長年、使いこなしが下手でENPIRE 4000D/1を特定のレコード専用、つまり野球でいう所の「ワン・ポイント・リリーフ」のような位置に甘んじさせていた。
その独特の音の原因を調べてみると、他のカートリッジと比べインピーダンス(負荷抵抗)が100㏀(一般は47㏀)と高く、キャパシタンス(静電容量)が100㎊(一般は400㎊前後)と低い事が解った。昔は其々、切替装置が付いたアンプがあったそうですが、今は殆んどないでしょう。
でも、理屈は解ってもその道に精通していなければ、対処の仕様がありませんね。
そこで、キャパシタンス(静電容量)はリード線、アーム内の線材、コネクター・ケーブルの種類により変化する、という点に目を付けた。
先回、ELAC STS455Eのリード線をアルミ素材に替えた所、激変したのでもう一匹を狙った。
実は他にワン・セット、アルミ線が遊んでいたのでオルトフォンのCu(銅)線を取り替えようと。
ここでちょっと考えました。別に4本とも替えなくても良いのではないか、と頭を過ぎった。左右別々ではバランスが崩れるかもしれないが+と−ならOKではないか。つまり銅とアルミのハイブリッドというわけですね。
どうなるか分からないが、とにかくやってみた。青と緑(マイナス)にアルミ線材、白と赤(プラス)は銅線材で・・・・・・・
二匹目がいましたよ!もう「ワン・ポイント」ではなく立派な先発ピッチャーに昇格しました。要するにキャパシタンス(静電容量)が上がったのですね。ちよっと上手く行き過ぎかな(笑)。
そこでこの一枚を。”TETRAGON / JOE HENDERSON”
大好きな”INVITATION”、中高域が滑らかに伸びるようになり今まで聴こえなかったtsの一音一音の微妙な強弱、イントネーションの変化がリアルに出てきました。続けて何度も何度も、イャー、ほんと名演です。
漸くEMPIRE 4000D/1はその秘めた実力を発揮しました。何でもトライしてみるもんですね。
で、+、−を逆に、また4本とも替えたらどうか、今後の楽しみに・・・・・・・・
世間ではEMPIRE 4000D/1、ELAC STS455E、共にすんなり上手く再生は難しいと言う話を聞きますが、ひょんなことからうまく行きました。音の世界は分からんものですね。
もう30年近く前、確かオーディオ・テクニカから市販されたものと記憶しております。今はカタログ落ちしているかもしれませんね。