自動化は、人間の能力が及ばないところを補うように進めているうちはよいのですが、人間が能力を働かせなくてもすむような自動化はいけません。
それを技術の進歩と思ってしまうのは錯覚です。
マイカーでハンドルに手をかけずに、その日のための資料チェックならまだしも、小説を読んだり、飲み食いを始めたりしたのでは、決してほめられることではありません。
機械はいつか必ず故障し、永久に完全無欠ということはありません。
公共の道路を走るのに、マイカーを自動運転させたのでは、まったくの無管理状態になります。
自動運転のマイカー乗車は、それを管理するという社会的責任の放棄で、許されることではありません。
無管理状態のものを公共の場に放り出してただ走り回らせるだけ、それは進歩ではなく、倫理感覚を捨てた人類の退歩です。