プリクラに二種類あることに気づいた。
一つは自分の顔を写して楽しむ、あの先輩格の遊び道具だが、もう一つプリクラッシュセーフティシステムという奇妙な名前のシステムがあった。
自動車が障害物を感知して衝突に備える機能である。
自動車につけたレーダーあるいはカメラから、進行前方の情報をコンピューターに取り込んで解析し、運転者に警告したりブレーキの補助操作を行ったりする装置である。
TVのCMでは、どれも直前でぴたっと止まるが、あれは撮影のときにそこで止まれるスピードで走らせているからで、実際の道路でばかげた猛スピードを出す走り方には、決してセーフティシステムとはならない。
衝突被害軽減ブレーキという別称もあるそうで、衝突防止とは名づけにくいのだろう。
衝突を防ぐのでなく、プリクラッシュとは、ガシャンと行く前、つまり直後にはガシャンなのである。
セーフティはそういう前提のセーフティと思っておかなくてはならない。
法定速度以下の走行といっても、追随でなく脇から飛び出してきたものには、やはりプリクラ効果しかない。
おれの車は止まってくれると思い込まないよう、わき見運転、居眠り運転、通話運転は自分で厳禁にしておいて欲しい。