新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医療への寄付金よりは難病や悪性腫瘍の患者さんへの寄付金の方が良いですね・・・

2012-05-24 20:23:43 | 思いつき・ひらめいた!

こんばんは

 

今日は朝から腰+左足が痛くなり完全にヘリニア再発~と思いながら仕事をしておりました。まぁ、ひどくはないのですが気になる痛みです。そういうこともあり、ジョギングなどはせずに帰ってきました。しばらく安静にしておこうと思います。

 

いきなりですが、先程コメントを書いていて思ったので一言だけまず書きたいと思います

 

昨日、所得の再分配の方法:税金ではなく、教育・医療・社会福祉に寄付をという記事を書いたのですが、その所得再分配に関していろいろご意見をいただいています。コメントではなくてアンケートの方になんですが・・(汗

個人的には税金が良いのか、どういう形が良いのかはわかりませんが「余剰な」ものがあるなら、それをうまい形で生かせるようにするべきだとは思っています。

 

税金をどんどんあげていけば、日本国内から人が逃げるかも…という考えもあり、また勤労意欲を下げるだろうという考えもあり別の形での再分配が良いのではないかと思っている次第です。ただ、医療の事しかわからないので(職場の方には『先生は経済学をやったらはまりますよ、きっと』と言っていただきましたが)いろいろ教えていただきたいものです。

 

昨日書いた記事の中でこんなことを書きました。

---------------------------------------------

そういった大金持ちと言われる人たちの寄付で「学校の運営」や「介護施設の運営」「病院の運営」などが行われ、そういったところに無償で教育や医療、介護を受けられるようになれば素晴らしい再分配の制度だと思っています。

 

それに頼りすぎてはいけないのですが、本当の最低限の機会を国民全員が持てるようなことを資産を多く持つ人たちが行えば、その人たちは嫌でも尊敬されるでしょうし、多くの人の役に立つことですし・・・。やっかみもないのではないでしょうか。

もちろん、「なんで私がそんなことをしなくてはならないのか」と思う方は大勢いると思うのですが、もしそういったことをされたら他の人には絶対ないような名誉・特典を与えられたりとかですね。そういったようなことをしたりはできないかな…と思っています。

 

僕はそういったお金持ちの方々が「教育」「医療」「社会福祉」などにお金を寄付してくださるような制度(そしてそれに伴い、名誉が与えられるような)、そんな制度ができることは所得の再分配の方法としてはよい方法ではないかと思っています。しかし、それ以外のところに手を出してはいけないとも思っています

---------------------------------------------

と、書きましたがゆみこさんから「医療に関しては本当に必要な人のところにお金が行くように」というコメントをいただきました。まことにその通りですべてを無料にしてしまうとおそらく、無駄な受診などが増えてしまうと思います

今の「医療の供給能力」が低い段階で行うべき施策ではないと思っています。

 

可能であればそういった方々からの支援金みたいなものが「難病」や「高額療養費を必要とする方々」、高額療養費は引っかかっていないが定期的にかなりの金額を医療に費やす必要がある方々に対する支援金として集めるほうが良いのだろうと考えなおしました。

 

介護は・・・そういう制度があるといろいろ良いと思いますし、教育もやはり同じです。

 

そんなことを思いました。

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所得の再分配の方法:税金ではなく、教育・医療・社会福祉に寄付を

2012-05-23 20:51:16 | 思いつき・ひらめいた!

さて、少し前から思っていたことです。

 

アメリカの富の多くを1%の富裕層が持っているといいます。日本やヨーロッパでもそうですが、今後多国籍企業を中心にその傾向は続くかもしれません。というか続くのでしょうね。

また、生産業が今まで以上に「機械化」されていけば…もしかするとロボット産業がもっと発展したら貧富の差は跳ね上がるかもしれません

なぜなら、ロボットや機械を駆使して儲けることができる人は儲けて、そういったものを持たない人は収入源すら失っていくかもしれない。

 

そんなことを考えたりしています。

 

貧富の差が拡大しているといいます。

 

もちろん世界的に見ればアメリカや日本、そういった国々と比較して「その日を生きることが難しい」ような国もあります。

各国内でも貧富の差が拡大していると思います。

 

ただ、あまりに勝ち組に富が偏りすぎたら、工業製品などを買う人もいなくなってしまわないだろうか?

 

そんなことを考えたりします。

 

ごく少数の人が多くの富を持っていて、それが他の人に再配分されないと、結局そのお金が使われなくなってしまう。循環しないものになってしまうかもしれません。そしたら宝の持ち腐れ、兵法であればまるで遊兵がいるかのごときではないかと。

要するにお金が無駄のような気がします。

 

どうせそんな少数の人がそれだけのお金を持っていても仕方がないので、そこ前行くのであれば再分配をうまくするべきだろうと。

 

ただ、「それなら税金でお金持ちからとって所得の再分配を」というのであれば、勤労意欲を奪ってしまうかもしれません。本当にお金を持っている人たちは恐らくそんなことでは止まらず、楽しいから働いているのだとは思いますが・・・。

 

所得の再分配を本当にうまく行う方法はないものかといつも思っています。

 

ここからは僕の勝手な思いつきです。というか考えです。

 

そういった大金持ちと言われる人たちの寄付で「学校の運営」や「介護施設の運営」「病院の運営」などが行われ、そういったところに無償で教育や医療、介護を受けられるようになれば素晴らしい再分配の制度だと思っています。

 

それに頼りすぎてはいけないのですが、本当の最低限の機会を国民全員が持てるようなことを資産を多く持つ人たちが行えば、その人たちは嫌でも尊敬されるでしょうし、多くの人の役に立つことですし・・・。やっかみもないのではないでしょうか。

もちろん、「なんで私がそんなことをしなくてはならないのか」と思う方は大勢いると思うのですが、もしそういったことをされたら他の人には絶対ないような名誉・特典を与えられたりとかですね。そういったようなことをしたりはできないかな…と思っています。

 

僕はそういったお金持ちの方々が「教育」「医療」「社会福祉」などにお金を寄付してくださるような制度(そしてそれに伴い、名誉が与えられるような)、そんな制度ができることは所得の再分配の方法としてはよい方法ではないかと思っています。しかし、それ以外のところに手を出してはいけないとも思っています

 

もし、日常生活にまで余計な手を差し伸べれば、人は働かなくなるかもしれない。

 

教育は子供たちが平等に、将来の可能性を見出すために本当に必要なものです。

 

医療や社会福祉は「もしも」の時に本当に必要なものです。

その2つだけは「機会の平等」を保証できるならしたほうが良いと思っています。

 

そういった分野にだけ出資してもらえれば、よい形での所得の再分配にならないかと思っています。

 

皆様はどうお考えでしょうか?

