風のささやき 俳句のblog

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野良猫の後を追って 【詩】

2020年07月30日 | 

「野良猫の後を追って」

気取った野良猫が歩いてゆく
しっぽを左右に振り
軽いスキップを踏んで

楽しい場所に行くのだろう
仲間がきっと待つのだろう
ニャーニャーと迎えられて

その三毛模様を追いかけたいな
行く先々で新しい何かが
見えるような気がする

垣根をくぐり
縁側のある庭に野の花を眺め
壊れかけた電灯を心細く見上げ
塀の上から眺める人の群れは
ちょっとユーモラスな黒い波

毎日が同じに見える
僕の目線もきっと自由に
違うところに注がれるようになる

けれどしがらみに縛られて
大きな体をして
野良猫の自由な足並みには
ついていけないな

今も次の約束に縛られている
まだ来ないバスに気が急いて
イライラとしている
軽やかに歩く野良猫の姿を
羨ましげに見送るばかりだ

遠ざかる三毛模様の背中
僕も軽いステップで
追いかけて行きたいな



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