ハバードのColumbia時代の作品の世評は総じて芳しくない。まるでフュージョンの親玉のような濡れ衣を着せられかのようだ。ショーター、ハンコックも、また、ナベサダ、ヒノテルだってばんばんフュージョンを演っていたのに・・・、人気投票であのマイルスを破るというタブーを犯したからなのか?(笑)。出る杭は・・・・・・・
ダブル・スタンダードどころではなくミュージシャン毎のマルチ・スタンダードが横行したのが70年代後半以降のわが国のジャズ・ジャーナリズムの世界。
今更、どうでも良い話ですが・・・・・・・。
今回、ピックアップしたアルバムは、カヴァのイージーさで損しているが、C・オガーマンの指揮するオーケストラとアレンジ、キーボードにC・コリア、そして一流のミュージシャン達を配したメジャー・レーベルならではの作品。
愛妻 Brigitte(モデル、ダンサー)と睦まじく収まっているバック・カヴァは、20年前、インディアナポリスのチンピラが、才器と努力によりジャズ界のスーパー・スターに「成り上った」事実を映している。
キャッチーなTOPのタイトル曲から始まり、愛妻に捧げた”Brigitte”、オガーマンの”This Dream”、B面に移り名作”Little Sunflower”、J・ヘンダーソン(ts)の隠れ名演(BASRA/P・LA ROCA)で知られる渋い”Lazy Afternoon”まで、オガーマン得意のクラッシック調のアレンジを含め、レベルの高い演奏が展開されている。クラッシック畑のミュージシャン達からも称賛・認知されるテクニックを8分の力で吹いている所が実に好ましく、例えば”Little Sunflower”はB・ジョエルの「ニューヨーク 52番街」で評判になった「ザンジバル」の名ソロを彷彿させます。A・ジャロウのボーカルは賛否両論ですが、ハバードのtpはクールでカッコ良いですね。
ジャズで無ければ、ポップスでもない新しい領域にもトライした作品。ハバードのキャリアを辿れば極自然な流れで、クオリティも高い。さすが、コリアもいい仕事をしていますよ。
こちらは、昔、SJ誌が本誌の中に組込んだディコグラフィーで、一枚ずつ切り取りファイルしたもの。カヴァが載っており重宝している。1987年まで、リーダー作を主に120枚が掲載されている。
92~3年頃からトランペッターとして致命的な唇の腫瘍により思うような演奏が出来なくなり、2008年12月29日、心臓発作により逝去、享年70。
マイルスが最高なら、最強はハバードと謳われた。
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