jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

CHARLES LLOYD ・・・・・ LIVE AT FILLMORE AUDITORIUN IN SAN FRANCISCO

2020-09-05 | ジャズ・ts

 

「山高ければ谷深し」、相場格言の一つをモダン・ジャズ史に落し込むと、1960年代後半、爆発的人気を得たものの、僅か3年あまりで活動停止、解散したロイド・グループが真っ先に浮かんできます。

ミリオン・セラーを記録した”FOREST FLOWER”(1966年9月)の陰に隠れ、それほど聴かれていない?ような気がする2枚(LOVE-IN、JOURNEY WITHIN)を。

1967年1月27日、シスコの『フィルモア・オーディトリアム』でのライブ録音。

煩さ型の評論家に「機を見るに敏なインチキ商売人」と意地悪されたけれど、ロイドのフリー・ジャズ・イディオムをベースに、ロック・ビートやその他の音楽のリズムを巧みに取り入れ、融合させた革新的な「ハイ・ブリッド」スタイルを理解できなかったし、しようともしなかったのだろう。その点、一般リスナーの方が柔軟で感度も鋭いですよ(笑)。

ただ、あまりの人気によりメンバー間のコミュニケーション不足から分裂、早期解散した事が、的外れなアナクロ批判を正当化させ、その後も、「通」ぶる連中から「フォレスト・フラワーだけのB級テナー」とか「ジャズ正史では出て来ないB級テナー」、そして「キースのpに集中して聴くのが正しい聴き方」とまで袋叩きされたことは誠に口惜しいですね。

本2作はロックの殿堂と言われる場所柄、ややポップ色が強まるものの、「ハイ・ブリッド」感も確りと打ち出され、何か縛りが解けたような解放感に充ち、ビートルズの美メロディ”Here There And Everywhere"をサラッと演ずる(LOVE-IN収録)辺り、ロイドの斬新なステージ・センスが光ります。コルトレーンは禁欲的だが、ロイドは享楽的、そこが良いんです。

 

久し振りに、4年前にもUPしている2枚を聴きました。

ロイド・グループの魅力が最高に発揮された” IN THE SOVIET UNION"(1967年5月14日)。

スピリチュアルあり、アヴァンギャルドあり、リリシズムあり、アナーキーのようで、しっかりロイドにコントロールされている。ロイドは勿論、キースも切れまくり、異才全開、もうスタンダーズなんか余興と思わせる生涯のベスト・パフォーマンス!

こんな演奏されたら、誰だってアンコールが終わったからと言って直ぐ席を立ちませんよね。オーディエンスの興奮状態は半端じゃない。

 

 

再起した後、ECM、第一作目”FISH OUT OF WATER”(1989年)。

眼を閉じれば、瞑想の清流が浮かぶ素晴らしい作品。ロイドを蔑んだ人達の耳にどう響いたのだろう。

 

 

今では、数少ないLIVING LEGENDの一人、まだまだ第一線で頑張って欲しい。

いつか、CHARLES LLOYD With KEITH JARRETT・STANDARDSを ・・・・・って夢かな。