以前からブログに関してある疑問を持っていました。
本日疑問に関して実験をさせて頂きます。同じ内容を再掲載いたします。
久し振りに面白いわくわくする航空冒険小説を読みました。以前紹介した「脱出山脈」を書いたトマス・W・ヤングの小説です。
アフガニスタンやイラクで機関士として、C-5やC-130の長時間の乗務経験を生かしたスリリングな冒険小説です。
物語
アフガニスタンの警察訓練センターで爆弾テロが発生。多数の負傷者をドイツの大規模病院へ搬送することになったC-5ギャラクシーが離陸します。その日同飛行場から離陸した複数の米軍機に、気圧感知式の爆弾が仕掛けられてしまいます。
C-5にも後部に爆弾を発見されます。他機が爆破されたことからドイツは進入を禁止、スペインのロ多基地に目標を変更されます。さらにスペインも着陸を不許可、最終も目的地は大西洋を横断、アメリカ大陸も横断、太平洋の中央のジョンストン島になります。
その間に高度を下げられないので高高度での数回の空中給油。領空を侵犯したという反米国のベネズエラ軍の戦闘機の威嚇、さらに負傷兵の中にいたテロリストと、次から次へと空中の密室で事件は起きます。その上年式の古いC-5が引き起こすエンジンなどのトラブルが重なります。
乗務経験が長い作者の経験と知識があちこちにちりばめられています。500頁を超える文庫本ですが一気と言いますか数時間をかけて読み終わりました。
また感心することや勉強になることも多々ありました。
○戦闘機に比べ地味な輸送機ですが、戦闘を含めあらゆる事態へ対応する訓練の数々が体系づけて行われていること。
○太平洋上や太平洋上の緊急事態航空機にに対応して、米国本土の危機管理室がしっかりとサポートすること。(どこかの国の危機管理室はお粗末です)
○中東から欧州、太平洋、大西洋とどこの緊急機がいても空中給油機が駆けつけられる体制ができていること。
○衛星交信が普通になっても他の周波数で複数の基地を経由して本土に連絡ができること。横田基地の管制官も登場します。
○中東戦争などの退役パイロットが世界中の航空会社に乗務していて、後輩の輸送機のパイロットを助けようと協力を申し出ること。
世界中の空域を支配している米軍だからできることかもしれませんが、機長・副機長・機関士の3名が爆弾を積んだ大型輸送機C-5ギャラクシーを飛ばし続ける、とても面白い作品です。前後数ページ以外はすべて機内です。空軍専門用語が出てきますが、解らなくても面白いです。
久し振りに航空機を堪能しました。