もう開く。
すぐ開く。
開いた。
メキシコ原産のこの花は日本にすっかりなじんでいる。
咲きかけの三態は、よく見れば、開けば開くに従って、花芯が小さくなっている。
どういうことなのだろう。
大きいほどに受粉の可能性は拡がるだろうに。
花粉部分を小さくしてまでも花びらを開かせることによる受益がきっとあるに違いない。
自然界では、失う可能性より得る可能性のほうが高くない限り、自然の選択はしないはずではないか。
もしかしたら、これは珍種か?
いやいや。珍種はわたしのほうだろう。
珍種黙考。
来年も再来年もそのまた来年も、生き延びよ。
三態といわず、もうまんたいで。