新鹿山荘控帳

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「江里康慧・江里佐代子展 仏像と截金」へ行ってきました

2011-04-12 18:02:22 | 芸術鑑賞
報告が少し遅れましたが、「江里康慧・江里佐代子展 仏像と截金」へ先日行ってきました。銀座和光の本館と並木館です。並木館では同じく「江里佐代子 截金作品追慕展」が開催されています。

二十年くらい昔TVのドキュメンタリーで京都か奈良で若い女の職人が截金の仕事をを見てから、その技術の感銘を受けてづっと関心を持ってきました。ただ截金の技術は一般的に仏像に施す技術で、我々市民が簡単に目に触れることはありません。

2006年に銀座和光に於いてご夫婦の個展開催を知り早速駆けつけ、仏像と截金の作品を見て、その作品の素晴らしさを堪能したのであります。しかしながら2007年江里佐代子さんは亡くなってしまいました。二度と截金の作品は見ることが出来ないと考えていたとき、今回の展覧会と追慕展の知らせを受けたのです。

○「江里康慧・江里佐代子展 仏像と截金」本館
何体かの仏像が本来安置されているお寺から展示用に来ておられます。仏様のがまとっている衣の上に截金でそれは細かく見事に截金の模様が施されています。
私達が、普通拝見する仏像は数百年から千年以上経っています。ここにあるのは出来たばかりの仏像です。新しい出来立ての仏像はこんなに綺麗なのかと、截金をおいても驚いてしまいます。仏像のほかにも聖武天皇・光明皇后御像がカラフルな色彩でおられます。私の目的である、江里佐代子さんの截金の作品も数多く展示されております。前回個展であったか思い出せませんが、截金に透き漆を重ねた截金透塗りの作品も多くありました。硯箱や棗や香炉屏風の作品です。漆の加減で金の截金が朱色に見えるのですが、25年くらい経つと漆が落ち着いてきて金色に截金が浮いてきます。参考作品がありました。『25年では金色が出て来るのは見られないですね』と係の女性に話したら、今の朱色の加減がとてもいいと買っていかれる方が多いといわれました。

そのついでに、販売している作品の値段を聞いたら、3センチくらいの手毬の模様の香盒で60万くらいでした。透塗りの硯箱で200万くらいだそうです。
江里佐代子さんの作品はもう作られないのですから、ますます貴重になります。一番小さい香盒がほしいと思っていますが。どうでしょうか。

○「江里佐代子 截金作品追慕展」並木館
本館から5分くらいのところにある別館で絵里さんの截金の作品だけを展示していました。こちらは販売はしておらず、作品のほとんどがパラミタミュージアム所蔵の作品と平安仏所所蔵の作品でした。
こちらでは截金の作業工程のパネルと絵里さんの使っていた道具が展示されていました。私が見ていると、話しかけてきた係の女性がいました。大変技術に詳しいのでお尋ねすると絵里さんのお弟子さんだそうです。小1時間は話し込んでしまいました。截金に使用する金箔の仕様についても色々お聞きしましたが割愛します。
これからもぜひ頑張ってくださいと激励して分かれたのです。
お弟子さんの彼女の作品も、他の弟子の方々と一緒に本館の会場入り口にあると聞いてもう一度本館に戻ったのは言うまでもありません。

当日作品は買えませんでしたので、2500円する図録を購入しました。
作品のよさを何とか少しでも判っていただきたく、リーフレットと図録から転写させて頂きました。会期は18日までです。18日までに買いに行くかどうしようか。


釈迦如来 虎渓山永保寺(三重県)

截金彩色まり盒小

截金彩色糸巻香盒

何年かぶりに心の落ち着く時間を過ごしました。


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