新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医師不足対策の陳情減少:民主党に対する期待薄と相対的改善だと思う

2012-05-04 09:14:49 | 医療

おはようございます

 

10時くらいから幕張メッセの方に行ってみようかと思っています。その前に一つ記事を。

m3で医師不足関連で対談を行っておりますが、少し気になったので書かせていただきます。

医学部新設は必要か

国民の意識変えるのはマスコミ◆Vol.8

「国は医療のグランドデザインを」、河野氏
 
の記事の中、このような文章があります。
 
梅村聡民主党参議院議員
私が小さい頃の記憶では、「こんな難しい心臓の手術ができました」といったニュースが結構あった。病院で花束をもらって、帰る姿がニュースになった。しかし、なぜか、こうしたニュースは最近ないですよね。

 どちらかと言えば、「ガーゼ置き忘れていました」とか、「誤った量の抗がん剤を10倍量投与しました」など、ネガティブな報道が多くなっている。減点主義になっていて、医療のありがたさを感じてもらえる場面が今少なくなっています。医療者は、どのようなニュースに対しても、すごく敏感。報道をはじめ、情報の出し方一つで医師と患者関係は、ものすごく微妙に変わっていく。だから、メディアが、一方的に引っ張っていくのではない形で、世論形成をしていくことは十分に可能でしょう。この座談会も掲載されると、ネット上で議論が広がるでしょう。その広がり方は、だいたい肌感覚で分かるじゃないですか。大本営発表ではなく、そういう意見の問いかけや議論ができる時代になってきたのでは。

 

梅村 少し前は、「医師、医学部を増やせ」といった声が強く、その後、「歯医者さんみたいに、(増えすぎても)困る」という意見が出てきた。今はちょうどいいところに落ち着いてきている

河野 そうです。一時期より、「増やせ」という声が少なくなった。

梅村 一時期、ファッショみたいになっていたじゃないですか。医学部新設に反対している先生は、誰と誰だとか……。

――対立構造になっていた。

梅村 だからそうした意味では、収束してきているのでは。政治の側から言えば、「医学部を増やしてください」という陳情も少なくなりつつあります定員にしても数にしても。

――医学部新設に対する陳情が一番多かったのは。

梅村 やはり2008年、2009年頃が多かった。今日も私のところに、勤務医の先生が来られましたが、「労働基準法を守れるぐらいのスタッフを病院が雇用できるよう、診療報酬や補助金を付けてください」と。こうした陳情が増えてきました。それは国民のリテラシーも、上がってきているからではないかと。

河野 国が主導し、日本の医療体制をどのような方向に持っていくか。医療というのは、他の産業以上にすべての根幹だと思のです。医療なくして、トヨタもない。その上、医療は24時間、人々の生活に関係してくる。だから、まず国が医療の方向性、デザインをしっかり示すことが必要。医学部の議論も、それからでしょう

梅村 それはおっしゃる通りです。自衛隊とか警察と一緒です。治安、国防、健康というのは、やはり命の根源ですから。それが弱ると、国が乱れるわけです。警察が弱ってくれば、猟奇的な事件が起きたり、治安が乱れてくる。医療がダメになれば、人の健康も、心も乱れてくる。場合によったら、いろいろな不安定な政情が生まれてくる。

 命というキーワード考えると、医療は産業というよりも、むしろ日本のエッセンス、欠くことができないもの、といった捉え方をしていかないと。警察官の給料を下げようとか、警察官の数を減らそうなどという話は、あまり出ない。自衛隊もそうでしょう。北朝鮮や中国の脅威が増せば、何とかしようという世論になります。医療も一緒で、自分の父親や母親が、人間らしい最期を迎えることができるのかといった時に、お金の問題も含めて医療を守っていこうと。そうした話にならずに、なぜ医療だけが、医師の給料が云々といった議論になるのか。

 (略)

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実際に医療・福祉・教育という分野と治安や対外的な対応を行う軍隊・警察、そして消防といったものは重要な国の根幹たる分野だと思います。

 

それは否定しませんし、ここに書かれている文章はおおむねその通りだと思います。

 

ただ、医師不足がなくなったかと言えばそうではないです。まず、本当に医師不足で悩んでいる場合、本当に忙しい医師はなかなか訴えられないというのは事実だと思います。

そしてもう1つ。国民の側も少し意識が変わってきているのだろうというのもあります。

あと、陳情が上がらないのは民主党に対する期待が薄れていることもあると思います。民主党では変わらないと。

 

僕は医師不足が改善しているように見えるのは「全く考えていなかった医療問題」が認識されて、「医療を適切に使用しよう」と思う方々が増えたからだと思っています。しかし、一部の生活保護の方やあまり考えていない(欲しい情報以外は収集しないのが人の常なので)方もいると思いますが・・・。

 

ですから、今陳情が減っているのは「医師不足の改善(多少はありますよ、増えているんですから多少は)」というよりは「相対的医師不足の改善」ではないでしょうか。それを情報として持っているかと言われると「調べた限りでは見つからない」のが実情ですが・・・。

しかし、医師が足りないと感じている地域、病院は多数ある(逆に医師は足りているといっている先生もいますが)のは事実であり、そこから陳情が来ないのだとしたら「相対的に楽になった」「民主党に陳情分を出す分、労力が増えて疲れるだけで無駄」というだけだと思います。

 

僕も最近そう思っていますので。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また。

 

 

 

コメント
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