まぁ、やるやらないは別のところですが(笑

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公募型研究:利益相反に注意しながら、積極的に話を受けられれば良いですね

2012-05-23 20:34:51 | 医療

こんばんは

 

今日も一日が無事に終わりました。仕事が終わってから走りに行ったら、腰が痛くなり30分ほどで止めました。ただ、そのあとは筋トレを・・・。なんか、1年ぶりにヘルニアが怪しいことになってきている(汗

 

そんなわけで明日は安静にしようと思っています。

 

さて、今日はまず記事の紹介を。

 

 
 国内製薬大手の間で「公募型共同研究」なるものが流行している。国内の大学や公的研究機関の研究者を対象に新しい医薬品を創るための共同研究を公募する もので、2007年に塩野義製薬が先駆けて開始し、11年には第一三共とアステラス製薬がインターネット上で公募サイトを立ち上げた。

 武田薬品工業も近年、国内の展示会ブースで共同研究を募るようになり、エーザイは募集先をある程度限定する“半”公募型について今年度の実施を検討している。

 製薬大手はこれまでも国内の有力研究者たちと共同研究を行ってきた。なぜ今、「公募」なのか。最大の理由について製薬大手首脳は「国内のバイオベンチャーが育っていないことにある」と明かす

 製薬大手はかつて自社の研究所で新薬を創る種を生み出していたが、開発競争が激化して“自前主義”では手に負えなくなった。10年前後からは各社の売り上げを支えてきた主力品が特許切れラッシュを迎え、早急に次の稼ぎ頭を手に入れる必要にも迫られた。結果、外部の種をめぐって熾烈な争奪戦が繰り広げられるようになった。

 各社が押し寄せた種の在りかは米国のバイオベンチャー。世界製薬大手の中には自社の研究所を次々に閉鎖し、米バイオベンチャーやその開発候補品を買いあさっているところもある。日本勢も買収額がつり上がる中で数百億円、数千億円を投じて会社丸ごと、あるいは候補品単位で買収している。米バイオベンチャーの出口戦略にはIPO(新規株式公開)とともに製薬会社による買収が定着した。

 一方で国内のバイオベンチャーは振るわない。リスクマネーが不足して資金調達が困難になり、有能な人材も足りない。事業を継続できなくなるベンチャーが相次ぎ、2000年代前半のバイオベンチャーブームは冷え込んでしまった。

 「米国のように国内ベンチャー勢にも大学・研究機関と製薬会社をつなぐパイプ役として、玉石混交の種を吟味し育てる役割を担ってもらいたかったが、あまり機能していない」と前出の製薬大手首脳は言う。そこで大学や公的研究機関の研究者に直接、網をかけようというわけだ。

 モノがないわけではない。主要な医学雑誌に掲載された基礎研究の論文数を国別に見ると、日本はトップクラス。例えば世界製薬最大手のファイザーが米国に続いて日本で3月末に製造販売承認を取得した肺がん治療薬「ザーコリ」は、日本の研究者が07年に疾患の原因となる遺伝子を発見したことで誕生した薬である。こうした自国に眠る種をみすみす見逃さないために製薬会社自らが広く種集めに乗り出す。

 公募でのこれまでの採択数は第一三共が21件(第1回)、アステラスが10件(4月までの1年間)。公募型研究に1社が投じる年間総予算はせいぜい数億円と小さいが、有名教授に集中していた研究費が無名の若手研究者にも届くようになった意義は大きい

 (「週刊ダイヤモンド」編集部 臼井真粧美)
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研究した成果が「患者さんの役に立つ」というのは医療従事者としては最もうれしいことだと思います。
 
医師・薬剤師をはじめとした研究者がこのようなTranslational researchを行っていく機会が増えることは僕はよいことだと思います。
 
ただ、利益相反の話だけは注意しないといけないですね
 
ちなみに利益相反に関してはこちら
 
まぁ、要するに企業とかからんでしまったことで、研究結果がゆがめられているのではないかと疑われるようなことはないようにしましょうということですね。
 
関連性がある会社の公開・未公開株式を保有せず、企業等からの何らかの報酬や経済的支援を受けないようにすること、他の研究機関との兼業を行わないなど注意すべきことはいろいろあると思う。
 
けど、僕はこの話はよい方向に流れていってほしいと思っています。国内の活性化のためにも、患者さんのためにもですね。

 

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こんなことしてみたい1「仮想病院事業」:離職している医療従事者の復帰、医大生の教育に!

2012-05-22 22:12:00 | 思いつき・ひらめいた!

もう1つ僕のどうでもいい考えを書かせてください

 

これも昔書いたと思いますが、こんな事業をやってみたい。

 

仮想病院事業

 

目的は2つ。

産休や育休、もしくはほかの理由で医療の世界から離れていた人が、医療の現場に戻るのは大変です。その復職の助けになること。また、医大生などが医療を実際に体験する場として、最も良い勉強の場を提供すること。

 

何をしたいかというと先程も書きましたが、現場から一度離れた人が現場に入っていくのは非常にストレスがかかります。なぜなら医療は患者さんの生き死ににかかわるところだからです。自分の失敗が人の命にかかわるから、命にかかわらなくても不利益を及ぼすかもしれないから

 

2か月ほど前に大学病院の看護師を退職した妻が先日言ったことは

2か月もたっていないのに、もう看護師の仕事ができそうにない。できるとしても外来とか・・・

ということでした。

 

外来の看護師さん、医療の知識はあったほうが良いですが…実は医療事務さんでもできる仕事(受付など)があります。実際にそうしている病院もありますし、ナースさんがやっているところもあるようです。いずれにせよ、命にかかわるような経験はしにくいですし、その手のストレス(別のストレスはあるでしょうけど)は少ないと思います。

 

また、女医さんだったり、他の理由で医療から離れていた医師が現場に復帰するのも大変だと思います。これから女医さんの数は増えるんですから。少し経験してから本格的にやりたいなぁ…と思うことはあるはずです。僕はこんなところがあったら、そういうところで少し勘を取り戻してから現場に行きたいですよ。

 

また、研修医になる前の学生さんが勉強するのにもいいですよね。実際の患者さんだと主体的に何かをするわけにはいかないでしょうけど、治療方針を決定する役割をしないとわからないことはたくさんあります。勉強の一環として「主治医」のような形で積極的に医療にかかわる役をする。自分がこういうことができないと将来本当の患者さんが不利益を被る。そういうのを実感する良い場所になるでしょうし、学ぶことも多いと思います。学ぶべきものも見えてくるでしょうから

 

恐らく必要なものは

1、病院の建物

2、医療器材(病棟にあるようなもの、手術室にあるようなもの)

3、教育用資材

4、指導医

5、指導看護師

6、模擬患者(模擬患者は少なくとも自分の演技する疾患は熟知する)

7、健診希望者(これは指導医の指導のもと実際に行う)

というところでしょうか?

