これまでジャズ・レコード(CD)がどれほど作られたのだろうか、全く見当がつきません。
星の数ほど、というアバウトな表現が一番、合っているかも。
その中から「名盤」の称号を得た作品は、ほんの一握りと言っていいのでは。その他は、乱暴な言い方をすれば、「星屑」のようなものかもしれない。とはいっても、「星屑」がなくては「名盤」の輝きも冴えてこない。
ただ、名盤といっても、「客観的な判定基準」があるワケでもなく、「?」と思う作品も少なからずあり、発言力ある評論家等々の「一言」が決定打として働くケースが多いのではないでしょうか。
だから、個人的名盤が生れるのでしょう。
では、反対に、内容が良くてもバッサリ切られた作品の「その後」はどうだろう?
たまたま、レヴューを担当した評者との相性が良くないケースもあるでしょうし、恣意的な評も決して少なくない。しかも、後から、訂正する事もまずないから、尚更、始末が悪い。
まぁ、「巷の人気盤」とはそうした類かもしれません。
そこが、面白いのだろう。
そんな話の流れの中、マスターが取り出した一枚がコレ。
‘siku ya bibi’とはスワヒリ語(多分)で英訳すると‘day of the lady’のようです。
1972年に録音されたC・マクファーソン(as)のB・ホリディに捧げられた作品。味気ないカヴァとストリング入りなのでしょうか、あまり認知されていません。
Mainstream MSL 1004
パーソネルは、
Charles McPherson (as), Barry Harris (p), Sam Jones (b), Leroy Williams (d) のカルテットを中心に、曲によって Ted Dunbar (g) とストリングスが加わります。
収録曲は
A面 ー Don't Explain , Lover Man (Oh Where Can You Be) , God Bless The Child , Miss Brown To You
B面 ー Good Morning Heartache , For Heaven's Sake , I'm A Fool To Want You ,
Lover Come Back To Me
TOPはやはり、‘Don't Explain’です。W・ヤングの‘FOR LADY’での名演も思い出しますね。
さすが実力者、マクファーソン、全曲に亘りしっかりasを鳴らし、歌い切っています。
こうした作品を愛で、さりげなく流すお店は貴重な存在です。