相変わらずエヴァンスのレコードを聴く日が続いている。
この作品は1967年8月17、18日にあのヴィレッジ・ヴァンガードで正規に録音されながら、死後の1982年まで未発表のまま過ぎている。詳しくは知らないが、情報では二日間で46曲を録音したもののエヴァンスが首を縦に振らなかった、と言われる。このLP(2枚組)はその内、15曲が選曲されており、残りはCDで聴くことができるようです。
今まで聴いた回数は、多分、片手で収まるだろう。その理由が思い出せず、今回、ピック・アップすることに。巷でどんな風に聴かれているのだろう?
これまで自分の周りで本アルバムが話題になった記憶がなく、 Netで検索すると、自分のネガティヴな聴き方と違い、アマゾンのレビューでは高評価を受けている。未発表=出来が悪い、とは必ずしも思わないけれど、客観的に言えば、エヴァンスもVERVE(レコード会社)もリリースするまでない、と判断しており、高評価とのギャップが気になるところです。VERVEはエヴァンスにだんまりで”LIVE”(1964年)、”& STAN GETZ”をリリースした前科(笑)があるので、エヴァンスのOKバーが高いとは言え、その気になれば時期が少しずれてもリリースは出来たはずではないかな。
そこで、もう少し、検索の域を広げると、やはり本作と距離を置いた聴き方をしているファンが少なからず居ますね。
前置きが長くなりました。自分なりの結論を急ぐと、
一つは、エバンスにしては前のめり感が強いかな。例えば、”In A Sentimental Mood”などその傾向が顕著です。ホーム・グラウンドでのライヴ・レコーディングで気張り過ぎたのかも知れませんが、自分はもう少し一音一音の間があり、タメが利いたエヴァンスが好きなんです。ゆったりしたテンポの”Alfie”、”Emily”なんかは良いですよね
二つ目は、音。所有盤は初版の米ポリグラム盤。全体にエネルギッシュなサウンドですが、ややつまり気味なのにエヴァンスのpが固くて高域も荒く耳に当たる一方、フィリーのdsは後ろに引き下がり、p、b、dsのアンバランスが馴染めない。録音クレジットでは、エンジニアにフィル・ラモーン、更に、ミックス・ダウン&エディテイングにフランク・ライコ、マスタリングはスチュー・ロメインと一流所の名が挙がっている。こうなると自分のシステムの問題なのか、と疑問が湧きます。
そこで、更に検索を深追いすると、米ポリグラム盤はフィリーは控えめで、国内盤は逆にちゃんと出ている、と言うコメントに当たった。但し、pの音に関しては触れられていなく、ネガティブではない。念のため、You Tubeで聴くとフィリーは後ろに引き下がっていなく、恐らくCDも同じと思います。
飽くまで好みの尺度に依りますが、本作は聴くソースにより印象、評が割れる可能性を孕んでいる。否、ただ単に自分のシステムに問題有か?