 

実際の運用としてはこんなイメージで

 

例1:産休・育休で2年間現場にいなかった消化器内科の女医さん。病棟勤務に戻る前に現場のイメージを取り戻したくなり受講。受講期間は1週間とした(受講する期間は設定できる)。

1日目 病棟で担当患者の回診。病棟業務を思い出すために看護師(受講生・指導看護師)がいろいろ報告したりする。患者(模擬患者)の一人が急変したり…(汗

2日目 受け持ち患者に関して指導医を含むメンバー(受講生数人)でカンファレンス。カンファレンスの準備、雰囲気などを思い出す

3日目 外来日設定。外来のイメージを思い出す(電子カルテなどはもちろん使用)。模擬患者は新患という設定や経過観察中、継続治療中の患者を複数。

4日目 健診業務を通して医師としての基本技術を思い出す。特に消化器内科なら内視鏡など。ちなみに指導医の指導の下・・・ということで、健診をうける人たちは無料で受けられる。

5日目 急患対応、当直対応など。

6日目 新薬など新しい知識、離職中に新たにできた制度などを勤務しながら学ぶ

7日目 復習したいところをもう一度

 

などですかね。例えばですけど。あまり人を増やしすぎると大変ですけどできなくはないのではないかなぁと。あとは期間は1週間と書きましたが、1ヵ月でも2ヵ月でも…。

医師、看護師さんの求人会社とコネクトすると「人材派遣会社」はひとをみれるので、自信をもってその人を押せますよね。医師や看護師は復帰する前にいろいろ経験できれば、「そういえばこういう感じだったかなぁ」と思えるのではないかと。一番重要なのは不安をできるだけ解消することではないかと。

 

もう一度まとめてみますと

1.医師不足、看護師不足を解決するために復職支援目的での仮想病院

2、構想は上記。社会的使命も果たせますし、意外と人手の供給と絡めれば複数の場所に利益が発生?

3、結果として予想されることは「医療現場から離れていた人が復帰しやすくなる」「医療系人材派遣会社は、その人物を見ることができる」「各病院は不足している人材を補うことができる」

学生に関しては

4、医療現場に出る前に現場のイメージをより鮮明に作ることで学ぶ方向性を知ることができる(何を身に着けておくべきかを知ることができる)

 

そんなことを考えてみました。

こんなものがあったら利用したいですか?

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医療の発展・充実が日本経済の発展に寄与すれば(医療費増大が許されれば)医師不足は反対されないと思う

2012-05-22 20:43:41 | 思いつき・ひらめいた!

こんばんは

 

今日は雨風が強いですね。全身ずぶぬれになって帰ってきました。歩き+バスでこれだから自転車に乗っていたらとんでもないことになったw

 

さて、すこし思っていることを書かせていただきます。

 

医師不足に関していろいろと6年にわたりBlogを書いてきたのですが、医師が不足していない、偏在だと書いていたり、将来余るから増やしてはいけないという方々の思いなどをいろいろ考えたりしております。

僕はあくまで医師は不足しているというのが基本的な考えです

医師が足りている、偏在でしかないと書いている人々は恐らく「無駄な場所」に医師がいると考えているのかもしれません。

 

医師数も含めて、医療の供給能力が明らかに需要を上回っているのであれば、3分間診療だとか救急車の受け入れ不能だとか、患者の入院不能なんて言うこともないと思います。現実的にそれは起きていますし、かなり医療従事者が不足している病院は多いと思います。

 

しかし、アクセスを維持するために、もしくは不足している介護施設などの代わりに病院が散在しているというのも事実だと思います。面積あたりに病院を…というのでは当然ながら人口密度などで「暇な病院」と「忙しすぎる病院」に分かれますので、忙しい病院に勤めている人は「人手が足りない」と思っていますし、そういう医師は基本的に「そういう意見を公表する時間すらない」と思います。僕は「眠らない医者」ですから・・・・時間を見つけてアップします。最近は…30歳を超えてからは眠らせてくれと思うようになりましたし、病院勤務から外れて今は時間もありますが・・・・。

暇な病院と書きましたが、それでも大変だと思います。なぜならそこに病院があり、少ない人数で回している限り自由な時間がとりにくいから。何かあったときに連絡の取れる位置にいてほしい…となれば自由がきかないですよね。24時間On call体制が続いているという意味で、日常で忙しすぎることはなくても自由は制限されてしまう。

 

ちなみに僕は24時間On call×365日に近い体制でやっていました・・・w

 

あとは開業医さんたちの代表(というと問題があるのか?)である日本医師会も医師を増やすことには反対の立場ですが・・・医師を増やして患者の取り合いになるというのが怖いという要素もあるかもしれません。

 

Twitterで見た意見ですが「医師を増やすと競争になり、能力の低い医師が医師として働けなくなるから反対しているのだ」という話がありました。これもあながち的外れではない気がします。

さらに医療費という「パイ」がある一定以上は増やしにくいのに、医師を増やしたら大変なことになる…というのもあるかもしれません。

 

さて、医師不足に対する反対理由、大元にはこの「医療費」があると思います。医療費の中に占める人件費が増えることが恐ろしい。医療費は基本的に増えていっても世間に貢献しないと、日本という国の負担になるのだという考えが根元にあるのだろうと思います。

僕はそれがどうなのかがいまいちわかりません。

 

ここからは僕の勝手な意見です。個人の意見ゆえに「なんかどこかの医者が勝手にしゃべっている」と思ってください。ただ、できればコメントで分かる範囲で結構ですのでいろいろ教えてください。僕は日本が良くなってほしいのです。

 

じゃぁ、行きます。

僕はTwitterにも書いていますがいずれは生産業の多く、特に大企業になればなるほど「人件費」は削減(というか、人がいらなくなる)していくんじゃないのかなぁと思っていて、雇用の場としても医療や社会福祉は必要になると思っているのですよね。近い将来、働く場所が減っていく。経済がどうとかではなくて・・・。

こういうとなんですが、昔は農業だって多くの人手が必要でしたけど、機械化されて減っていきましたよね。狩猟の時代→農耕時代→産業…ときているのだから、同じ流れで減るでしょう、普通。

このままいったらうまく雇用されている人と、アルバイトに依存するような人と2極化されていくと思います。というか、もうしているんでしょう。さらにひどくなると思います。そうすれば購買力も減りますし、経済も先細りじゃないのでしょうか?

僕は経済が専門ではないので誰か教えてください。

 

購買力が減ったら、企業も困りますし・・・。

 

で、購買力を上げるためにはどうするのって「収入の良い仕事」と「将来の不安をなくす」ことだと思っています。社会福祉がしっかりしていること。

 

医療や社会福祉がしっかりしていて、それがそういった雇用(人件費)が増えて、経済が活性化する方向に進むようにならないか…っていつも考えています。

 

あんまり安定しすぎると働かなくなるのではないかという不安もありますが・・・。

 

医療費がある程度増えても問題がないということになれば、開業医さんたちが不安に思っている「歯科医のようになる=ワーキングプア」という問題もなくなるのではないかと。本当はあんなに安い診療費でなくてもいいはずで、本当は診断の基本は診察であって、そこに医療費は注がれてよいはずだと思っています。にもかかわらず、検査や薬の処方がないと大した収入にもならない。歯科医師の開業医さんたちも診療報酬が少なすぎてワーキングプアみたいな状況になるわけですよね?

