商店の運営様式には、パート型とコミューン型のふたとおりがあるようです。
パート型の店では、客が店に来て品物を選び代金を所定の場所で支払って帰るという単純な交換が、手早く行われます。
そこで交換されるのは、カネとモノだけです。
コミューン型の店では、客が店に来ると店の人との会話が始まります。
品物を選ぶにも、こんなものが欲しいと客が言えばそれならこれはどうかしらと店の人が言います。
使い方や料理の仕方まで教えてくれます。
買い物以外の、無駄ばなしでもただの噂ばなしでもない情報交換もそこで行われます。
この違いは、店の型ではなく人と人とのつながり方なので、量販店のような形式であっても、コミューン型の運営はできます。
独りの店番でも、その人次第でパート型で通すこともできます。
決まった用がなければ人が来ない店と、用がなくても人が立ち寄ろうとする店と、どちらにしたいのかはそれぞれが選べることで、シャッターの下りている時間の長短は、町の環境のせいだけでもなさそうです。