風のささやき 俳句のblog

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ビルとビル境を無くす梅雨の町 【季語:梅雨の町】

2021年06月19日 | 俳句:夏 天文
その日は日永
シトシトと雨が降っていました

すべての物音は
落ちてくる雨粒が吸収してしまったように静かです

あるいは雨の音が
他の雑音を包み込んでしまったのでしょうか

視覚的にも雨は町に変化を与え

普段は角ばって輪郭がくっきりとした
ビルとビルもその肩を濡らし
輪郭もしっとりと膨らんで
その境が曖昧となり

まるで町一面が灰色に押し込められた
絵画のように見えていました


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