今日は、梅雨の晴れ間で、ご来店のお客さんが立て込んでバタバタしていました。この時期は、雨が多いので、晴れた日に納車やお預かりが集中します。最近というか毎月新規のお客さんがご来店になるので、どこで知ったのか聞いてみようと思います。以前の勤務先を辞めてからは、雑誌にも出ていないし、広告も特に出していないので、気になります。そんな感じで作業が多くブログの記事が間にあっていません。すみません。
コンディションレベルチェックパックとフロントブレーキキャリパー清掃でお預かりです。外装を外し点検から始めます。
2番気筒のチョークレバーのボルトが無いです。この状態だとチョークが効かないです。
クーラントは、エンジンオイル混入や漏れ等は無いようです。ただ、ラジエター下のバルブがオンになっており、サーモスタットが効いていません。エンジン始動直後からラジエターが作動しています。夏はまだ乗れますが、冬場は水温が上がりません。クーラント交換時にラジエター内のクーラントを抜くために使用しますが、交換後、エア抜きが終わったら必ずオフにします。
エンジン始動前の油面ですが、少しオイルが少ないようです。ウォーターポンプの下側の穴から少しオイルが滲んでいます。
トップキャップに錆があるので、フォークオイル交換時期不明です。エア圧も0でしたので、規定値の0.4にしました。
ヘッドカバーガスケットからエンジンオイルが滲んでいます。
エアクリーナーはヤマハ純正ですが、劣化しているので、要交換です。ダイヤフラムは、回転さ作動不良は無いので、平気です。
スパークプラグは、NGK製JR8Cですが、1番気筒がカブリ気味です。リアバンクのプラグコード差し込み部が腐食していたので、修正しました。
パイロットスクリュー部の圧入栓が入ったままなので、抜いて点検します。エンジン始動後の油面です。
タイヤは、前後ダンロップで製造後2年ぐらいですが、リアタイヤの溝がもうないので、交換時期です。
新車時の部品らしく、バンプラバーが無いです。左側は少しオイルの滲みがあります。
3カ所のフルードは、同時期に交換されたとのことですが、熱の掛かり具合で、劣化が違ってきています。クラッチは、エンジン側で常に熱が掛かることと、移動量が多いこともあるので劣化が早いです。
キャリパーは、フロント側は、点検清掃です。右側は、ピストンが固着していました。リアキャリパーは、パッド押え板が反対で、パッドを後ろ側(回転方向逆)に押し付けているとブレーキを掛けた瞬間に前側(回転方向)に当たるので、音が出ますし、パッドの裏板が鉄でキャリパーがアルミなので、当たるとへこみます。各キャリパーに言えますが、パッドの戻りを優先して押え板を外すと音が出て、キャリパー側が痛みますので、街乗りのみでしたら、板はあった方が良いです。別件ですが、パッドの裏板のサイズが純正より小さい、パッドピンが細い、パッドピンの穴が大きい等の社外部品を使用するとキャリパー側にダメージを受けますので、部品の選択は、注意が必要です。
ガソリンタンクは、天井側も含め、サビ等は見られないので、平気そうです。
フロントフォークのオイルシールは、まだ大丈夫ですが、押えのクリップが若干錆びています。
バッテリーは、点検のみです。
エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は平気そうです。
最終チェックと試乗です。試乗前に車体増し締めを行いますが、今回は、かなり色々なところが緩かったです。各部トルクレンチで締め直しています。フロントのアクスルシャフトも少し曲がっています。フロントホイールも規定値内ですが、一部歪みがあります。(ホイールは修正しなくても大丈夫そうです。)経年劣化はありますが、今後、整備していけば、ある程度戻せます。無事納車になりました。
2020.06.21 作業担当 ヤダ(矢田)