風のささやき 俳句のblog

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小春空おどけた口笛吹く子かな【季語:小春空】

2024年12月07日 | 俳句:冬 時候

暖かな日でした
その陽気に誘われたのか
心が軽くなったのか

一緒に歩いていた子供が
口笛を吹きました
もちろん下手な口笛で
時々空気が漏れるような音がします

それでも自分では
上手く吹けていると思っているのでしょう
調子に乗っていつまでも吹いて
しかも上手でしょうと聞いてきます

本人は真面目に吹いているのでしょうが
どこかおどけた調子のその口笛は
小春空にお似合いで

僕は確かに上手だなどと
おべっかを使いながら
その音色を楽しんでいました


冬の陽射し【詩】

2024年12月05日 | 

「冬の陽射し」

目を閉じて
顔に触れる朝日は
冬のシルクの肌触り

瞼の裏は明るい
橙 一色だ
くすぐったくもあり
ふふふと 笑いたくもなる

心は蜜柑のように
こぢんまりと
それでいて充実した丸み

体の真ん中にも
太陽がいる

ポカポカとする
寒いはずなのに 暖かい


生きたくも生きられなかった訃報聞く生厭い倦む人多きなか【短歌】

2024年12月03日 | 短歌

突然の知り合いの訃報に触れました
随分と前に一緒に働いたことがある人で
もう随分と会ってはおらず
日常の記憶からはその面影は消えていたのですが
名前を告げられると直ぐにその表情が浮かびました

40にもならないうちに亡くなられたとのこと
まだ小さなお子さんが3人もいて
3年ぐらい闘病生活をされていたようです
本当に悔しかったろうなと胸が痛くなりました

一方で生を厭い
生きながらえることに倦んでしまったように
見受けられる人も少なからずいます

誰に恨み言を言えばいいのか分からないのですが
生はなかなか思うようには行かないものだと
溜息が出てしまいます

こんな死に際を想像はしていなかったはずの
その人の笑顔を思い浮かべていました