 

医療費が増えてもそれが日本経済を活性化させるというようなシステムさえ作れれば、おそらく医師不足問題もほとんどの人が賛成に傾くと思っています

 

結局、医療費というパイが大きくならない、パイの奪い合いになるのに奪い合いをする人間を増やしてどうするの…という考えの方が多いのだろうと思っています。

 

将来的には専門性が高まっていくと思いますし、人口が激減しなければそう簡単に医師不足は改善しないと思います。そもそもチーム医療とかシフト制とかを組もうとしたり、外来をじっくり話せる体制にするためには(本来、生活習慣病の診療はかなり時間が必要なはず。僕は説明や様々な確認にこれほど時間がかかるものはないと思いますけどね。白血病の経過観察は再発しているかいないかだけ診てますから早いですけどね)医師は不足していると思う。

開業医さんだって数多くの患者さんを診なくてはいけないから(診療報酬的にも、医療の供給能力的にも)診療時間が短くなるわけでしょう?

 

時間をかけて診療できれば患者さんの変化にも早く気が付けるはずですし、絶対に悪いことはないはずです。ただ、医療費抑制、できるだけ削れという方針では…パイの奪い合いになるから…ということだと思っています。

 

ただ、その医療費拡大が「患者さんの負担」につながると「将来の不安増大」になるので、できるならば個々人の医療費の負担は低く抑える。少なくとも日本国民は医療費を「国民皆保険で自己負担○○%」と低く設定して(今より低く)、保険の方には別の財源を・・・。そうすることで将来の不安を減らして、お金を蓄えなくてもよいという考えにしていきたい。

 

で、申し訳ないのですがその負担をやはり外国のお金持ちさんに負担してもらう方がよほどいいかな・・・と。

 

僕は医療費が増大して、医療従事者も増えてしまえば「外国」の医療ツーリズムを受け入れるのは大賛成です。むしろそういう風にすればよいのではないかと思っています。その収益が病院の収入だけでなく、日本の各保険の財源になるようにすればよいのではないかと。

 

医療のブルーオーシャンはほかに何があるだろう…と考えると…いろいろ思いますよね。

 

例えばですけど、将来世界中の人が宇宙に住むことが起きるとします。そうするといろいろ問題が起きますよね。

例えば話題の放射線被曝

ISS滞在中における被曝線量の制限

http://iss.jaxa.jp/med/research/radiation/

地上で我々が日常生活を送る中での被曝線量は、1年間で約2.4ミリシーベルトと言われています。
一方、ISS滞在中の宇宙飛行士の被曝線量は、1日当たり1ミリシーベルト程度のレベルになり、ISS滞在中の1日当たりの放射線量は、地上での約半年分に相当することになります。

JAXAの定めるISS搭乗宇宙飛行士の生涯実効線量制限値

初めて宇宙飛行
をした年齢
男性の制限値女性の制限値
27才~29才 600mSv 600mSv
30才~34才 900mSv 800mSv
35才~39才 1,000mSv 900mSv
40才~ 1,200mSv 1,100mSv

なんで、こんなに被曝制限値が違うのかと突っ込みたいところですが、生涯ですからね…。けど、1日1mSvですから高いですよね。それが慢性的に来ても直接の影響はそこまでないのか・・って話が脱線しました。

その問題に対して放射線による様々な問題を抱えている日本が、一番にその対応策を考えれば(例えば本当に放射能の影響を下げることができる薬とかですね)、将来の宇宙開発は日本がリードできますよね

日本の医療が経済や政治に役立つかもしれません。

 

重力の影響に関しては医療ではないでしょうけど、遺伝子ではHSP○○とかが高発現するみたいですね。HSPってヒートショックプロテインですが。

 

いずれにせよ、放射線をネタにしてしまいましたが、医療が将来の日本に役立つ分野はいろいろあるのではないかと思います。応用が利く分野とかですね。

 

そういったものを利用しつつ、日本の医療費をある程度高くしてもよいような状況にできないかといつも考えています。

 

医療費をいかに抑えるか。そればかり考えているからひずみができる。医師、看護師、さまざまな分野で無理が生じる。

 

僕は病院をうまく集約化、医師や看護師も集約化、その代わりに他の職業を増やして雇用をもっと増やす。医師が増えたり研究者が増えることで、研究面でも成果を出す。医療ツーリズムを受け入れる。それらが医療を通じて経済の発展につながれば・・・・。

 

そんなことを思っています。

 

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今なぜ、医学部新設か?―医師不足の解消と医学教育を考える(紹介のみ)

2012-05-22 05:40:26 | 医療

おはようございます

 

昨日は職場の飲み会でいろいろ話をしておりました。

まぁ、そんなこんなでBlogの記事を書いている暇がなかったので、少し気になった記事を朝一番で紹介します、

 
 日本医学ジャーナリスト協会はこのほど、東京都内で「今なぜ、医学部新設か?―医師不足の解消と医学教育を考える」と題したシンポジウムを開き、新たに医学部を創設するのであれば、どのような姿が考えられるのかなどを議論した。

 同協会の水巻中正会長(国際医療福祉大大学院教授)は、東日本大震災の被災地である福島、宮城、岩手の3県を中心に、医学部設置をめぐって議論が対立しており、医学教育の在り方を議論したいと述べた。
 宮城県では、仙台厚生病院と東北福祉大で医学部新設に向けた準備を進めているほか、3県の15市長が平野博文文部科学相らに医学部新設を求める要望書を提出している。その一方で、3県の医科大学長、大学医学部長は平野文科相に対し、医学部新設に慎重な対応を求める要望書を提出している。
 水巻会長はまた、文科省の「今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会」で、医学部新設などについて1年間話し合ったものの、論点整理に終わったが、今年2月に発表されたパブリックコメントの結果では、宮城県や新潟県からは医学部新設を求める意見が多かったことから、意見が徐々に集まりつつあるのではないかと指摘した。

■地域の人材育成の観点から議論を
 東大医科学研究所特任教授の上昌広氏は、福島第一原発の事故後から、福島県の浜通り地域など医療者が不足した地域への支援を続けているが、「(医学部設立に)反対する市民に会ったことがない。反対しているのは医師だけ」と指摘した。
 上氏は、人口当たりの医師数は西日本で多く、東日本は少ない「西高東低」型になっていると言う。九州・沖縄県は1470万人の人口に対し、医学部が11校ある一方で、千葉県は620万人に1校、福島県は200万人に1校となっている。上氏は、九州は戦前から医学部が多く、近代の歴史が現代の医師不足にも色濃く反映しており、医師不足を補うため、医学部の新設は東西の格差を考えても有効とした。
 また、大学は地域に人材を残し、若い人を育てるとして、地域の人材育成の観点からも医学部の新設を議論すべきと述べた。

