冴えないカヴァだけれど、コレがいいんだなぁ~
1984年リリースの国内盤。邦題は「不思議な国のアリス」。
中身は、1961年6月25日のあの‘VILLEAGE VANGUARD’ライブの未発表別テイク集。
‘Sunday At ・・・・・・・’と‘Waltz For Debby’の二枚を一度に聴いた気分になります。
曲目は、
A面 ー Alice In Wonderland 、 Detour Ahead 、 All Of You
B面 ー Gloria’s Step 、 My Romance 、 Jade Visions 、 Waltz For Debby
本番テイクと聴き比べるは野暮というもので、本作は曲の配列が抜群で落穂拾い臭は全くなく、独立した作品として充分価値があると思う。それだけ各テイクのクオリティが高いというワケ。
ラファロのオリジナル‘Jade Visions’は、こちらのテイクの方がエヴァンスのpが短いながらも素晴らしく自分は好きですね。
全体に、本番テイクに比べ、ややスィンギーと言えるかな? 秘かな愛聴盤です。
なお、‘The Village Vanguard Sessions’(MILESTONE 2枚組、1973年リリース)で既に日の目を見ているため、本作にも収録されなかった‘Porgy’は後に‘Waltz For Debby’のCDのボーナス・トラックで初めて聴きましたが、コレもいいですね。他の曲とちょっと雰囲気が異なるため本番から外されたと思いますが、音楽家としての「器」の大きさを感じます。秘めた愛を深々と語り綴るエヴァンスのpにころっと殺られる。
久し振りに後期エヴァンスの人気盤‘You Must Believe In Spring’を。
エヴァンスの最高傑作と言う人もいるけど、さぁ、どうかな?
煌びやかな音色とナイーブなタッチ、エヴァンス流リリシズム、確かに文句の付けようがありませんね。
でも、‘MORE FROM THE VANGUARD’、‘Porgy’を聴くと、エヴァンスが生前、何故、リリースを認めなかったか、その理由が何となく解ります。
エヴァンスにとって「あの日」は「特別な一日」ではあったけれど、「奇跡」では・・・・・・・・・