原発を考える 1 「除染で2年後に50%」という目標について
政府は「除染によって2年後に現在の値の50%、半分にする」と言ってますが、ほとんどインチキ・手品のたぐいだと思います。
なぜなら、いま残っているのは、セシウム134(半減期2年)とセシウム134(半減期30年)がほとんどで(少量のプルトニウムなどはあるでしょうが)、事故当初のセシウム134とセシウム137の比率は福島第1の場合、ほぼ1対1でした。
セシウム134は急速に減って2年後に半分になるので、2年後には全体として計算してあるサイトを見ると「2年後に6割」に減ります。
計算したサイトの数字を引用します。
1年後 78.9%
2年後 63.6%
3年後 52.5%
5年後 38.5%
10年後 23.7%
つまり、何にもしなくても2年経つと、放射線量は6割になるのですから、「除染」をしたところでは「確かに半分近くに減りました」と発表できます。
「6割」を「5割」に減らすのは「83%に減らす」ことです。
「8割に減らした」ことは「効果がある」と言えるでしょうか?
「除染」がまったく効果がないとは思いませんが、「除染」に過度な期待をかけるのは無理があるというのは、かなり聞こえてきますね。
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「除染」という行動は、つまり「単位時間あたりの放射線量の高い物質」を人間への影響ができるだけ小さい地域へ「移動」させる行動です。
その「移動」した地域の放射線量が「移動」させた分だけ高くなるわけで、大面積を平均すれば平均した放射線量は、まったく同じです。
たとえばA地点で放射線量が100で、B地点では60とすると、A地点の物質をB地点に移動させてA地点が40になれば、B地点は120になります。A地点とB地点の平均値160は、まったく変わりません。変わるはずもありません。
そういうことです。
ネットで、1月4日に文部科学省の「定時降下物環境放射能調査結果」で、福島市内で1月4日に、データが急増したとの記事がありました。
1日以前は「降下物」未検出で、2日午前9時から3日午前9時までにセシウム134が1平方kmあたり180メガベクレル、セシウム137が同じく252ベクレル、だったそうです。
その後の報道記事によれば雨が降らず乾燥しているので、土が舞い上がったのが原因という記事でした。
はて、福島市民ではないので、わかりませんが、福島市は積雪がないのでしょうか?
調べてみたら雪は降るそうですが、土が露出しているのかどうか、いちおう疑問ということにしておきます。
今朝は、東京は珍しく数センチの雪で、車の事故や歩行者の転倒やら、たいへんだったようです。
積雪の坂を車のタイヤが空転して登れなくなって、後ろに後続の車がつながっていて、慌てて、タイヤにチェーンを巻こうとする「泥縄」の光景もテレビで見ました。
でも「縄」があって、よかったですよね。
雪の滅多に降らない浜松人のぼくも、タイヤチェーンくらい買っとかないと…と思いました。
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寒くて起きたくなかったのですが、午後、則子さんとイオン市野店へ車で行きました。フィルム一眼レフで望遠レンズで撮ったフィルムを現像するところが近くでなくなってしまったのです。
平日の木曜日なのに、駐車場がいっぱいで、空白をさがすのに、しばらくウロウロしました。
まずイオン内の「カメラのキタムラ」で現像をおねがいして、ネガフィルム(3本セット)を買いました。
昨年、お茶碗を買った「織部」へ行って、小さいコーヒーカップを探しましたが、あまりいいのがありません。別のところで探すことにしました。
ぼくの妹の家に電話したかったのですが、ボクの携帯は電池切れ、則子さんの携帯は「不携帯」で、いきなり下石田へ行くことにしました。
「もんず」の前で左折、馬頭観音さまの前で右折して、妹夫妻宅に入り、玄関の呼び鈴をならすと、運良く、妹がいました。
マスクをしていて「旦那がスキーへ行ってインフルエンザをもらってきて、私にうつっちゃった」そうです。
長女からのおみやげを渡しました。
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則子さんと家に帰って、ぼくは三方原の谷島屋店に、注文した本が来たので買いに行きました。
本と映像の森 186の補足 柳田邦男さん著『生きなおす力』新潮文庫、2011年11月
ジャーナリスト・評論家、柳田邦男さんの新潮文庫シリーズの8作目。「本と映像の森186」では不十分でしたので、補足します。
日本のある母子センターで、母親が検診のあとなどに立ち寄って赤ちゃんに授乳できる部屋がある。ある時、医師がなにげなくその部屋に立ち寄ったら、そこにいた授乳中の母親10人くらいが全員、授乳しながら赤ちゃんの顔も見ずに携帯電話でメールしていた、という話が、ある学会で報告されました。
