新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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光人社NF文庫「Uボート、西へ」

2019-09-29 17:31:39 | 読書
久し振りに「カテゴリー読書」で投稿することができました。この数年購入する本は文庫本ばかりです。4年ほど前に蔵書をほとんど全部処分しまして、ついでに本棚も処分しましたので場所をとるハードカバーを購入しないようにしております。理由の一つに目が疲れやすくなってしまったことにもあります。2時間ぶっ続けで本を読みますとピントがなかなか正常に戻らなくなっているのです。
さて趣味というものではありませんが、以前から折に触れて書いておりますが、私は潜水艦が大好きです。近眼にならなければ潜水艦乗りになりたかったのです。これは趣味ではないので読書やDVD、自衛艦など潜水艦に関する対象に色々関心が強いのです。
潜水艦史や図鑑などもいくつか集めております。潜水艦と言えばなんと言っても「Uボート」です。第2次大戦を舞台にしたドキュメントやDVDなどいくつも発売されていますが、昨日見つけたのは第1次大戦時のUボートの手記です。
第2次大戦で活躍したドイツ潜水艦Uボートではなく、帝政ドイツ時代のまだ兵器として軽視されていた当時のUボートの艦長の手記です。こんな時代があったとは全く知りませんでした。2次大戦のDVDや小説がいかに多く発売されているかと言うことですね。
こんな内容もありました。潜航して、司令塔の窓から外を眺めると海中に、なんて書いてあるのです。そんな事ってありますか。慌てて所蔵の潜水艦の歴史関連の本で調べてみたのですが、第1次大戦時代のUボートの記述がないのです。
英国の輸送船団の撃沈で潜水艦の有効性が認知されたというのに、2次大戦のUボートの活躍の影に忘れ去られているのでしょうか。

筆者エルンスト・ハスハーゲン大尉は第1次大戦の敗戦まで艦長を勤め、その後第2次大戦時には海軍少佐としてUボート乗組員錬成部隊「第二十五潜水戦隊」の司令を務めたそうです。訳者の後書きによりますと、大尉は、U62艦長時代に商船47隻(123294トン)軍艦1隻(9517トン)を撃沈する戦果を上げているそうですが、これでもUボートエースのトップ20入っていなかったそうです。念のためですが、エース第1位は商船194隻(45万トン)だそうです。いかに第1次大戦初頭は、英国の対戦防御の作戦が確立していなかったことを物語ると思います。

また、本書においても第1次隊船初期の頃は停戦を命じた商船を臨検して違反する貨物を発見すると乗組員を退船させてから船を沈めるなど、帝国時代の海軍の騎士道のような方策がとられていたが、その後無警告で敵船を撃沈する作戦がとられていきます。
第2次大戦の大型Uボートより2回りくらい小さい船体で更に少ない乗組員での戦闘シーンなど知らなかったことが満載の手記でありました。英国海軍の海上艦の戦闘小説の単行本を、うっかり全部数年前の引っ越しで始末してしまったので、本書は久し振りに愛読書になるでしょう。

蛇足ですが、本書の発行日は十月十九日ですが、購入したのは九月十九日です。こんな事があるのですね。これだから本屋巡りはやめられません。

『ダイブ、ダイブ、ダイブ』 あの潜航時の警報のブザーがほしいと長年思っています。
コメント
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