 国際医療福祉大の北島政樹学長は、医学部の新設に向け、これまで同大で検討してきたことなどを報告した。
 北島氏は、文科省は近年、医学部の定員増を進めているが、それに見合うだけの教育施設の拡充や指導教員の増員が行われていないと指摘した。また、大臣告示で医学部新設は認められていない一方で、定員増を認める現状についても、疑問を呈したほか、既存大学の定員増は質の面からも限界があるとした。
 北島氏は、新しい医学部では、入学時から医療のプロフェッショナルとしてのマインドをはぐくむことに力を注ぐほか、リベラルアーツ(教養課程)も充実させたいとした。また、早期から臨床教育に取り組み、より技術の向上を目指したカリキュラムを検討していると言う。学費についても、一般家庭からでも進学可能な水準に設定したいとしている。

■メディカルスクール導入で教育にダイナミズムを
 聖路加国際病院の福井次矢院長は、日本の医療教育にダイナミズムを持ち込むためにも、選択肢の一つとして米国型メディカルスクールを導入する必要性を説いた。
 米国では、大学の4年間で人文科学などを学んだ学生が、専門大学院であるメディカルスクールで医師を目指すという選択肢がある。
 福井氏は、メディカルスクールには22歳以上の人が入学してくるのが特徴と言い、高校で数学や物理、化学が得意といった理由で医学部に進むのではなく、医療者としての献身的な心構えを持った人が入学してくるとみている。
 また、学生のバックグラウンドが違うために、新たなカリキュラムも行えると言う。米国では、グループディスカッションをメーンにした医学教育が評価されているが、日本で同様のことをしようと思っても、高校を卒業したばかりの学生と、学士編入者では、モチベーションや教養も異なるため、学士編入者専門のカリキュラムが必要とした。
 福井氏は2005年に院長に就任してから、院内で小規模のメディカルスクールを実現しようと、国などにも働き掛けてきた。新しいカリキュラムでは、チームで問題解決に当たる「チームベースドラーニング」などを取り入れたいほか、4年間のうち後半2年は臨床実習を徹底的に行いたいとしている。また、外国人の教職員を置いたり、一部英語での講義も検討したりしていると言う。
 福井氏は、わが国の医学教育では、新しいことが何もできない状況にあると言い、一定のクオリティーを確保しながら、新たな試みを進めたいとした。【大戸豊】

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どちらかというと医学部新設賛成の方々を集めた感じみたいですので、発展性に欠ける気がしますが僕も最終的には医学部新設が必要になるだろうと思っています。

 

ただ、医学教育の在り方・医局の存在の仕方などいろいろなものを見直す時期に来たのだと僕は思っています。

 

昨日も話していましたが、僕は基本的に既存のものを改変する方向に持っていく人間ですね。それを人が評価するか、しないか。

僕の評価はそんなところで決まるのでしょうね~、たぶんw

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B型肝炎ウイルス無症候性キャリアの方への説明

2012-05-20 15:08:38 | 医学系

こんにちは

 

コメントでB型肝炎ウイルスのキャリアに関して説明をということでしたので、簡単に書いてみます。

今回はたまたま別の病気で受診した方にしましょう。僕の経験では・・・、やはり少し高齢の方ですね。検査したことがなくて、大きな病気になったのが初めてという方。

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「○○さんは今回、××が疑われて当科に紹介になりました。この病気の診断の際に今後輸血をする可能性などを考えて、肝炎ウイルスなどの検査をさせていただきました。その際にB型肝炎ウイルスが陽性になりました。」

「私は肝炎なんですか?」

「いえ、肝炎は起こしておりません。B型肝炎ウイルスはウイルスが肝炎を起こすわけではないのです(肝臓に感染しますけどね)

「意味が分かりません。どういうことですか?」

「少し細かく説明していきますね。B型肝炎ウイルスというのは肝炎を起こすウイルスと言われていますが、実はウイルスが感染して肝臓を壊すのではなくて、ウイルスを殺そうと感染した細胞ごとやっつけてしまう体の抵抗力が原因で肝炎が起きます

「まだ、よくわかりません(こういう風にいう人はなかなかいません。多分、僕のキャラクターなんだと思います)」

「まずは肝炎が起きているかをまず話をします。肝炎が起きている、つまり肝臓が壊されているかどうか…というのはAST/ALTと書かれていますが、この数値を見ます。これはげんざい、肝臓が壊されているかどうかを見る数値です。これは正常範囲です。すなわち壊されてはいません」

「なるほど、正常値ですね」

「難しくなるといけないので、覚えなくてよいのですが実は肝硬変になると『壊れる細胞』がなくなってしまうので、やはり正常値になったり、壊れる量が減ったりします。しかし、その場合は肝臓の機能が低下しているはずですが、この総ビリルビン(T-Bil)やアルブミンというたんぱく質、PT活性と書かれていますが肝臓で作られている血を止める物質はいずれも正常です。すなわち肝臓の機能は正常なのです」

「なるほど、じゃぁ安心ですね」

「いえ、少しだけ気にしていただかなくてはならないことがあります。肝炎が起きていないことは納得できましたでしょうか?」

「大丈夫。納得したよ」

「しかし、B型肝炎ウイルスは存在しています。B型肝炎ウイルスは通常、生まれてしばらくしてから(思春期以降は急性肝炎と言いますが)の感染は急性肝炎の形をとります。それで肝炎ウイルスを排除しきってしまうことも多いのですが、慢性肝炎になる方もいます。怖いのは劇症肝炎と言って命に係わるパターンですが、いずれにせよ肝炎を起こすか起こさないかは、どの時期に肝炎ウイルスに接触したかということが重要になります

「その説明は必要ですか?」

「できれば納得できるように説明させていただきたいのですが。状況によって我々血液内科の医師は免疫抑制剤や抗癌剤などを使用しますので、非常にこの話は重要になります。人は生まれたときにB型肝炎ウイルスに接触すると「自分の一部」と思ってしまい、攻撃しなくなります。専門用語では免疫寛容と言いますが、○○さんの防御機構はB型肝炎ウイルスを敵と思っていないということです。だから肝炎が起きないのです。」

「なるほど」

「B型肝炎のウイルスが持続感染している人を『キャリア』と言いますが、○○さんのように肝炎を起こしていないキャリアの方を無症候性キャリアといい、全体の9割はこっちです。残りの1割の人は慢性肝炎の状態にあり、肝硬変へ進んだりします。B型慢性肝炎の状況であれば専門医にいろいろ話を聞いていただき、治療することになると思います」

「じゃぁ、私は安全なんですね?」

「無症候性キャリアの方でも実は肝細胞がんが稀に発生します。0.1~0.4%/年と言われていますが、要するに一定の確率で肝細胞癌が発生する可能性があります。それは考慮しておく必要があります。一度超音波検査などは行ってもよいかもしれません」

「慢性肝炎ではないけど、無症候性キャリアで、少しは肝細胞がんの可能性があると」

「そうですね。全くの0とは言えないです。生活上のことを申し上げますと運動や食事の制限は全くありません。自由にしてよいと思いますが、血液などを介して他人に感染させる可能性がありますので、そこは考慮するべきだと思います

「孫などに感染させたくはないのだが?」

「お年が1歳未満だと先程の免疫寛容が生じる可能性がありますので、血液などが付着する可能性のある行為は控えたほうが良いと思います。もし、もう少し上のお子さんであればワクチン接種を行うという方法もあります

「なるほど」

「いずれにせよ、○○さんはB型肝炎ウイルスの感染はありますが、それらによって今悪いことが起きているわけではないのです」

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医療行為というのは患者さんに対してメリットがあるかないかで実行するかを決めます。実際にB型肝炎の抗ウイルス薬というものはありますが、慢性肝炎の患者さんならともかく一般的には無症候性キャリアの方に使うことはないです

何故かというと無症候性キャリアの方は何も悪影響を与えられていないので、治療を行うとそれによりメリットはほとんどなく、デメリットは大きなものが(副作用が)出る可能性があるからです

 

ちなみにHTLV-1キャリアの方も将来的にATLLを発症する可能性があるからと言って抗ウイルス薬を飲むことはないですよね?