オランダの医師プローイュ博士は、ゼロ歳児の心の「退行」について研究し、「3つのC」「しがみつく(Cling)」「泣き叫ぶ(Crying)」「おこりっぽい(Cranky)」にたいして、親が「しっかりと目を見て温もりのある〝抱きしめ〟をしてあげると、赤ちゃんの心は会談を1段ステップアップするように、ポンと1段階成長する。」
葛藤による退行にたいして、親が無視したり、しかったり、叩いたりすると、赤ちゃんは心の成長に必要な親のエネルギーが得られずに、心が歪んだり、抑圧されたままになってしまう。
つまり、子どもの時に、たっぷり甘えることができた子は、大人になって自立した甘えない子になるし、甘えられなかった子は、甘えん坊の歪んだ大人になってしまう。
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柳田さんがすきな絵本の紹介が今回もあります。その中で、『だいじょうぶ、だいじょうぶ』(いとうひろし作・絵、講談社)というタイトルの絵本と、上記の「甘えさせよ」という話は、符節が合っています。
親は子どもを「だいじょうぶだよ、わたしがいるからね」と抱きしめるんですね。
つい最近のNHKテレビの人類誕生の謎を追った番組「ヒューマン」で、アフリカの原住民が生まれた子どもに、まず「私たちがついているからね。だいじょうぶだよ」と貝がらのネックレスをつらねた1つめの首輪を贈るのだそうです。その人たちは、たくさんの首輪を首に懸けていますが、すべて他人からの贈りものだそうです。
番組の中で「結婚指輪」も同じ意味だろうと、ガイドの主人公が言ってました。
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逆に赤ちゃんにうれしいお話。あるお母さんは、絵本が好きで、妊娠した2ヶ月からお腹の胎児に聴かせるように絵本を朗読していました。
生まれた赤ちゃんは、胎児の時に母親が読んでいた絵本を読むと、手をばたばたさせて、まるで「これだよ!ぼくがお腹の中で聴いたお話は!」とでもいうように、喜ぶのです。
父親が同じ本を読んでも赤ちゃんは知らんぷりか泣いてしまい、うけつない、というのもすごくおもしろい現象です。
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飛行機事故や鉄道事故で「初歩的なミス」などはない、という指摘も、世間では常識になってないことです。
静岡県焼津沖上空での飛行機ニアミスの管制官が罪に問われた裁判を題材にして、柳田さんは事故原因を調査し解明するよりも現場担当者の「責任」「ミス」を刑事捜査的に追求する悪習は手を切らないと事故はなくらなないと訴えています。
そのことの正否は、直接、この本をお読みください。
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タイトル「生きなおす」は、東日本大震災を経て、私たちが「生きなおし」て、再出発が出来るのかという意味だと、私は理解します。
私たちは生きなおしができるのでしょうか。
毎週、木曜日は「おうちコープ」の配達日なので、昼間、午後1時頃にコープの車が来ます。最近は、則子さんが家にいて受け取ってくれるので、夕方、ボックスから出して家の冷蔵庫にいれる作業をやってくれて、ぼくは楽をしています。
今日の配達の中に「コープの放射能自主検査についてのお知らせ」というA4で表裏2ページの紙が入っていたので、その内容を見てみました。
実施しているのはコープしずおかの上部団体になる「ユーコープ連合(しずおか・かながわ・やまなしなど)」で、昨年7月25日から今年1月9日までの実施件数は、農産品・畜産品・水産品・飲料ほかなど1464点。
検出限界は10ベクレル/kgか2010ベクレル/kgで、ほとんどが「検出せず」ですが、一点だけ「検査実施時期12月20日から12月26日」の「お茶 国産」で「暫定規制値以下」というのがあります。
これは検出したのだから「値」はわかっているはず。なぜ「値」を掲載して「ただし暫定規制値以下」としないと「公開」の意味が薄れるのではないでしょうか?
検出限界以上、暫定規制値(いくつなのか表示がありません)以下なわけですが、きちんと値を表示するべきではないでしょうか。
1月25日(水)は欠測です。
なお今になっても、福島第一原発からの放射能漏れは、当初からは少なくなってもずっと続いています。数量的なデータはまとめたものは見たことがないので、調査してまとまったら掲載します。
2012年1月26日(木)13時37分、晴れ、微風、寒い
11回目から20回目まで、10回測定
平均値 0.053
最大値 0.057
最小値 0.050
21回目から30回目まで、10回測定
平均値 0.059
最大値 0.064
最小値 0.055
11回目から30回目まで、20回合計
平均値 0.056
最大値 0.064
最小値 0.050