新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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DVD「フィクサー」を観て

2008-11-26 17:25:37 | 芸術鑑賞
DVDを観るゆとりもなく1ヶ月が過ぎ、久しぶりにレンタルショップに行きました。
手が伸びたのが「フィクサー」です。農薬会社が巨大な訴訟を起こされ、3000億円で和解するとか。担当弁護士が殺され、同じ弁護士事務所の後始末専門の男が見たものは。

なんて書いてあるので「ナイロビの蜂」風の話しに興味がわきました。

結論はがっかりでした。「沈黙シリーズ」のほうがまだ、大企業の悪の世界を描いています。上っ面のストーリー、具体的な事例は挙げず資料による薬害を説明しているだけです。どのような薬で、どのような被害をどのような人たちに与えたのか、具体例は挙げていません。つまり関係者を想定させるような内容には触れなかったのでしょう。映画製作会社の顧問弁護士が、監修していたのではないでしょうか。

米国で公害とかその類の映画は、やはり無理なのでしょう。投資家に製作費用の出資を仰ぐ製作手法では。

また、弁護士事務所に所属する主人公の後始末屋は、地方検事出身というのも驚きますが、さらに彼の仕事の一部が前半で出てきます。巨大企業の重役が飲酒運転で人をはね、その後始末を彼に依頼するのです。被害者がその現場に居た事自体が悪いとしてしまえとか、もし被害者が移民や不法入国者なら多分そうなるでしょう、と思わせます。

ストーリー展開も、予想どうりの展開になります。一番の問題はラストシーンです。こんな方法で解決するのかとがっかりです。ここには書きませんが、まるで「スパイ大作戦」や「Aチーム」?なんかで出て来る小道具作戦です。

3000億円払っても和解したい薬害訴訟を抱えている巨大会社です。担当の法務部長が簡単にその手を食うのか。最後に市警が役員総会の会場に乗り込むのですが、そんな巨大会社ですよ、市警に通報者を抱えていないかったのでしょうか。

この映画は、主役「ジョージ・クルーニ」を楽しむ映画だそうです。主人公はギャンブル好きで、友人と開店したレストランの借金がマフィアに8万ドルあります。その借金の布石も、ストーリーにまったく効いてきません。

久しぶりにがっかりの映画でした。テーマが薬害問題かと思ったのが間違いでした。
コメント
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