千秋楽に名勝負を求めて行った人はさぞがっかりしたことだろう。
頑張りが届かなければ急に力が出なくなる。
まだまだ未完の力士群から抜け出せない。
二番ではダメなんですかという、あの冥せりふもだいぶ古くなったが、二番には順番の価値ではなく、その座にいることの価値があると思えばよい。
トップに立てば、さらにその上を目指す目標はつかみにくくなる。
二番の座にいれば、トップになりたいという意欲を、常に保つことができる。
メジャーでは常に二番の座にいながら、類を見ない美しいスイングを完成させたゴルファーもいる。
戦いに臨んで出せない力は、実力になりきれていない力なので、それが邪魔する気配の消えるまでは、急いで綱を背負わせることはない。
最年長新横綱という記録も残せるのだから。