もうかなり前、G・ピーコックとC・ロイドのデュオ・コンサートを聴いた。
異様なステージだった。数十人も入れば今風に言うと「3密」状態の小さなホールで、避難誘導を示す灯りの他、最低限のライトのみ、少し離れた人の顔の識別は難しく、二人のシルエットが辛うじて分かるほど暗い中、知らぬ間に始まり、いつの間にか終わった。一言もなく「瞑想」の世界だった。
今月の初め(4日)、天に召されたそうだ。享年85。
自分にとってピーコックと言えば、当時、ずっと見限っていた(笑)キースを呼び戻してくれたこの”TALES OF ANOTHER”。リーダーでもないのに呻ったり、奇声を発する「傍若無人」なキースをすっぽり包み込むピーコックの奥の深い音楽観が聴きもの。問答無用のピアノ・トリオの傑作ですね。
A・アイラーのアルバムに参加した作品を拾い出した。
演奏が始まると、録音エンジニアが部屋から逃げ出した(いゃ~解りますよね、笑)、と言うエピソードを残した”SPIRITUAL UNITY”、アヴァンギャルド・ジャズの代表的傑作。
BLUE NOTE参加作品を。
T・ウイリアムスの”LIFE TIME”と”SPRING”。
両作とも、ジャズ・ドラマーとしての神童ぶりを披露するというより、トニーの現代音楽に近い音楽観、世界観を打ち出し、アカデミックな雰囲気のなか、ピーコックもちゃんと役割を果たしている。好きなアルバム。
前回の最後に述べた「夢」は、本当になってしまった。まさか、前日に亡くなっていたとは ・・・・・・・ 間接的だが「虫の知らせ」とでも言うのだろうか。
Rest In Peace、PEACOCK