 

肝細胞癌に関しては難しいのですがB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスでは少し機序が違うのです。B型肝炎ウイルスはDNAウイルスであり、C型肝炎ウイルスはRNAウイルスに位置付けられます。DNAウイルスは細胞に入ってヒトの細胞のDNAの中に割り込んで増殖します。割り込む位置が悪いと肝細胞癌が出現するという、運の良しあしとしか言いようのない発症機序です。

それ故慢性肝炎の人も、肝硬変の人も(こちらは無症候性キャリアより確率は高いです。C型と同じ機序もあり得ますので)、無症候性キャリアの方も肝細胞癌を発症する可能性があるわけです

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「我々が今後行う可能性のある治療は抵抗力を下げる治療が入っています。免疫力が低下した後に再び免疫が高まってくると、突然『こいつは敵だ』と認識することがあります。特にリツキサンという悪性リンパ腫の薬を使用したりするとB型肝炎の再活性化により劇症肝炎が発生して死亡することがありますので、そのような治療を行うときは治療開始から治療後半年、もしくはそれ以上の間抗ウイルス薬を使用します」

「なるほど、よくわかりました」

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B型肝炎ウイルスキャリアで無症候性であれば経過観察だけで、細かくは存じないのですが半年~1年程度の間隔で経過観察をしているのではないでしょうか?

HTLV-1の経過観察も同じようなものですので。

 

ですので一般には無症候性キャリアであっても定期受診はすると思うのですが、それだけの目的で受診した人を僕は担当していないので(上記のようなパターンは多いのですけどね)、このくらいの説明でご容赦いただければと思います。

 

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アクネ菌がサルコイドーシスの原因か?:思うことはいろいろありますが、面白いですね

2012-05-20 10:24:32 | 医療

さて、続けます

 

 臓器や皮膚に肉芽腫と呼ばれるしこりができ、死亡するケースもある難病、サルコイドーシスがニキビの原因でもあるアクネ菌によって引き起こされるとみられる、江石義信東京医科歯科大大学院教授らの研究チームが発表した。18日付の米国・カナダの病理学会誌(電子版)に掲載された。
 江石教授は、ステロイドを用いる現在の治療は副作用も大きいとして、「アクネ菌への抗菌剤を使う新治療の臨床研究を行いたい」としている。
 肉芽腫は、体内に入った細菌などの拡散を防ぐため、免疫細胞が菌を取り囲むように集まってできる。内部にある菌が、肉芽腫が形成されるきっかけとなる物質と考えられており、研究チームは肉芽腫内にアクネ菌を確認した
 患者のリンパ節からアクネ菌が検出されることは分かっていたが、皮膚に常在する他のアクネ菌が混入した可能性が否定できなかった。江石教授はアクネ菌に反応する抗体を開発し、患者196人から採取したリンパ節と肺の組織に添加して顕微鏡で観察。肉芽腫内に、抗体が反応する円形の物体が多数存在することを突き止めた。 
 
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面白いですよね。
これが原因だということになると・・・。
 
ただ、肺とかリンパ節などは「外」に近い部位です。肺は気道の存在を考えれば外気に接していますので外と言えば外に近い。リンパ節も傷口から流れてくるアクネ菌をシャットアウトしきれずに・・・ということなのだろうと思うが・・・・。
 
神経サルコイドーシスとか心臓とかそういうところには「内部」を通っていかねばならないと思う。すなわち「菌血症」が起きているのか(菌体が必ず見つかるのなら)?
それとも神経サルコイドーシスはアクネ菌から開始された免疫反応なのか?
 
いろいろ不思議に思うところはありますが、面白い話だと思う。
 
また、経過観察しているサルコイドーシスは多いから、アクネ菌に対する抗菌薬治療はやってみてもよいのではないかと思います。
 
 
追加でHodgkin lymphomaの治療後にリンパ節主張が出現し、サルコイドーシスという診断になったが、Hodgkin lymphomaの再発の可能性を絶対に否定できないといわれ困ったことがある。まぁ、絶対に再発ではないと書けないだろうけど。
 
こんな時、アクネ菌抗体でそめると一発診断になるのかな?
 
そんなことを思いました。
 

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あなたは賢いのに、なぜ政府の政策はこんなに愚かなのか?:情報の問題かな?

2012-05-20 09:37:34 | Weblog

おはようございます

 

今日は膝に加えて腰痛も出現し、のんびり休憩しております。というか、ヘルニア再燃ですね微妙な感じですが、悪化するといやなので。去年やったL5/S1でなくて、L4/L5のヘルニア(2007年にやったほう)だな、このしびれや痛みの領域を考えると…(汗

 

さて、そんなこんなで走るのも取りやめて、ゆっくりしておりますが・・・どういうわけかBlogは書いてしまう(汗

 

とりあえず、この記事を皆様に紹介します

【地球人間模様】<市民科学者>政府内の専門家とは、政府の政策にお墨付きを与える存在にすぎないことに気付いた

http://www.47news.jp/47topics/ningenmoyou/153.html

英語にシチズン・サイエンティスト(市民科学者)という言葉がある。在野の立場を貫き、「科学の知」を武器に権力を監視する科学者のことだ。米プリンストン大教授の物理学者、フランク・N・フォン・ヒッペル(74)もその一人だ。米原爆開発計画「マンハッタン計画」に参加しながら原爆投下にいち早く警告を発した祖父、仕事一徹で聡明な物理学者の父、学者一族の気骨が市民目線で社会変革を求める老科学者の魂に宿る。

(中略)

ベトナム反戦運動ピークの60年代後半、スタンフォード大で教壇に立っていたヒッペルに転機が訪れた。政府顧問を務める同僚科学者に学生が「あなたは賢いのに、なぜ政府の政策はこんなに愚かなのか」と問い掛けたのだ。反戦運動のさなか、物理学者という生き方を内省していた時期だった。「政府内の専門家とは、政府の政策にお墨付きを与える存在にすぎないことに気付いた。以降、市民科学者として生きることにした」。覚醒の瞬間だった。

(中略)

