こんばんは
今日は雨風が強いですね。全身ずぶぬれになって帰ってきました。歩き+バスでこれだから自転車に乗っていたらとんでもないことになったw
さて、すこし思っていることを書かせていただきます。
医師不足に関していろいろと6年にわたりBlogを書いてきたのですが、医師が不足していない、偏在だと書いていたり、将来余るから増やしてはいけないという方々の思いなどをいろいろ考えたりしております。
僕はあくまで医師は不足しているというのが基本的な考えです。
医師が足りている、偏在でしかないと書いている人々は恐らく「無駄な場所」に医師がいると考えているのかもしれません。
医師数も含めて、医療の供給能力が明らかに需要を上回っているのであれば、3分間診療だとか救急車の受け入れ不能だとか、患者の入院不能なんて言うこともないと思います。現実的にそれは起きていますし、かなり医療従事者が不足している病院は多いと思います。
しかし、アクセスを維持するために、もしくは不足している介護施設などの代わりに病院が散在しているというのも事実だと思います。面積あたりに病院を…というのでは当然ながら人口密度などで「暇な病院」と「忙しすぎる病院」に分かれますので、忙しい病院に勤めている人は「人手が足りない」と思っていますし、そういう医師は基本的に「そういう意見を公表する時間すらない」と思います。僕は「眠らない医者」ですから・・・・時間を見つけてアップします。最近は…30歳を超えてからは眠らせてくれと思うようになりましたし、病院勤務から外れて今は時間もありますが・・・・。
暇な病院と書きましたが、それでも大変だと思います。なぜならそこに病院があり、少ない人数で回している限り自由な時間がとりにくいから。何かあったときに連絡の取れる位置にいてほしい…となれば自由がきかないですよね。24時間On call体制が続いているという意味で、日常で忙しすぎることはなくても自由は制限されてしまう。
ちなみに僕は24時間On call×365日に近い体制でやっていました・・・w
あとは開業医さんたちの代表(というと問題があるのか?)である日本医師会も医師を増やすことには反対の立場ですが・・・医師を増やして患者の取り合いになるというのが怖いという要素もあるかもしれません。
Twitterで見た意見ですが「医師を増やすと競争になり、能力の低い医師が医師として働けなくなるから反対しているのだ」という話がありました。これもあながち的外れではない気がします。
さらに医療費という「パイ」がある一定以上は増やしにくいのに、医師を増やしたら大変なことになる…というのもあるかもしれません。
さて、医師不足に対する反対理由、大元にはこの「医療費」があると思います。医療費の中に占める人件費が増えることが恐ろしい。医療費は基本的に増えていっても世間に貢献しないと、日本という国の負担になるのだという考えが根元にあるのだろうと思います。
僕はそれがどうなのかがいまいちわかりません。
ここからは僕の勝手な意見です。個人の意見ゆえに「なんかどこかの医者が勝手にしゃべっている」と思ってください。ただ、できればコメントで分かる範囲で結構ですのでいろいろ教えてください。僕は日本が良くなってほしいのです。
じゃぁ、行きます。
僕はTwitterにも書いていますがいずれは生産業の多く、特に大企業になればなるほど「人件費」は削減(というか、人がいらなくなる)していくんじゃないのかなぁと思っていて、雇用の場としても医療や社会福祉は必要になると思っているのですよね。近い将来、働く場所が減っていく。経済がどうとかではなくて・・・。
こういうとなんですが、昔は農業だって多くの人手が必要でしたけど、機械化されて減っていきましたよね。狩猟の時代→農耕時代→産業…ときているのだから、同じ流れで減るでしょう、普通。
このままいったらうまく雇用されている人と、アルバイトに依存するような人と2極化されていくと思います。というか、もうしているんでしょう。さらにひどくなると思います。そうすれば購買力も減りますし、経済も先細りじゃないのでしょうか?
僕は経済が専門ではないので誰か教えてください。
購買力が減ったら、企業も困りますし・・・。
で、購買力を上げるためにはどうするのって「収入の良い仕事」と「将来の不安をなくす」ことだと思っています。社会福祉がしっかりしていること。
医療や社会福祉がしっかりしていて、それがそういった雇用(人件費)が増えて、経済が活性化する方向に進むようにならないか…っていつも考えています。
あんまり安定しすぎると働かなくなるのではないかという不安もありますが・・・。
医療費がある程度増えても問題がないということになれば、開業医さんたちが不安に思っている「歯科医のようになる=ワーキングプア」という問題もなくなるのではないかと。本当はあんなに安い診療費でなくてもいいはずで、本当は診断の基本は診察であって、そこに医療費は注がれてよいはずだと思っています。にもかかわらず、検査や薬の処方がないと大した収入にもならない。歯科医師の開業医さんたちも診療報酬が少なすぎてワーキングプアみたいな状況になるわけですよね?
