この時期になると、やはりボサノヴァものに手が伸びる。
RCA Victorシリーズ、デスモンドのボサノヴァ集。どうしてもソフトなイメージを持ち勝ちですが、それが、それが・・・・・・・
勿論、ハードではないけれど、ナメてはいけない。4回のセッションからの選抜ですが、全8曲中、5曲がポールのオリジナルという所が本作の肝。相変わらずデスモンドのアルトはメロディアスだが決してヤワではない。
作曲力もなかなかで'Samba Cantina’なんか、そこはかとなく哀愁を帯びた美しいメロディは本場ものを凌ぐほどの出来栄えですね。
所有盤はDYNAGROOVEのMONO、音が拡散せず楽器の音像が肥大しない所がイイ。もともと自分はナチュラルで品格あるRCAのDYNAGROOVEのサウンドが好きで、特にRAY HALL録音には目(耳)がありません。RAYはRCA専属のような存在なんですが、VERVEのBILL EVANS / WHAT'S NEWも手掛けていて、自分では最高の録音の一枚と思っている。
曲によりRAY HALLとBOB SIMPSONが担当していて、微妙な違いがありますが、聴き分けは難しいです。
B-1の'Curaeao Doloroso’でのJ・ホールの低音の弦の響きにはゾクとします。あくまで感ですが、このトラックはSIMPSONが録音している気がします。それはともかく、RVGが録った'INTERMODULATION'のJ・ホールとの違いがしっかりと出ている。
'DELINEATIONS BY DESMOND’と題されたデスモンド自身のライナーノーツ、弱い語訳力でラフにしか解りませんが、ユーモアに富み、デスモンドの筆の才が窺われます。
デスモンドのアルトは、「不易流行」そのものですね。
ps
BOB SIMPSONとキー・ボードに入力した時から、ずっと頭の隅に引っかかるものが・・・・・・・・
思い出しました、名録音盤として知らぬ人はいないこの盤を。
いやはや、そろそろ記憶力が ・・・・・・・・・・