昨年の引っ越しから、大量の本を処分しました。その後ハードカバーはとんと購入しておりません。以前は作者名だけで無条件に購入していた作家も数名おりましたが、最近はこの濱嘉之だけです。
警視庁警視だった彼は、現在危機管理コンサルタント会社社長の傍ら、多くの警視庁警察の小説を発表しています。
最新作は、おなじみの黒田純一が主人公です。彼は現在警視庁万世橋署署長に出世しておりますが、今回も、彼が事件の発端を見つけます。
彼の能力経験から、署長の立場でありながら世界規模のサイバーテロの日本捜査の捜査主任官の二足のわらじをはくことになるのです。
万世橋管内のATMからプログラム操作によって数億円の現金が消滅、さらにいくつかの機関から多額の金が搾取されます。
一方同時期に米国や欧州の主要銀行から数兆円の金額が、どこかに送金され送金先の銀行自体がなくなる事件が発生。
国会議員のパソコンから情報が抜かれ、さらに大手IT企業が暗躍と、登場人物がそろってきます。
黒田純一警視の懸命の捜査指揮の下、日本での事件解決が世界的規模の事件の解決の糸口となるか。
この作者の小説は現実の事件などを想像させるストーリーから始まりますので、どこまでが現実でどこから創作なのか大変気にかかるところであります。実際警視庁警察官が、このようなスーパーマン的捜査をできるのか疑問ですが、多分に元警視庁警視であった作者の彼が、後輩たちがこうあって欲しいという希望も入っているのではないでしょうか。
小説で書かれている犯罪は、もうすでに発生しているかもしれません。まだ我々が知らないだけか或いは捜査関係者が隠しているだけ間も知れません。日本の警察のサイバーテロ捜査関係者の一層の能力向上を願うばかりです。黒田警視の世界規模の情報と人脈は小説の上だけでしょうから。
本書で書かれている犯罪の主犯たちが考えている最終目標は、世界中の超優秀なIT技術者を数万人集めて彼らだけの国を作る事なんです。その資金は世界中の銀行や宗教団体からの裏金を抜き取って調達するというのです。
さらに彼らの国の武器はIT技術で、彼らの国を攻撃しようとする国家に対しては、彼らのIT技術でその国の経済を破滅させることができると言う事です。
さて、長年独身であった黒田警視が身を固めるかも、気になるところです。
すごい話です。出張か何かの電車の中でお読みください。面白いです。
追加情報ですが、アクセス解析をしますと、検索キーワードの上位にいつも「濱嘉之」が入っています。人気があるのですね。