歳をとって もの忘れが増えるのは、意識のつなげ方が下手になっていくからです。
雑事が増えてくると、すべてのことにまともに付き合ってはいられません。
適当に気を散らすことで、意識のつなげ方というより、意識の散らし方がうまくなっていきます。
意識のバラけ習慣がつくと、覚えて置きたいことにメモの助けを借りるようになります。
メモの多くは言葉にして書きとめられます。
ところが、この書きとめることは、記憶力を弱める要因になることもあります。
人間の活動は、瞬間とその連続がイメージになって記憶されます。
いったん言葉にしてしまうと、イメージ記憶は崩れていきます。
イメージ記憶を崩さないためには、パッとメモをとらなければなりません。
どう書こうかと考えながら書いたメモなどは、記憶の助けにはならないでしょう。
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他人の書いたメモをどこかから拾い出してきて、勝手な想像で話をでっち上げ、なにか思い出せとか、書かれたものならそれも文書などと、問答にもならないことを延々続けて見せるサル芝居がときどき演じられます。
これほど見る気もせず記憶にも残らないアホらしいことはありません。