虚報タイムスという新聞があります。
『このサイトに掲載されている記事はすべて「嘘」であり「架空」の「虚報」です』という断り書きが、わざわざ書かれています。
「虚報タイムス」という題字を見ておいて、ウソ記事だ、けしからんと怒る人は、お医者さんに診てもらったほうがよいでしょう。
このウソには全く罪はありません。
けれども、百何十年も前から発行している大新聞がウソ記事を書いたら、それは重罪です。
もし、こういう新聞が間違ってウソを書いてしまったら、はっきり謝罪と修正をしなければなりません。
ところが、困ったことがひとつあります。
事実の裏付けのないウソでも、何度も書かれているとホントらしく見えてくるということです。
それをうまく使ったつもりで、ウソを書き続けたり、伝えなければならないだいじなホントのことを、わざわざ書かずに済ませたりすれば、それは超重罪です。
おじいちゃんの代から購読され続けた新聞でも、超重罪を思い切って悔い改めることがなければ、購読者の子供が大人になった頃には、間違いなく廃業に追いやられます。
街に馬車が走らなくなるのと、新聞が消えていくのとは、趣が違います。
それは、寂しいだけのことではありません。