医療費が増えてもそれが日本経済を活性化させるというようなシステムさえ作れれば、おそらく医師不足問題もほとんどの人が賛成に傾くと思っています。
結局、医療費というパイが大きくならない、パイの奪い合いになるのに奪い合いをする人間を増やしてどうするの…という考えの方が多いのだろうと思っています。
将来的には専門性が高まっていくと思いますし、人口が激減しなければそう簡単に医師不足は改善しないと思います。そもそもチーム医療とかシフト制とかを組もうとしたり、外来をじっくり話せる体制にするためには(本来、生活習慣病の診療はかなり時間が必要なはず。僕は説明や様々な確認にこれほど時間がかかるものはないと思いますけどね。白血病の経過観察は再発しているかいないかだけ診てますから早いですけどね)医師は不足していると思う。
開業医さんだって数多くの患者さんを診なくてはいけないから(診療報酬的にも、医療の供給能力的にも)診療時間が短くなるわけでしょう?
時間をかけて診療できれば患者さんの変化にも早く気が付けるはずですし、絶対に悪いことはないはずです。ただ、医療費抑制、できるだけ削れという方針では…パイの奪い合いになるから…ということだと思っています。
ただ、その医療費拡大が「患者さんの負担」につながると「将来の不安増大」になるので、できるならば個々人の医療費の負担は低く抑える。少なくとも日本国民は医療費を「国民皆保険で自己負担○○%」と低く設定して(今より低く)、保険の方には別の財源を・・・。そうすることで将来の不安を減らして、お金を蓄えなくてもよいという考えにしていきたい。
で、申し訳ないのですがその負担をやはり外国のお金持ちさんに負担してもらう方がよほどいいかな・・・と。
僕は医療費が増大して、医療従事者も増えてしまえば「外国」の医療ツーリズムを受け入れるのは大賛成です。むしろそういう風にすればよいのではないかと思っています。その収益が病院の収入だけでなく、日本の各保険の財源になるようにすればよいのではないかと。
医療のブルーオーシャンはほかに何があるだろう…と考えると…いろいろ思いますよね。
例えばですけど、将来世界中の人が宇宙に住むことが起きるとします。そうするといろいろ問題が起きますよね。
例えば話題の放射線被曝
http://iss.jaxa.jp/med/research/radiation/
地上で我々が日常生活を送る中での被曝線量は、1年間で約2.4ミリシーベルトと言われています。
一方、ISS滞在中の宇宙飛行士の被曝線量は、1日当たり1ミリシーベルト程度のレベルになり、ISS滞在中の1日当たりの放射線量は、地上での約半年分に相当することになります。
JAXAの定めるISS搭乗宇宙飛行士の生涯実効線量制限値
初めて宇宙飛行 をした年齢 | 男性の制限値 | 女性の制限値 |
27才~29才 |
600mSv |
600mSv |
30才~34才 |
900mSv |
800mSv |
35才~39才 |
1,000mSv |
900mSv |
40才~ |
1,200mSv |
1,100mSv |
なんで、こんなに被曝制限値が違うのかと突っ込みたいところですが、生涯ですからね…。けど、1日1mSvですから高いですよね。それが慢性的に来ても直接の影響はそこまでないのか・・って話が脱線しました。
その問題に対して放射線による様々な問題を抱えている日本が、一番にその対応策を考えれば(例えば本当に放射能の影響を下げることができる薬とかですね)、将来の宇宙開発は日本がリードできますよね。
日本の医療が経済や政治に役立つかもしれません。
重力の影響に関しては医療ではないでしょうけど、遺伝子ではHSP○○とかが高発現するみたいですね。HSPってヒートショックプロテインですが。
いずれにせよ、放射線をネタにしてしまいましたが、医療が将来の日本に役立つ分野はいろいろあるのではないかと思います。応用が利く分野とかですね。
そういったものを利用しつつ、日本の医療費をある程度高くしてもよいような状況にできないかといつも考えています。
医療費をいかに抑えるか。そればかり考えているからひずみができる。医師、看護師、さまざまな分野で無理が生じる。
僕は病院をうまく集約化、医師や看護師も集約化、その代わりに他の職業を増やして雇用をもっと増やす。医師が増えたり研究者が増えることで、研究面でも成果を出す。医療ツーリズムを受け入れる。それらが医療を通じて経済の発展につながれば・・・・。
そんなことを思っています。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。