さて、続けます
2つの記事を紹介します
一つ目はこちら。
風邪を公的医療保険で治療は日本だけ 海外は市販薬と大前氏
http://www.news-postseven.com/archives/20120524_109645.html
2012.05.24 16:00
生活保護の受給者増加が進んでいる。中には、偽装離婚までして手にする不正受給も目立つ。働かずにカネを貰うのをよしとする風潮が日本を覆いつつあるが、この生活保護費増加の問題は、日本社会におけるモラル崩壊の氷山の一角でしかないと指摘するのは、大前研一氏だ。以下は、大前氏の解説である。
* * *
近年は生活保護以外にも日本人のモラルハザード(倫理観の欠如)が、社会保障コストを高くしている例が多々ある。
たとえば、2010年度の医療費は前年度より約1兆4000億円増えて過去最高の36兆6000億円に達した。医療費の増加は8年連続だが、そうなっている理由は明白だ。
まず、日本人は“本当の病気”ではなくても病院に行く。つまり、風邪をひいた、山に登って足が痛い、といった類である。これらを公的医療保険で診てくれる国は他にない。普通の国では、その程度の症状は医者の診察が必要な「病気」と認められず、市販薬で治すのが当たり前なのだ。
ところが日本では医者が何でもかんでも診察し、飲み薬や湿布まで出してくれる。このため患者のほうも薬は1~3割の自己負担で済む病院でもらったほうが得だと考えている。
また、70歳以上の医療費が大幅に増え、2010年度は全体の約44%を占めている。ふだんは病院が“老人サロン”と化しているからだ。暇な高齢者が薬をもらい、友達と会って話をするために病院に集まっているわけだ。
さらに田舎では「田植え入院」「稲刈り入院」「盆休み入院」というものがある。農家の人たちが田植えと稲刈りで忙しい時と盆休みで遊びたい時は、高齢者を入院させてしまうのだ。したがって日本の場合、欧米の主要国に比べると、国民の年間通院回数が5倍以上で入院期間も5倍くらいになっている。
要するに、生活保護にしても医療費にしても、国民が公的制度に甘え、依存しているから、コストがどんどん膨らんでいるのだ。これらの社会保障の不足分は税金によって賄われているのだから、本来、そのコストを減らす義務が「公民」(政治に参加することができる人々)にはあるのだが、そういう意識が日本人から失われている。受給者と納税者が頭の中で分離してしまっているのである。
※週刊ポスト2012年6月1日号
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僕は大前研一氏が以前言った話(大前研一の「内科医は聴診器を当てて、薬を出すだけだから人気が高い」発言)もありますので、有名な人だから正しいことを言うとは思っていません。
ただ、ある意味正しい話ではあります。
確かに「公的保険」がしっかりしているので、自然に治る病気であっても病院へ行くというのはあると思います。そして書いている通りで「病院サロン」のようなものもあると思います。ある開業医さんのところには高齢者の方が集まって、友人同士で話す場所になっているという話は聞いたことがあります。まぁ働ける人は働いていますし、高齢になればいろいろと不具合は出てきますので病院に行く機会は増えます。
しかし、本来であれば病院で話すようなものではなくて、社会福祉がもっとしっかりしていれば別の場所に集まると思います。病院以外で高齢者が集まり、楽しく話せるような施設を作ったほうが健康にもよいような気がする。介護施設も増えて、そこで高齢者が集まっていろいろなことをやってもよいような気がする。
高齢者が病院にしか集まれないような「社会福祉」しかない上に、病院が比較的に安い料金で受診することができるから集まるのだろう。あとは高齢者が孤独になってきたということかもしれない。
しかし、前の記事もそうなのだが・・・医療費が上昇していることを、受診しやすい日本ゆえにモラルが低下しているといい、その中心は高齢者だという。確かに受診しやすいから受診しているのは確かだろう。
だからと言って・・・どうして高齢者が病院に集まるのは、日本人のモラルが崩れている氷山の一角と言ってしまえるのだろうか。収入がそれほど多くもなく、家族と離れて暮らしている場合はどこかに行きたいと思うのではないだろうか。年金が十分にあって、好きなところで好きにやっていけるのであればそういうところに集まるだろう。
そんな場所ではなく・・・病院に集まってしまうのである。
無駄に病院にいるというよりも、病院にしか入れないという風には取れないのだろうか?
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。
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それでは、次の記事に行きます。
僕はそう思っています。
追加でこちらの記事を紹介します
ことば:医師の労働時間
http://mainichi.jp/opinion/news/20120525ddm004070159000c.html
毎日新聞 2012年05月25日 東京朝刊
◇医師の労働時間
国立保健医療科学院によると、病院勤務医の平均労働時間は週70・6時間。労働基準法では、週40時間、日8時間を法定労働時間と規定。時間外労働を行う場合は労使間で36協定を締結し、労働基準監督署に届け出た上で、割増賃金を支払う。
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実際のところ、平均が70.6時間であって長い人は本当にほとんど病院内にいます。しかもこれはOn callの時間は入っていないと思われるので、拘束時間はもっと長いだろうと思います。
M3の医師募集のメールに「血液内科 現在常勤医1名 募集1800万円から~」という東京23区の血液内科募集がありましたが、1人ではきついだろうなぁと思います…(汗
完全に拘束されていますよね。入院患者+外来で・・・
本当に忙しい人はもっと忙しいと思いますが、平均としてこのくらいは働いているということなんだろうと思います。
では、また。