「フリーズする脳」(築山節 NHK出版) に、『脳はボケるようにできている』という確かな言葉があります。
ボケるようにできているということは、使わなければ衰えるということです。
これは脳だけではありません。
人間の体全体がそうなのです。
脳以外のところは、ああ最近使ってないなと自分でも気付きますが、脳はちょっと違います。
使っているつもりでいて、実はそうでないという場合があるのです。
脳が衰えるなら大きめにと思っても、それは無理です。
衰えの度合いを極力少なくすることしか、脳に向かって打つ手はありません。
脳の働きに、智恵という、また得体の知れないことがらがあります。
脳は大きくできなくても、智恵の居場所は自由自在ですから、いくらでも広げられます。
智恵の居場所にも、やはりある種の自然現象に似た性質があって、いつも一回り大きくしようと思っていなければ、だんだんしぼんでいきます。
脳の働きはしわのより方だという話も昔聞きましたが、智恵はおかしなもので、しぼまないようにしわを展ばそうとすると、端のほうに切れ目ができ、またしわが寄りやすくなります。
智恵のしわ伸ばしには、コラーゲンも、ヒアルロン酸も、ペプチドも、飲んだりつけたりはいりません。
TVやゲームにつかまった呆け状態から、抜け出せばしわが伸びそうです。
脳は使おうとしてもいきなりは動きませんが、智恵はその気になれば動きます。
智恵は脳を動かすOSで、カスタマイズ可能だったようです。