家人が「目がおかしいから眼科へ行ってくる」と出かけた。
「どうだった」と聞くと、片方ずつ検査した結果は異常なくて、先生に「年をとったらそんなにはっきり見えなくていいんですよ」と言われたという。
目の前にあるビンのレッテルの文字を読み比べると、裸眼で私よりずっとよく見えている。
目がおかしいのではなく、欲望と機能のバランス感覚がおかしいのだ。
自分用にもギフト用にも向く、ひずまない高性能という触れ込みで、ルーペが売られている。
エッシェンバッハのルーペ。
ひずみの少ない謎は特殊な非球面レンズにあるらしい。
ルーペには倍率が表示されているが、買うときに、数字の大きさと実際の見え具合から選択の補助情報にするぐらいで、さほど気にしていなかった。
ふと疑問がわいた。何倍というのはどういう状態でそうなのか。
ルーペの倍率計算を説明したサイトがある。
http://www.eyeloupe.net/loupe3.html
「倍率の表示は、メーカーによって違います」と書かれている。
数値の示し方にもいろいろあるそうだ。
「倍率10倍のものが実際に10倍に見えるわけではありません」
よく見えないと嘆く人は、ぐっとにらむとルーペで見たようにその部分だけ広がってはっきり見えることを望んでいるのだろうか。