同時に、地球温暖化防止の観点から自身の立場を「反原発」ではなく「反原発権力」だと説明する。「原発を推進してきたエスタブリッシュメント(権力層)は無責任だ。技術的問題が起きても、対外広報に腐心し、安全をめぐる肝心な問題をないがしろにしてきた」

(中略)

OSTPはフォード政権時代の76年に議会が設立。その主な役割は①大統領や政権幹部に的確で時宜を得た科学技術に関する助言を行う②行政府の政策決定に科学的妥当性を持たせる③行政府内の科学技術政策を調整する―ことにある。
 東京電力福島第1原発事故は、危機時の政策立案を行うに際して科学技術に関する知見がいかに重要かを如実に示した。日本政府内にもOSTP並みの専門家集団の設立が望まれる。(文 太田昌克、写真 メグ丸山、敬称略)

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中身はいろいろあると思います。ただ、中断の一言

「あなたは賢いのに、なぜ政府の政策はこんなに愚かなのか」

というところです。

 

国会議員の何名かの話を聞くと、非常に頭がよく筋が通った何かを持っていると思う。そういう風に聞かせているのかもしれないが、それでも素晴らしいと思う(まぁ、話を聞くと逆に「馬鹿か・・・このひとは…」と思う方もいるが)。

 

何故、そのような頭のよい方々がとる政策がこれほど混乱するのか。これほどおろかに見えるのか・・・。

 

1つは「同じ情報を国民が持っていないから」

だと思う。

多分政府が同じ情報を国民に与えていないから、政府の判断した基準が理解できない。仮に我々医師が治療に関して「これ以上は治療するのは困難である」と考えたとしても、同じ知識を持っていなければその判断の理由がわからない。それ故に時間をかけてゆっくり説明し、理解してもらったと思うまで話すのだが・・・(だから、一人の患者さんの説明に時間がかかるのだ)。

 

政府は本来「この判断を行った理由は、このような情報が集まってきているからで、その結果このように判断した。他の行動の可能性は1~4まで考えられたのだが、2~4に関してはこのような理由で否定した。」というように国民に結論の告知でなくて、極力説明をしてもらいたいものだ。もちろん、判断基準を明示できないところもあるだろう。それでもある程度は開示してほしい。

判断した知識・基準を告知してもらえれば、その周辺知識も含め、今の時代なら調べきることもできるだろう。国民はそこまで馬鹿ではないが、政府同様「時間は限られており」日常生活以外の事に時間をかけられるほどの余裕はない。

政府が「説明する時間が足りない」というならば、そのための人材をもっと増やすべきだと思う。

ただし、説明する人が政府内の専門家とは、政府の政策にお墨付きを与える存在にすぎないのは人として失格である。公務員は公僕なのだから、国家のために、国民のための専門家であるべきである

2つ目に「しがらみ」にとらわれやすい国民性でしょうか?

たぶん、アメリカなどでも「国際的大企業」などは政府にもちょっかいをかけているのでしょうけど、それ以外にもいろいろしがらみがありますよね。2世議員、3世議員とか。今までこうだったのに、いまさら支援しないなんてわけにもいかないとか。

日本という国は日本人ばかりがすむ「村」みたいなもので、しがらみが多いのだと思います

3つ目にマスコミさんの情報発信でしょうか。わからないものはわからないと言ってもらいたいところです。誤った情報が独り歩きしたり、変な色眼鏡が付いた情報が伝えられたり・・・。全く事実と異なる情報が週刊誌などは記載しているようにも見受けられます。記者さんからしたら面白くない答えをすると記事にならないとかw

 

別に事実を確実に伝えて、それに関してこう考えると書くのはよいと思う。そうでなくては各新聞記事が同じでは情報統制されているのとおんなじなので。ただ、情報というのは1つめにも書いたように最も大事な要素なので(まぁ、国家機密とかに手を出したら駄目ですよ)、確実にわかっている事実を伝えてほしいように思う。

 

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慢性骨髄性白血病に対する説明(患者さん向け)

2012-05-19 11:04:37 | 医学系

さて、先日より書いております「患者さん向けの説明)シリーズ

 

本日は慢性骨髄性白血病(CML)について、初診の患者さんに僕が話す時の内容を書いてみようと思います

 

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○○さんは先日、白血球などが多いということで当科を紹介受診されました。

採血では白血球が23000/μlと上昇しており、ヘモグロビン(Hb)が15g/dl、血小板が65万/μlと白血球増加、血小板増加を認めました。この白血球の中身に関してですが骨髄球などの血液中にはめったに出てこないものも認めますが、特徴として好塩基球という普通は1%くらいしか認めないものが8%と多く認められ、好酸球も10%と多いです。

この採血結果から慢性骨髄性白血病という病気を疑い、精密検査を行ってきました。

 

結論を申し上げますと慢性骨髄性白血病という診断になりました。これから病気に関して、治療法に関して説明してまいります。

 

慢性骨髄性白血病は造血幹細胞と言いますが、血液を作るおおもとの細胞に異常が生じ起きる病気です。この異常は遺伝子レベルで分かっていて「bcr-abl」という異常なたんぱく質ができることで生じてしまいます

この異常は名前はどうでもいいのですが染色体という遺伝子の船が壊れて、他の船の頭と船尾(おわり)を交換してしまったことで起きます。(船の絵と染色体の絵をかいて、交換してみせる)この9番と22番という染色体で交換が起きてしまい(フィラデルフィア染色体:Ph染色体と言います)、「bcr-abl」という異常な遺伝子ができます

 

この遺伝子の出す命令は「増えろ~、増えろ~。とりあえず増えろ~」という命令です。この病気になったばかりの時は「増えろ」「増えろ」と言われているだけで、機能的には正常な白血球が増えてきます。もしかしたら普通の時よりも抵抗力はあるかもしれませんね。

ただ、このまま放っておくと白血球は10万、20万と増えていってしまいます。この際限なく増えていくうちに「追加の異常」が加わってきます。この遺伝子にひずみが生じて、今後話をする「特効薬」が効かなくなることもありますし、他の遺伝子異常が加わり「正常な白血球」が作れなくなる。正常な白血球が作れなくなったら、それは「移行期」「急性転化」などと言いますが、急性白血病の状態に移行し死亡に至ります

 

今回、現在での骨髄の状態を把握することも含めて、骨髄穿刺を行い先ほど申し上げた遺伝子の変異がないか調べたところ、この異常を認めました。この時点で慢性骨髄性白血病と診断いたしました。

今の時点では「急性白血病」の細胞の増加は認めていません。慢性期のCMLでよいと考えます。

 

この病気の治療ですが、2000年までは若い人だけが同種骨髄移植で完治するだけで、ほとんどの患者さんは3年ほどで急性白血病に進行し死亡していました。2001年にグリベック(イマチニブ)という薬が発売され、これによって多くの人(8割~9割)の方が長期生存(IRIS試験という有名な試験で全生存率85%、病気が進行せずに生存している割合が92%:他の病気が原因で死亡がいてCMLでの死亡は7%)されます。

