今日は4時起きだし…お酒を飲んでいるので、記事の紹介を一つして寝ます。
CBからです
個別化医療がすべての薬に広がる時代が来る- 医療の「未来」を探る(下)
個別化医療(オーダーメイド医療)が最も普及しつつあるがん領域。国内でそのきっかけをつくったのが、中外製薬の抗がん剤ハーセプチンだ。がん細胞の表面にHER2というタンパクが発現している患者に効果のある世界で初めての分子標的薬であり、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているスイスのロシュ社が開発した同薬は、がん治療にパラダイムシフトをもたらした。中外製薬が個別化医療を意識した薬の開発に取り組む理由とは―。【津川一馬】
もちろん、製薬企業側にもメリットは存在する。これまで「がん患者」とひとくくりにしてきた患者群から、特定の患者を選択して投与することは、マーケットの縮小につながる半面、高い効果や少ない副作用があらかじめ見込める患者を対象に開発を行うことで、開発期間の短縮や、開発コストの低減が見込まれるという。中外製薬が公開している開発パイプラインの8割以上が、個別化医療の戦略にのっとって開発を進めている。
同社がこの戦略を推進する上で、大きな強みとなっているのが、ロシュ社が抱える世界最大の診断薬部門の存在だ。実際問題として多くの製薬企業は、診断薬部門を持っていないため、治療薬と診断薬を同時に開発するためには、診断薬企業と組む必要がある。ただ、「例えば、製薬企業側がある治療薬をグローバルに展開することを考えていたとしても、それに合わせて診断薬をグローバルに供給できる診断薬企業の数は相当限られる。組む相手の選択と、その後の戦略のすり合わせが難しい」(梨氏)との課題が残る。その点、中外製薬の場合は、グループ内の診断薬部門と自由に共同開発できる体制が整っていることが大きな利点となっている。
■がん以外の領域にも個別化医療の可能性
同社のハーセプチンを皮切りに、がん領域では分子標的薬が相次いで発売されており、個別化医療の戦略を掲げる製薬企業は少しずつ増加している。「例えば『肺がん』でも特定遺伝子の変異がある患者さん、ない患者さんが存在しており、今までの疾患分類では済まない状況になっている。さらに、一つの特定遺伝子の変異だけでは薬の効果を予測できない、すなわち、一筋縄ではいかない『ハードターゲット』に対する創薬が必要な時代に入っている」と梨氏は指摘する。
一方で、がん領域以外の慢性疾患領域では、こうした個別化医療の戦略に基づいて開発され、承認に至った治療薬はまだない。背景には、「慢性疾患領域の場合、一つの薬で7、8割の患者さんが効果を得られることが多かった」(梨氏)ため、効果を予測する診断薬の必要性が、がん領域に比べて低かったという事情がある。
ただ、すべての慢性疾患領域にこれが当てはまるわけではなく、中外製薬は現在、血中のある分子が多い患者に高い効果が見込まれる喘息治療薬を開発している。「がん以外の疾患でも、疾患の原因となるターゲットが患者さんによって異なる場合があるかもしれない。今の治療分類を超えて、より細分化が進めば、がん以外の領域でも個別化医療の対象になってくるだろう」と梨氏は話す。
また、慢性疾患の場合は長い治療の中で、薬の予期せぬ副作用が表面化する可能性もある。梨氏は「患者さんを選択する必要のない疾患でも、今後は副作用を防ぐための薬の使い分けが進むだろう」と予測する。
■「個別化医療は避けては通れない」
「個別化医療戦略」に基づいた薬の開発について、今後の動向をどう考えるか―。梨氏は「治療薬が効くかどうかを見極めるための判断材料となるようなターゲットさえ見つかれば、個別化医療は早々に展開する可能性がある」と話す。実際、がん領域の分子標的薬は臨床試験の開始から上市に至るまでの期間が、従来の抗がん剤の半分程度に短縮した例もある。
「今後は、基礎研究から見つかったターゲットが、個別化医療の治療薬・診断薬として有用なものかどうか、臨床応用に橋渡しをする臨床研究がますます重要になる」(梨氏)。
「製薬企業にとっては、個別化医療は避けては通れない道」と強調する梨氏は、こう語る。
「個別化医療という言葉はいずれなくなり、すべての薬剤が何らかの個別化医療に基づいて使用される時代になると思っている」―。
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前も書きましたが、オーダーメイド化されていく時代の中で医師が過剰になるのはなかなか難しいと思います。
例えば日本人は高血圧が多いですが、原因遺伝子がいくつかある中で特定のものに著効するような薬剤ができたら、当然使用しますよね。この薬が効くのがわかっているのに、複数の薬で対応されるというのは患者さんもいやでしょう。
僕も慢性疾患と言われるもの、特に生活習慣病の領域やCOPD(肺気腫や慢性気管支炎など)などでいろいろ起きてくるのではないでしょうか。
そうすると必要な知識は馬鹿みたいに増えていくわけです。
一つの病気に対して知っておくべき知識が増える。それが今の医療がどんどん複雑になっている原因なんだと思います。
これを単純化することは「この病気に対して誰にでも聞く特効薬」が出現することです(例えばCML:慢性骨髄性白血病におけるBcr-abl阻害薬)。そういうものが出てくれば「過去の治療」把握あくまで過去のものになるでしょうが・・・。
まぁ今のが適切かは不明ですが要は特効薬が出てこなくては、オーダーメイド化された医療により医師は不足するだろうな~と(ず~っと前から書き続けていますが)思います。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。
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それでは、また