世の中の景気動向は、配られてくる紙の質でわかります。
「上質紙」というキーワードで Google の画像検索にぞろぞろとイラストが並ぶのには驚きました。
それよりもっと驚きは、荷札の画像が上質紙の中にあったことです。
あんなものと言っては失礼ですが、一回使えば捨ててしまう荷札に、上質紙がなぜ必要なのでしょうか。
そう思ったところで、さて「上質紙」とはどういうものなのだろうか、ただ質が上等な紙というのではなかろうと調べてみました。
上質紙とは、「化学パルプ配合率が100%の洋紙」でした。
化学パルプは、木材を砕いたチップを化学反応で分解し、紙には邪魔な木質素を分離除去した材料でしなやかな紙ができます。
洋紙は、主に木材を主原料に機械を使って製造する紙です。
上質紙と呼ぶのは、製造工程上の分類名で、紙の質の優秀度合いが上位にあるものとは限らなかったようです。
一般には値段の高い紙ぐらいにしか解釈されないこの呼び名は、印刷屋さんには都合がよさそうです。
「上質紙を使います」と言って紙代に加算できますから。