 

ですのでこのグリベック、もしくは現在は最初から使用できるタシグナ(ニロチニブ)などの第2世代と言われる新薬(もう新薬ではないなw)が使用できます。

「どっちが良いのでしょうか?」

現在タシグナという新しい薬で治療をし、早期にいい状態に持っていく方が良い結果をもたらすことが報告されています。個人的にも数人の患者さんに使用しましたが、タシグナの方が良い印象を持っています。

しかし、タシグナの方が高い薬です。また、副作用なども違うのでそういったものも使用するかどうかの検討材料になります。

 

少し説明を続けていきます。

これらの薬剤は先ほど言った「bcr-abl」というもの(本当はその遺伝子産物)に引っ付いて、働かせなくします。そのため「増えろ~」という命令が来なくなり、病気の細胞は減っていきます。ただ、この薬で今の時点では(2012年現在)すべてのがん細胞を殺しているかどうかと言われると、殺していない可能性が高いと考えられています。実際に非常に良い状態、検査ではどれだけ細かく調べてもわからないくらいの状況の患者さんに対して「薬の内服中止」をすると半分以上の方が再発してしまいます。

ですので、今の時点では薬を止めることができるとは言えません。ただ、よい情報としては一部の方が再発なく中止できているので、さらに医療が発展すると「止めることができる人たち」というのが判明してきて、薬を止めたりできるようになるかもしれません

どちらの薬を使用するかは、この後選択するとして治療のやり方に関して説明していきます。やり方と言っても内服治療ですので、基本的には評価の仕方です。

 

この病気には3つの目標があります。

1つは血液学的完全寛解と言いますが、見た目が正常になるかどうかですね。先ほども言いましたが、最初に白血球などが多くなっていて、その中身に好塩基球や好酸球などの割合が多くなっていました。これは普通の人ではありえません。これが普通の人と同じような血液の数値になり、なかっも正常な内容になるかどうか。これが第1の目標です。これを治療開始3か月で達成するというのが目標です。仮に達成でいそうになかった場合は、他の薬剤に変えます。

2つ目は細胞遺伝学的寛解と言っていますが、例の異常なPh染色体と言われるもののパーセンテージを調べていきます。血液中に出てくる白血球の中のがん細胞の割合を見る検査ですね。この病気はこの異常によって引き起こされていますので、これが多いか少ないかがわかれば、病気の治療評価になります。0%~100%までありますが1年以内に0%になるのを目標にしています。細かいことを言うと半年で35%以下が望ましいとか、半年の時点で減ってこないようであれば治療薬は変更するなどがありますが、細かいものはこちらで診ていきます。すなわち第2段階は数値で診れるもので1年以内に0%にしてしまいたいというのが目標です。

3つ目はこの目標が達成できた後に、血液の中を流れている遺伝子そのものをはかります(分子生物学的寛解)。血液の中に出てくるがん細胞は0%ですが、骨髄の中などに隠れているわけです。そいつらが存在しなくなれば血液の中からも「遺伝子」そのものが消えてなくなると考えられます。実際は先ほども言いましたが「検査の限界」がありますので、本当に0になったのか、まだ検査の限界を下回ったが存在しているかはわからないわけです。まぁ、難しい話は置いておいてより細かい検査があるわけです。これでMMR(Major molecular response)というものが次の目標ですが、日本ではCML-Ampという測定法をつくところが多いのですが、これで100未満になるのが目標です。

これはさらに今では5未満まで測れるのですが、5未満になってもまだ癌細胞はいると考えられます。研究室レベルで行うRQ-PCRやNested PCRなどで陰性でComplete molecular responseと言いますが、現時点での最良の評価となります。ただ、これを達成してやめても半分の人は再発してしまうので、より良い評価法を作ることは大きな意味があります。そういったものができるまでは僕は辞めずに飲み続けることを勧めます。

 

これから薬を使用してこの目標を達成に行きます。

先程も申しあげましたが使用できる特効薬は昔からあるグリベックと、新薬の部類に入るタシグナ、スプリセル(ダサチニブ)があります。グリベックは昔からある薬ですが、効果は後者2つより弱く、副作用として皮疹、浮腫(流涙など含む)、こむら返り、血液毒性などがあります。癌細胞が多いうちは「皮疹」はよく出てきます

 

また、血液毒性というのはほかの薬でも出るのですがイメージしてみてください。今は骨髄の中に癌細胞ばかりです。先程も血液の中に癌細胞がどのくらいいるかを第2段階で評価するといいましたが、がん細胞はいっぱいいます。それを押さえつければ、今までいた正常な細胞が増えてくるまで血液って減りそうにありませんか?体の中の血液の作る能力の95%が癌細胞、残りの5%が正常な血液だとすれば、正常な血液が工場を奪回するまでの間は血液の産生能力は落ちます。ですので、薬を使用し始めたばかりの時期は血液は減りやすいです。ですので、この副作用などを見ながら調整をしていきます。薬をいったん休薬して、再開して・・・などですね。

 

一方タシグナという薬は副作用は少ない印象があります。しかし、心電図におけるQT延長。血液検査の膵酵素、肝胆道系酵素の上昇、ビリルビンの上昇などを認めます。ほかに血糖値が上昇しやすいという副作用があるので、糖尿病のある方は使いにくいかもしれません。あと、時折ですが頭痛が生じたりすることがありますが、使用しているうちに頻度が減ってくる印象があります。

この薬は初発の時期から使用することで24か月の時点での改善率はグリベックより高いことが示されています。

 

もう一つのスプリセルという薬剤ですが、この遺伝子を抑制する力は最も強いです。ただ、統計的にはイマチニブと差がつかなかったこと、副作用が出血や胸水貯留、など様々なものがあります。基本的に最初に使用するのはタシグナを使用するか、グリベックにするかを考えています。

 

「どちらがよろしいでしょうか?」

実はどちらの薬も非常に高価な薬です。しかし、今ではグリベックは400mgでないと高額療養費に引っかからない人が出てきたりしています。実際、400mgではなく、300mgだったり300mgと400mgを交互に使用するなどでちょうどよい人もいます。

タシグナやスプリセルは高額療養費に確実に引っかかりますので、そういう意味でもタシグナの方が良いかもしれません。ただ、副作用がすべての薬剤で違いますのでそれらを評価してから薬剤の選択をしましょう

関係ないと思われるかもしれませんが、そういうことで心電図検査や胸部レントゲン写真など、いくつかの検査を追加で行わせてください。それをもとに治療法を決めて、当初は2週間おきくらいに受診していただき、安定したら1か月おきと伸ばしていきましょう。

「わかりました」

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だいたい、こんな感じですね。30分は必要です。長い人だと1時間近く(汗

まぁ、がんの告知を10分でやってほしくはないでしょうが・・・。

 

だからいつも自分の外来日以外に外来を設定しているのですが・・・。

 

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2017年にアップデートしました

 

僕のCMLの説明の仕方(患者さん向け) 

 

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