鐘は打ち方次第で音を変えられます。
鐘の音は、早鐘、警鐘、梵鐘と、目的次第で変えることができます。
急を知らせる、注意を促す、時を告げると、何にでも使えそうです。
ところが、それぞれ鐘の据わり場所におさまれば、そこの目的以外の使いかたはほとんどされません。
融通のきかないところは、同じ発音のカタカナでも書かれるものとは大違いです。
鐘の音を耳にしたとき、気をつけてじっくり考えながら聴いてほしいのはKの鐘ですが、聞いてもらわなければならない多くの人びとの耳に届きにくいのもKです。
警鐘だぞと念を押せば、なおさら「うるせぇ」と耳をそむけられるのもKです。
素直に聴いてもらえるKの音、そういうものを考える音楽家は、いらっしゃらないでしょうか。