固体液体気体とその形を変えながらもしたたかにしなやかに存在するH2O。
水素が二つに酸素が一つの結びつきは、弱くて強い。
氷は解けることを前提に。水蒸気は凝固する事を前提に、循環のダイナミズムを僕たちに知らせてくれる。
噴水の装置は、可視化できる水の柔軟性のサンプルだ。
人は水を使用する事はしても、それそのモノを作り出すことに関しては、無力だ。
たまに詰まっている噴水口がある。
人の創ったものは、人が手を入れてやらなければ、その循環は妨げられる。
人工林しかり、人工池しかり。
やり始めたら、やり続けるということが、異物とはならずに調和する。ということなのかもしれない。
ちゃんと機能している噴水はアーティファクトとしても面白い。
水の形ではなく、人の形。つまり、人がどのようなものを美しいと思うのかということを教えてくれる。
たかが噴水。されど噴水。
形は影に寄り添う。
なんとなく、水の結晶体に、人工物も似てくるのではなかろうか。
水は、やっぱり、形を自由に換え、人に寄り添っている。