「一本の木」
あなたは湖畔にたたずんでいた
白いかすみ草が咲いているように
そこだけ明るんでいた
太陽はいく千もの光の魚を
水面に浮かべた
それは金色のヒレを動かしながら
ひらひらと泳ぎ出した
真っ直ぐに伸びたあなたの白い足もとへ
光の魚が群れをなすと
その真ん中に立って
あなたはそこから
大きな一本の木になった
真っ直ぐに空へと伸びる
姿勢の良い姿そのままに
太陽の呼ぶ声に応え
空を抱きかかえるように
太い枝を広げた
光の魚はあなたの枝の
芽吹いたばかりの若葉になった
風が通るたびに
その一つ一つが眩しく
楽しく笑い揺れた
その木陰で僕は休んでいてもいいの
と 尋ねると
木の葉を揺する
それは肯う合図
だからあなたの木陰には
たくさんの生き物が
安心をして寝そべった
その高い梢には白い雲が休んでいる
すべてのものがあなたを大好きだった
あなたの周りにはやがて
木々が背を伸ばし
あなたはその真ん中で
ひときわ高く
全てを見渡す
母の眼差しのようだった
僕は安心をした小さな子供のように
あなたの幹に凭れかかり
木漏れ日をまぶしく見上げた
鳥も虫も動物もいる
あなたの下ではすべてが庇われた
この世界の大切な友達だった
あなたは湖畔にたたずんでいた
白いかすみ草が咲いているように
そこだけ明るんでいた
太陽はいく千もの光の魚を
水面に浮かべた
それは金色のヒレを動かしながら
ひらひらと泳ぎ出した
真っ直ぐに伸びたあなたの白い足もとへ
光の魚が群れをなすと
その真ん中に立って
あなたはそこから
大きな一本の木になった
真っ直ぐに空へと伸びる
姿勢の良い姿そのままに
太陽の呼ぶ声に応え
空を抱きかかえるように
太い枝を広げた
光の魚はあなたの枝の
芽吹いたばかりの若葉になった
風が通るたびに
その一つ一つが眩しく
楽しく笑い揺れた
その木陰で僕は休んでいてもいいの
と 尋ねると
木の葉を揺する
それは肯う合図
だからあなたの木陰には
たくさんの生き物が
安心をして寝そべった
その高い梢には白い雲が休んでいる
すべてのものがあなたを大好きだった
あなたの周りにはやがて
木々が背を伸ばし
あなたはその真ん中で
ひときわ高く
全てを見渡す
母の眼差しのようだった
僕は安心をした小さな子供のように
あなたの幹に凭れかかり
木漏れ日をまぶしく見上げた
鳥も虫も動物もいる
あなたの下ではすべてが庇われた
この世界の大切な友達だった
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