会社帰りに成城石井に寄ってみた。このところ愛飲しているワイルド・ターキー8年を買うつもりでしたが、すぐ隣に見慣れぬボトルが置いてあり、「最近、メキメキ人気上昇中の新興バーボン・・・・・」とPOPまで付けられていた。
この手のうたい文句にホトホト弱い私は、「たまには浮気でもしてみるか」とこのディクショナリーのようなちょっと変わったボトルの「ノブ クリーク」を手にした。
9年もので、アルコール度はワイルド・ターキー8年より0.5度低い丁度50度。
こういう初物って、期待と不安が入り混じって、なんか妙にウキウキしちゃいますよね。
早速、飲んでみた。最初の一口はストレート、さすが50度、喉の粘膜をジリジリと刺激する。
が、「甘い・・・」と感じた。次に、ロックで二口、ググッと飲み干した。食道から胃袋へ液体が流れ込んで行く。あららー、先ほどの刺激がスゥーと消えていくではありませんか。
ここがワイルド・ターキー8年との大きな違いですなぁ。
ブルジョァとプロレタリアの差でしょうか(古いなぁ、笑)?
飲みやすいと言えば、そうかもしれませんが、このちょっと変わった「甘さ」は何なのだろうと思い、ネットで調べると、この‘KNOB CREEK’、内部を焼いた樽で熟成されたそうです。それで甘くなるのだろうか?
いずれにしても、この初物、自分の感度不足かもしれませんが、今の私はちょっと苦手です。
boston acousticsで聴いた今日の一枚
the return of howard mcghee (BETHLEHEM) * 1955
ハワード・マギー、ビバップ時代、大物トランペッターとしてちょっとは名の知れた一人。
彼も、ヤクという悪習から足を洗えず断続的な活躍を余儀なくされ、本作もしばらく第一線から身を退いていた後の復帰を飾ったアルバム。
メンツがなかなか魅力的。S・シハブのsx、J・ジョーダンのp、P・ジョー・ジョーンズのdsという、所謂、モダン派布陣です。
この頃になると、マギー自身の吹き方に変化が見られ、ビバップ調の曲よりも、むしろ独特の陰りを帯びたバラード演奏に耳が行く。例えば、ビリー・ホリディの愛唱歌で有名な‘Lover Man’、イントロなしにいきなりこの悲恋メロディを吹き語り始め、妙に感情移入せずサラリと吹き終わる。ウゥーン、このダンディなプレイには参りました。さすが、大物の片鱗が窺い知れますね。
その他、マギーのオリジナル曲もバラードを含め、結構、いけますね。‘You're Teasing Me’なんか凄くいい感じです。
そんな中、一番、気に入った曲は‘Lullaby Of The Leaves’(木の葉の子守歌)、ミディアム・ファーストのテンポでメロディアスに歌うマギー、グーです。A・ファーマーの演奏と共に「隠れ名ヴァージョン」の一つと言っていいでしょう。
名手、Burt Goldblattの手によるアルバム・カヴァはややリアル過ぎですが、マギーのダンディさがよく表現された作品です。
マギーのペットが好き、というファンの心情が良く解ります。