係だと思います。

 そうですよね。あなたは生きていますか?

 ぼくは生きているんだろうか。

 ぼくは、則子さんと一緒にあるくことで、ほんとうに「生きてきた」という感じがしています。