先月の「硯箱」に続いて「筆掛け」を作ってみたくなりました。
「硯箱」と同様にネットで「筆掛け」をいろいろ研究しました。何せ実物を見たことがないのですから。
構造が全く単純ですから、特段難しいとは感じませんでしたが、何分書道をしたことがないものですから実寸が不明な点が何点かありました。
①は、一般的な筆の長さはどのくらいかです。巨大な筆は別にしまして、これまたネットで多くの筆の寸法を調べてみると、殆ど同じだということがわかりました。
②画像を見ますと、かけられた筆の穂がぼさぼさになっています。どの位の間隔で下げるのがベストなのでしょうか。これまたネットの商品の間隔を推定し、筆掛けフックの本数を決めました。
では作品をご覧ください。
2台あるのは、書道のアドバイスをしてくれる知人にあげようかと思い、材料も手間もさほどかからなかったので、2台作りました。
上から見るとこんなです。
筆掛けのフックです。フック売り場で探しているとこのクラシックなデザインがありましたのでこれにしました。
自分でも作ってみようと思われる方に参考になればと、いくつか感じたことを書きます。
①材木選び。ご覧のとおり簡単な構造です。ホームセンターやハンズの材木の小物素材売り場で十分そろいます。でもある程度目の詰まったしっかりした材木がいいでしょう。ただフックを止める部分は、ねじ込みと、天端の暑さを比べて、フック用にバルサの角柱を一本追加しました。フックですが、見場を考えますと同じ方向を向けるのが大切です。これが何故かなかなか大変で、何度のやり直しました。やわらかいバルサが、正解だった気がします。
②天端と底板をデザインを考え同じ寸法にしたのですが、安定が悪そうなのでさらに足台を付けました。高級なコクタンや紫檀の筆掛けですと、彫刻の足がつけられるところです。
③底板と両方の柱は木ねじで取り付けました。さらに足をその上から木ねじで付けました。天端の方ですがデザイン上見栄えが悪いので、いろいろ検討した結果、フック用のバルサにボンドをたっぷりつけたしっかり接着することにしました。
④塗料ですが、私は水性ニスを使用しました。4度塗りでなかなかいい感じです。「硯箱」はオールナットにしたのですが「筆掛け」はうっかりマホガニーを買ってしまいました。初めはこの紫がかった色に違和感を感じましたが、慣れてみるとこれもまたいい感じです。
仕上げてから気になることがあって塗料メーカーに問合せしてみました。
水性ニスは水に弱く水性ウレタンの方がよいのではの方がよいのではと、ネットにあったからです。
メーカーの解答は、水性ニスは完全に乾くと水の強くなるということでした。使い方を説明するとその位なら十分ですという返事です。
常に水がかかるところでは、水性ウレタンの方がいいですがとも言っています。ニスには水溶性ニスと言うものがあって、こちらは乾いても水がかかると溶けてしまうそうです。このメーカーの相談相手は、直で電話に出た若い女性で詳しい親切な解説にびっくりしました。
その後実はついでの時に、水溶性ニスを売り場に見に行ったのですが、水性ニスの倍の価格です。ニスの小瓶1瓶で2台分の材料が買えてお釣りが来ます。
水性ニスで正解でした。
現在完全に乾くように、棚に置いています。